あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

白バラの匂う夕べは

2008-05-02 22:20:22 | レザークラフト

 

  中学校だったか高校だったかの音楽の時間に歌った歌
 「白バラの匂う夕べは、なんとかなんとかも夢見てる・・・・・・・」 
 あらら・・・・・、もう歌詞をほとんど忘れてしまってます。
 その白バラは、花屋に売っている大輪のバラではなくて、こんなバラだったのではないかしら。純白の花びらの清らかなこと。 その姿の素朴で愛らしいこと。 数あるバラの花の中でもとりわけ好きな花です。


 今、この花が、あちこちのおうちに咲いています。 つるバラなので、フェンスに這わせたり、車庫の屋根に這わせたりして、のびのびと咲かせているおうちが多いです。

 このバラ、実家にもあって、母がとても自慢にしていました。 ところがある年、
「じいちゃんが切ってしもて芽が出ん。」
と嘆くのです。 少し頭がぼんやりしかかった父は、何を思ったか植えてあった紅白のバラを根元から切ってしまったらしいのです。 案の定、その年、バラは咲くどころか葉っぱさえ出ませんでした。

 「もう枯れてしもたんじゃわい。どこにも売っとらんのに。」
 あまり母が嘆くので、これはもう苗を育てるしかない、そう思ったわたしは、ちょうど通勤途中にこのバラを咲かせてあったおうちに飛び込みました。 そして、挿し木をするために枝を2,3本わけてもらったのです。

 園芸書を見ながら生まれて初めて挿し木をしました。 1ヶ月では結果が出ず、2ヶ月も3ヶ月もかかったように思います。 20本ほど挿した小枝は次々と枯れてしまい、とうとう2本だけになってしまいました。 でも、その2本からはついに新芽が出て、引っ張っても抜けないほど地面に根を張って、挿し木は成功したのです。

 母に、苗ができたからと知らせました。 すると、

 「ああ、あれなあ、芽が出たわい。」 

 なんとも拍子抜けの返事。 しかたなく2本とも我が家の庭に植えたのですが、切っても切っても枝が伸びてジャングルのように茂るのです。 父のめちゃくちゃな強剪定にも負けなかったはずです。 実家のバラも今ではこんなに復活しています。    

 

 去年、退職祝いを下さった方々へのお礼として、このバラをモチーフにペントレイを作りました。 
 ろうけつ染めで地色をブルー、赤、えんじ、紺、錆朱に染め、ロウ散らしや亀裂を入れて装飾してあります。 

 それをトレイの芯に貼り付け、裏には豚革を貼ってあります。 表面に防水スプレーをし、さらにラッカーを2回かけて、少しの水ならこぼれてもしみこまないようにしました。

  ブルーにろう散らし


 
ろう散らしは、溶かしたろうを筆に含ませ、革の上にぱっぱっと散らします。 水が散ったようにそこだけ防染されて華やかになります。

 えんじに亀裂

 亀裂は、平らに塗ったろうを冷やしてひび割れをさせ、その割れたところに染料をすり込む手法です。 これが意外と難しい。

 去年の今頃は、ひたすらトレイを染めていたなあ。 飛ぶように過ぎさった1年でした。

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うすむらさきの・・・

2008-05-02 01:34:56 | 植物

 山にうすむらさきの霞がかかったように、フジの花が咲き出しました。 
 毎年今頃になると、1本の木でたくさんの花をつけるのとか、花房がとても長いのとかがふじの名所として紹介されていますが、今まであまり興味がなかったのです。 嫌いというわけではないのですが、何となくぼんやりした印象で、わざわざ見に行くまでもあるまいとー。


 でも、このフジの美しさには心を奪われました。 栽培されているものではなく、勝手に生えてきたものと思われます。 アケビと同じ、使われなくなったハウスのかたわらで咲いているのを見つけました。


 



 花房は短めですが、ひとつひとつの花が大きく、紫の濃淡が調和がとれてとてもきれいです。 真ん中にほんの少し黄色が見えているのがまた、紫を引き立てています。


 


  フジはその薄ぼんやりした花に似合わず、ほかの木の先の方までよじ登り、その木を覆い尽くすほど凶暴な植物だと思うのですが、この美しさは、その凶暴さを忘れさせてしまいます。


 そしてもう一つ、まるでくす玉のようにびっしりと花がくっついていて豪華な花。



 


  桐の仲間かな? 画面に入りきりません。



 エミフルへ行く途中、見つけました。 後続の車が来てないことを確かめて道端に車を駐め、わざわざ写真を撮ってきました。 何枚も撮ってふと気がついたら、後から後から車がやってきて、後続車は動けないことに・・・・・ 申し訳ない状態になっていました。 


 カラスの巣があった桐の木も、うすむらさきのヴェールに包まれたようになっています。 もうそろそろカラスのヒナが生まれるころかな? どこからも丸見えだったカラスの巣は、 花に隠されて目立たなくなっています。 この花が枯れる頃には若葉が勢いよく茂って、巣はすっかり見えなくなるはずです。 カラスの子は安心して育つでしょう。 カラスってやっぱり賢い。


 


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする