団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

第九ひろしま2011 

2011-12-23 08:13:19 | 音楽
                        第九ひろしま2011 

                                                   2011年12月23日(金)

 「苦悩を通して歓喜へ」で知られるベートーヴェンの第九交響曲ですが、今年ほど歌うのにふさわしい年はないと思いました。

 3.11の東日本大震災それに続く福島の原発事故で、東日本のみならず日本全体が苦難を受けている訳ですが、全ての人がその苦難を乗り越えようと努力しています。正に「苦悩を通して歓喜へ」がぴったりではありませんか。

 第九を歌うのは、10年振りくらいになります。いつも歌いたいと思っているのですが、練習をする時間がないとかといった理由を付けて、実現できていませんでした。今年は先のことが私を後押ししたのです。


 ベートーヴェンはこの曲で、「Deine Zauber binden wieder,Was die Mode streng geteilt,Alle Menschen werden Brüder,Wo dein sanfter Flügel weilt.(あなたの魔法の力は再び結びつける 世の中の時流が厳しく分け隔てていたものを 全てのひとは兄弟になるのだ あなたのその柔らかな翼が憩うところで)と何度も繰り返して歌わせています。
 「時流が厳しく分け隔てて」というのは、ベートーヴェンの時代のメッテルニヒの反動体制のことと思いますが、現在に置き換えれば、新自由主義のもとでつくられた格差社会により、人々の連帯が引き裂かれたということではないでしょうか。
 ベートーベンは、「全てのひとは兄弟になるのだ 」と連帯の必要性を強調しています。 


 前日がリハーサル、当日はゲネプロと本番があり、指揮者を間近にみることが出来、第九を3度も聴くことができました。ゲネプロの第3楽章では、涙しました。この調べより耽美的なものを、私は知りません。


 楽しいことも経験しました。リハーサルでテナーが立ちあがるのが遅れたのです。マエストロは笑っておられました。また、ゲネプロでヴィオラがちょっとテンポがずれた部分があり、これまたマエストロが笑っておられました。奏者にとって、失敗して怖い顔をされるより、厳しく感じるでしょうか。もちろん、本番ではさすがプロです。完璧でした。






・2011年12月18日、広島市西区「広島サンプラザホール」




 第一部でエリザベトシンガーズの合唱がありました。東日本大震災の犠牲者への鎮魂の曲として、アレグリのミザレレが歌われましたが、実に心が鎮まる曲でした。



 合唱団員は1400人ということでした。











 サンプラザホールの庭園です。



 ビールで乾杯の後です。写真を撮ることに厳しくて、乾杯の後指揮者退場後ということで許可が下りました。気の抜けた写真です。



 翌日の中国新聞です。

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