草の枕を旅の友として・・イタリアに草の枕があるのかね?無かったらどうしよう トホホ
塩野七生さんが好きで、文庫本を買っては読んできた。しかし、「ローマ人の物語 スペシャル・ガイド」という本があるのは知らなかった。
昨日、県立図書館にインターネットから予約していた本が、用意できたからというメールをいただいたので、借りに行ったのである。そして、かなり広い館内をあちこちさ迷っていた。で、上記の本を見つけたのである。さっそく借りた。
なんでか。来年、イタリアに行ってみたいと思っているからである。予約のカネは支払ってしまったけど。もっとも主治医の許可が無くては行けないが。今年行ったカナダ・アメリカも許可していただいたから大丈夫だろう。それに故郷の山形への墓参も許可していただいたからだ。後は、再診の時と重なってしまったらいけないから、11月の再診日に主治医にお願いをしてくるつもりである。
「生きているうちに、あちこち旅行させてください」って。マジにである。死んだらどこにも行けないではないか。しかも圧倒的に時間がある。暇である。大学院も退学したし。やることが無い。徹底的に暇。
大学院というと、県立図書館の駐車場で、知人に会った。現役の仕事人時代に同僚というか、知人というか、そういう方であった。年齢は同じ。最後の勤務校で、立場は異なっていたが、年齢が一緒であったので、いつも私の部屋でお茶を飲みながら話をしていた御仁である。
彼はちょっと早く退職をして、教育界を去った。事情があったからである。これ以上は守秘義務のために書けない。
しかし、彼は私を覚えていてくれた。
駐車場から図書館へ向かって歩いている私の後方から、「と~ま君、と~ま君」と呼び止めてくれたのである。振り返ったら彼がいた。
懐かしかったから、それから長い立ち話をしてしまった。それにしてもよく私のようなバカを覚えていてくれたものである。ありがたいものである。
たいていは、私のような挫折ばかりしてきたバカで、しかもなんの成果もあげていない仕事人は忘れられてしまうからである。だからよく覚えていてくださったもんであると思った。思ったからそう申し上げた。
そしたら、二人で大いに笑いあった。彼もまた老人になってきていたし。お互いさまである。
大学院を退学した話もした。彼も大学、大学院と学んでいる。似たような時代を共に生きてきたのである。そして言われた。「博士はどんな大学であっても、なかなか取れない」って。彼もまたその辺のことは良く知っているからである。「大学のプライドにかけて、博士はなかなか出さない」ということで共通認識を持ったのである。
こういう話はなかなか楽しい。彼もまた乞われて来月から、隣町の学習塾で講師をするという。気晴らしになるだろう。それでいいのである。
お互い、いろいろと大病をしてきたから、そのあたりも話をした。そして別れた。お互いの健康を祈りつつ。
彼は自転車で去っていった。これからも会う可能性はそんなには無いだろう。偶然でしか。お互いに健康で、いつまでも元気で生きていきたいものである。
だから、私は趣味に生きる。
旅行である。
そして旅行と実際に行ってみたい国のことをあちこちと勉強してみることでもって、生涯学習ごっこをしていくしかないのである。それもまた楽しみである。楽しみ。
昨日、実は「くずし字で『おくのほそ道』を楽しむ」という本の部分コピーをコンビニでやっていた。1000円もかかったが、この本、古文書講座である大先輩が神田三省堂で買ってきたからと先日見せていただき紹介してもらったものである。それで、県立図書館で借りてきた。チャンスはどこにでもある。だからおおいに活用することである。マジに。
くずし字であるのがいい。雰囲気がある。
そして、内容は、これでも一応それでもって37年間喰ってきたのでだいたいは知っている。だからくずし字であっても、暗記しているから読めるのが嬉しい。
どんどん読みながら、楽しんでいる。
そして、ふと気がついてしまった。
あ、オレもまた「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也」であったと思ったのである。あったというのは正確ではない。これまでもそうだったし、これからもそうである。
時間の流れとともに生きて、そして死んでいくのである。仕方ないではないか。生まれてしまった以上、死ぬまでは生きていくのである。
それこそガキのころから、死のことを考えない時はなかった。本当に死んだらどうなるのかということが、小学生の時からの不安であった。だから故郷山形の寺院巡りをしながら、そういうことを考えてばかりいた。受験勉強は一切しなかった。日がな一日、死のことを考えて、図書館でもそんな本ばかり読んでいた。故郷赤湯温泉には、日銀総裁をやった結城豊太郎記念図書館というのもあって、そこが好きだった。常連の小学生であったからだ。
思えば不思議な小学生であったなぁと思う。
そしてそれは今でも私の最大の関心事である。死と生。それである。そうなのだ。まだまだ解決していないからである。
これからもいろいろ考えていくつもりである。旅をしながらである。その回答が、イタリアにあるかもしれないから。それこそ、草の枕を旅の友として。
(ToT)/~~~