頼まれていたバッグの修理(ほぼ作り替え)が終わりました。
この黒い革の部分が付け替えたところ。もともと合皮でできており劣化してぼろぼろでした。それを牛革で作り替えたのです。
ただし、持ち手は持ち主さんが自分で調達されたもの。残念ながらそれは合皮でした。本体の革とはやや雰囲気が違うため、本体に取り付ける部分を切り取って革に代えました。

持ち手の取り付け部分には内側に補強の革をつけています。

手紐の付け位置 よし
2本の持ち手がぴったり重なって1本に見えます。我ながらよいでき。

余ったファスナーの始末 よし。空け口を広くするためわざとファスナーを長くしているタイプのバッグです。もともとのファスナーを取り外して縫い付けました。

ここ、ちょっと苦労したところ

もともとは内袋の見返しがなかったところに革の見返しをつけ、ファスナーを挟み込みました。
バッグの底。 合皮で汚れてはいますが、表面のはがれはないのでそのままにしています。ここに手をつけると、全面解体になってしまいますので。

お引き受けしてから何ヶ月もたってようやくお渡しすることができました。バッグの雰囲気はもとのまま、高さを1,2センチ高くして収納が少しだけ広くなりました。お気に入りで捨てることもできず悩んでいたものが再生されて大喜びしてくださいました。
この方、前にはご自分の手芸作品をバッグにしたいとご依頼があって、そのときも合皮の材料を持ち込まれました。せっかくだから本革にしたらとおすすめしたのですが、すでに合皮を買っていたこともあって結局合皮で作りましたが・・・・・・
合皮は湿気に弱い。合皮は劣化したら捨てるだけ。今のSDGsには反していると思うんですよ。革も劣化や変色はしますが再利用できます。わたしの革友達は最近リノベーションにはまっていまして、ついにはブランドバッグまで解体してしまいました。外はきれいなのに内側が合皮だったため、はがれた素材がゴミのようにくっついて物を入れられなくなったのです。
解体してみると、さすがブランド品。そのつくりの丁寧なこと。ただただ感心するばかり。ほんとに残念なこと。昔はバッグの内側に合皮を使っていましたね。母に買ってあげたホースヘアーのバッグも中がぼろぼろになって捨てたみたいです。あれ、作り替えることができたのになあ、と今になって悔しい思いをしています。
何ヶ月か前、フェイクレザーとかなんとかいって合皮を推奨する記事を読んだことがあるけど、ちょっと ? でした。食べるために殺した生き物のすべてを頂いて生かすーそれがレザークラフト本来の意味であったと思っています。それを石油系の素材に代えてどうするのかなあ。わたしは頑固に合皮を否定するのではありませんが、人が食べるために死んでくれた生き物の残したものとして、できるだけ革を使いたいという気持ちです。
昔はねえ~ そんな言葉を使う歳になってしまいましたが
バッグの内側にも豚革を使い、固くて重たかった。高価な革はどんな小さな切れ端も取っておいて何かに使うようにと師匠からは言われました。
その結果・・・・
細かい端革はかご何杯? あまりに長く置くとかびてしまうし、革も保管が難しいことは確かです。
では、話がそれますが、小さな革の活用と言うことで

ポリ袋が入るバッグアクセサリーのオーダーがありました。もちろんマイバッグは持って行くのだけど、肉や魚だけはポリ袋に入れたいという人が、袋を忘れないためですって。
!!! ポリ袋じゃなくてもいい、忘れたくない物を入れてバッグと一緒に持って行けるバッグアクセサリー。
どんな色が気に入ってもらえるか解らなかったのでいろいろ作ってみました。

小さな方は純粋にアクセサリーとして作った物ですが、自販機の飲み物を買う小銭くらいは入りそうです。
