メッシュの型押しの革。
今、こちらではメッシュのバッグがはやりなんですが、都会の方ではどうなのかしら。 もう3年も前に買ったんですよ。 先見の明?があったかしらねぇ。
型押しの革はいろいろなのが売られています。 花模様、ペイズリーなどなど。 模様が既にできているので色をつけるだけ。
近頃はレザークラフトといっても簡単なのがあるんですよ。 バッグも、全体の形が出来上がっていて、側面にクラフトした革をはめ込んで貼りつけるだけのセットがあります。 それを使えばあっというまにバッグのできあがり。 手軽です。 早いです。 あまり技術もいりません。 でも、おもしろくありません。
わたしは、面倒でも自分で模様をカービングして、型紙から自分で起こして作るほう。 時間がかかります。 仕事をしていたときは、ひとつのバッグを作るのに半年くらいかかっていました。 それでも既製の型押しの革は買わない主義なんですが、 でも、これだけはー
編み目模様なのよねぇ。 手持ちの工具でもこうした編み目模様を打つことはできますが、まっすぐ均等に打っていくのはかなりの技術と根気を要します。 ましてバッグ全体がメッシュなんて、とてもこれだけのことはできません・・・・ 禁を破って買ってしまいました。
さっそくA4サイズのバッグを作ることにしました。 型紙を作って本体の革を、表裏2枚裁ちました。 バッグの色はグレー。 下の方にえんじのラインを2本入れました。
でも、グレーがどうしてもむらになるのです。 だいたいグレーはむらになりやすいんだそうですが、わたしとしては何とも納得がいきません。 色は染めたもののバッグに仕立てる気にならずそのまま放置しておりました。
・・・・そして1年が過ぎました。 やっぱり作らなきゃもったいないよね、と取り出してみたところー
ああ~、表と裏とで革の色がちがってる~。
原因は、日焼けです。 革は時間がたつにつれて褐色に焼けてきます。 それがまた、深みのある色合いになってよいところではありますが、 1枚だけ日焼けがひどく褐色がかったグレーになってしまったのです。 やる気がなくていい加減に放置しておいた結果です。 トホホ。
これを直すには、日焼けしてない方の革を日焼けさせるしかない。 両方がおなじ色合いになるまで再び放置することにしました。 2,3ヶ月後、ようやく同じような色になったところで、2枚の革を中表に重ね、きちんとしまっておきました。・・・忘却・・・・
さらに2年が過ぎました。 思い出しました。 やっぱり作るかねぇ。 普通の革より高かったもんねぇ。 気になるむらはもう一度染めたらなおるかなあ。
で、染め直しました。 むらはなくなったものの・・・・ ラインが気になる。 なんかやぼったいなあ。 ええい、消しちゃえ。 というわけで、ついに真っ黒に染め直してしまったのです。
せっかくのメッシュが目立たないんではないの? そうだ、ゴールドがはやってるからアクリルカラーのゴールドを塗ってみよう。
革のへこんだ部分にゴールドが入り込み、確かにメッシュは目立ち出しましたが・・・・・
うわ~ん、ゴールドがむらむら~。 革はきらきらといびつに輝いておりました。 どこまでもむらむらから脱出できないこの革、どうしたらよかろう。 捨てちゃおうか。
そこで思いついたのが、「染めQ」というスプレー式の革用塗料です。 わたしは使ったことないけど、ホームセンターに売っていたはず。 だめで元々、あれを使ってみよう。
いかがでしょう。
わずかにきらきらが残って味のある黒さ。 なかなかいいんではないの。 わたしはやっと本格的に仕立てる気になりました。 これは本体の革をミシン縫いしたところ。 裏返すのに苦労しました。 ちょっとしわが寄ってしまいました。 革のしわはとれないのでちょっと痛い。
内袋を縫います。 ポケットは2カ所。 ひとつは携帯電話が入るように、タックをとってあります。 もうひとつはファスナーつき。
問題は持ち手です。 そめQを使う前まで、どうせ失敗作なんだからと、バーゲンで買った既製の持ち手を縫いつけようと思っていたのですが、これじゃあまりにも普通。 しかもおばさんぽい。
お店のT子さんの知恵も借りながら、 細い紐の端をループにしてカシメで止め、紐止め金具でカシメを隠すことにしました。
今回のバッグは、あまり手作りらしいところが見あたりません。(ほんとはすごい苦労したのにね) そこでバッグの口だけはて手作りっぽく、黒の革でかがっています。
ファスナーの端の始末も手作りっぽく。
ハートに紫のかざりカシメをつけてみました。
じゃーん、完成です。
最後まであきらめずに作ってよかった。 これ、けっこうたくさん入ります。