水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

今年の復習(舞台事件編)

2019年12月17日 | 演奏会・映画など
今年の復習(舞台事件編)

1 キャラメルボックス「ナツヤスミ語辞典」@俳優座劇場
 劇団活動休止直前の舞台を見れたことを感謝すべきなのかな。たしかに、いつもとちがった感じに見えていた気がする。キャラメル初期の名作を、今は有名になったベテラン役者たちが、入団したばかりの劇団員たちに負けじと、思い切り繰り広げる芝居の熱量はすごかった。

2 MONO「はなにら」@吉祥寺シアター
 舞台は架空のある島。十数年前に自然の大災害で多くの人が亡くなり、残された人たちで家族の形態を作り直して暮らしている。たとえば当時小学生だった女の子と妻を失った担任の先生とが親子として暮らすとか。時が流れ、人々の気持ちも変わる。気持ちを変えずにいたい人たちと、ふっきりたい人たちとの間の齟齬。血のつながりもないのに親みたいに注意するなと反発しはじめた若者たち。島を捨てていった人への思いや、恋愛事情……。特殊なシチュエーションながら、地方に暮らす人々のもつ普遍的な閉塞感や人間くささが感じられてくる。
 エンタメ系でもなく静か系でもなく、それでいて笑いあり涙あり問題提起ありで、ぱっと見の派手さはないものの、演劇とはここまで表現しうるのかと驚いた作品で、急遽五日後にもう一回見に行った。あきたらず夏休みの帰省日程を京都公演にあわせ、ホームでも見てきた。30年もの歴史をもつ京都発祥の劇団とおくればせながら出会えてよかった。

3 「世襲戦隊カゾクマン3」@赤坂REDシアター
 説明しよう! カゾクマンとは、日本の平和、地球の平和を守るために結成されたレンジャー部隊である。カゾクマン父レッド、母ピンク、長男グリーン、妹イエロー、婿養子イエローの五人で組織される。地球防衛軍日本支部司令官の指示を仰ぎながら、怪人ミドラーや、怪人男前男(おとこまえおとこ)との戦いをくりひろげる。
 山口良一、熊谷真実という高名な役者さんに、キャラメルボックスの岡田さんやスタジオライフの曽世海司さん文学座の上田桃子さんらが融合し、大人の芸達者たちが本気でバカをやるとこんなに楽しい舞台になるのかと思い知らされた作品だった。数年前に第一作、続編、そして今年の三作目でいよいよ完結。さびしいけど、もう一回ぐらいスペシャル復活してくれないかな。
コメント
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