あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

長尾寺の菜懐石

2018-10-05 12:13:57 | 旅行
 バス旅行のちらしで「菜懐石」と「手作りバター」の文字を見つけ、とびつきました。なんの予備知識もなく調べもせず、家族にどこに行くのかときかれて、さあ、大山牧場とあるからあのへん、といい加減に答えてバスに乗ってみればー
 長尾寺は、87番札所でしょ?と隣席の人に言われて、はあ、そうだったのか。



 もう40年くらい前にお四国参りをしたことがあるのですが(それも2回も)この景色には全く記憶がありませんでした。

 本坊膳所へ案内されました。

 玄関横にお庭へ入る門があって



 すてき。

 
 さて、本題に入る前に住職さんのお話から得たうんちくを少々。興味のない方は読み飛ばしてください。

 1 この長尾寺は、天台宗

   びっくりです。そもそも四国八十八箇所は真言宗の空海(弘法大師)が定められたお寺。それ  になぜ天台宗が? 八十八か寺の中には何カ所か天台宗があるそうです。


 2 「同行二人」どう読む?

   見学に来た小学生は「どうこうふたり」と読むそうです。
   正しくは「どうぎょうににん」八十八箇所参りをするお遍路さんには常に弘法大師がついてい  らっしゃる。ということです。

 3 誤変換・・・ JA 接待 もう懲りた

   ○ のうきょう→農協→JA 正しくは納経 最近ブームの御朱印を受けると言うことですが、お四国さんは納経なんだと、霊場会長さんががんばっているそうです。御朱印を受ける場所は納経所。ははは・・・がんばってください。何もかもローカルが消えて全国統一されてしまうのはわたしも反対す。

   ○ せったい→接待=もてなしの見返りに自分にとっての有利を求めること 正しくはお接待 お遍路さんに食べ物や休憩所などを無償で提供すること。これはお遍路さんには御大師様がついていらっしゃるからそのためにおもてなしをすることだそうです。
   
   ○ もうこりた→もう、懲りた  正しくは亡己利他 縦書きにしてレ点をつけるとわかりますが、己を亡くして他を利する、こと。これがお接待の精神だということです。これぞ元祖ボランティア精神。いまもお接待の風習は残っています。四国が誇る精神文化だと思います。


    わかりやすく宗教的な押しつもなくく楽しく聞かせて頂きました。  

 こんなお話を聞いているうち食事の用意ができましたとのご案内。

 広々と新しい建物でした。トイレがすてきなんですよ。

 

 まるで高級旅館か割烹のようなしつらえで、食堂は先ほどの前庭と、東屋のある裏庭と両方が見渡せる広間にテーブル席でした。足元が畳ですので素足にもやさしい。



 出てきたお料理は、もちろん精進料理です。

  焼き胡麻豆腐(右上)
  かごの中上  エリンギと小松菜煮浸し 菊の花
      左  白和え
      右  ずいきとタマネギ黄身酢がけ
       
 
 
  下のほうだけアップ
   上から左回りに
   卯の花稲荷 オクラ巻き金山寺味噌 玉こんにゃくの麹煮 にんじんカステラ
   かぼちゃ団子 ウサギにんじんと丸十(さつまいも)レモン煮 栗素揚げ  



   椀物ーバターナッツ豆腐 椎茸旨煮 冬瓜 インゲン 生きクラゲ 酢橘 道明寺麩



   揚げ物ーイチジク なす レンコン ベビーコーン 穂じそ 



   小芋甘味噌かけー写真なし

   二色湯葉 彩り野菜 ひじきの旨煮 ジュレ掛け



   二色の湯葉は白大豆と黒大豆から作った物

   ご飯



   ふたを開けると


   栗ご飯でした。敷物は、このお寺に伝わる古い絵手本帳をコピーしたもので、小菊の図柄でした。
   
   そば 薬味のネギの細さにびっくり。


   デザートー甘酒羹 りんご。甘酒は麹から作ったアルコールのないものです。

  いかがですか? もうおなかいっぱいでしょ?でもまだあるんです。食後通されたのはひろいお茶室。ここで抹茶をいただきました。お菓子は



 甘納豆入りおはぎ。一口サイズで、普段のわたしならぱくっと食べてしまうところでしたが、丁寧に小さく切って
 ほどよい甘さでいくらでも食べられそう。わたしおはぎ大好きなんです。

 お茶室に行くまでに小さな中庭がありました。



 お茶を頂いている間、住職の奥様がいろいろお話を。この方が調理場しておられるのでした。 どおりで繊細で愛らしいお料理だったわけだ。料理についての質問にも答えてくださいました。
 今日の料理に使われた野菜は約五十種類。大半が地元で採れた物で野菜などは出汁を取ったりして余すところなく使い切るとか。ご飯に添えられていた昆布も出汁を取った残りをつかっているとか。そしてお運びのお手伝いさんは近所の主婦の方。仕草が洗練されていたなあ。
 
 旬の新鮮な材料を丁寧に調理していただく、これぞ贅沢というものでしょう。
 来て本当によかった・・・初めて出会ったツアーのお仲間と、しみじみと語り合いました。

 残った時間で本堂と大師堂にお参り。ここで本堂の作りにびっくりしました。最初のお話で、他のお寺とは少々違っているとはいわれてましたが、

 正面がガラス張り。ご本尊が見えません。(わたしたちは本堂の中で拝んではいましたが)
見えるのは自分なんです。したがって、自分に手を合わすことに。
 わたし、はっと思ったんです。これはこのお寺のしかけなのか? 
 なぜなら奥の見えない観音様が「御仏は己が心に」そうかたりかけているように思えたのです。
 何らかの救いを求めてお参りする人々に、自分の中の仏なるものを見つけなさい、救いはあなたの心にあるのですよ、と。
                      注 あくまで個人の感想です

コメント (2)
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