遠くのほうまで続く緑、薄紫の花。 何だと思いますか? え?薄紫に見えない? すみません、今日は写真の具合が悪かったようで。
2年前の今日撮った写真です。 今年よりもずっとずっと花が多くて、池全体が薄紫に染まってすばらしかったです。 まだ梅雨が明けてなくて水もたくさんありましたし、葉もみずみずしかったです。
答えはホテイアオイの花。 別名ウォーターヒヤシンスと言います。
近くで見ると、なるほどと頷けます。 ほんとにヒヤシンスそっくり。 日本名は茎の元のふくらんだ部分が、七福神の布袋様のお腹に似ていることからついたのだと思いますが、これもぴったりの名前ですね。
ところがこのホテイアオイ、各地で、いや各国で厄介者なのだそうです。 まるで悪魔のように言われているところもあるらしいです。 繁殖力が強く、水面を覆い尽くすことの弊害がいろいろあるようです。 水中に光が差さないので水の劣化が進むとか、在来の水生植物を陶太するとか、水路では船の進行の妨げになるとか etc...
こんなにきれいな花なのに。
一方で、水中の養分を根に吸着させて水を浄化させるため、わざわざホテイアオイを投入することもあるのだとか。 でも、冬に後始末をしないので、返って枯れたホテイアオイで水を汚す羽目になったりもするんだそうです。
なんだか運命に翻弄される女性をイメージしてしまいます。 美しさに惹かれた男が、無理矢理自分の国に連れてきたけれど、その女性は美しさの下に魔性を秘めていて、運命を逆手に自分の世界を広げていく・・・・・
いえ、いえ、植物に罪はないのです。 美しさに惹かれて簡単に輸入し、不要になったらぽいと野に放つ人間が悪いのです。 そのあげくに駆除の対象にしてしまったりー。
でも、外来種もここまできれいだと、駆除をためらってしまいますね。