およそボキはなんのおもしろみもないジジイである。ただひたすら堅実なだけの。
賭け事の弱い人は、実に幸運である。ついているのだ。そう聞いたことがある。
確かに、賭け事で家を建てたり、高級外車をゲットしている人にお目にかかったことがない。そういう一時収入でもって、人生を左右するような出来事に遭遇したらかえって不幸の原因になるだろう。
ボキは、賭け事をやらない。麻雀も、ゴルフも、花札も、パチンコすらやらない。競馬も、競輪も、スロットもやらない。他になにかあるのかもしれないが、そういうことすら無知である。もともとなんでも無知だから、知らないのである。
麻雀については、大学学部時代にやったことのあるという人はたくさんいるだろう。麻雀放浪記なんてぇ小説まであったのだから、同時代に生きていたボキ等の年代はほとんどやっていたのだろう。ボキは、そんなことをやっている暇がなかった。なぜなら苦学していたからである。新聞配達である。時間がない。銭もない。いじけてばかりいたから、余裕がない。
そういう生活が、堅実な生活を送る原因になったのである。
今では感謝している。
だからなんのおもしろみもないジジイなのである。ゴルフが出世と関係あるのは知っていた。知っていたけど、そんなもんで出世するんならやらねぇ方がいいと思っていた。実際、そう言ってひんしゅくを買った時もある。当時の上司にもずいぶん嫌みを言われたこともある。それで出世できないんならそれで結構であると思っていたから、時代に流されなかった。当時の判断は正解であったのだ。当然費用もかからない。高価なゴルフバッグとか会員権とも無縁。ありがたかったよん。
これは、亡父亡母の教育が良かったのであろう。まったく二人とも賭け事には無縁だったからである。その意味では尊敬していた。もう現世にはいないから、直接言葉をかけることはできないが。
しかしそういうDNAは明らかに流れている。ボキの長女・長男もまったく賭け事をやらないからである。
堅実な生活を送るに限る。嘘とはったりとごまかしで生きていちゃアカン。世の中にはそういう輩も多いからである。そんなにしゃかりきになって、生きていっても無駄である。出世なんかしてもなんにもならないではないか。所詮、所属している組織内の話でしかない。偉そうにしていたら、天に笑われる。人間なんて、天から見たらつまらんものなのだ。組織内での話でしかないのだ。
天は大きい。天という組織内の話ではないからである。どれだけ大きいのかは誰にもわからない。つまり、天イコール宇宙だからである。
ま、ボキも宝くじに当たったら、喜ぶけど。買わないだけで。
わははっはははっはははははははっはははっはははっは。
ヾ(*´∀`*)ノ