水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

マヨネーズ理論(2)

2020年10月03日 | 学年だよりなど
  3学年だより「マヨネーズ理論(2)」


 現代社会は、いつライオンに食われるかわからないサバンナだと村山太一氏は言う。
 じっくり時間をかけて成長しようとしていたら、取り残されてしまう。
 マヨネーズの作り方なんか、ネットでも何でもみて5分で身につければいい。
 同じように、すごい人のやり方を丸パクリして、最速最短で成長してしまえばいい。


~ 僕は調理師学校にいるときから、一流の料理人になりたいと思っていました。
 でも、卒業したばかりの僕は高級中華料理のチェーン店に就職してしまいました。
 もちろん、そのお店でも学べることはありましたが、僕の求めていたレベルとはかけ離れている。そこで一流になるには気の遠くなるほど時間がかかるでしょう。一流になれないまま終わるかもしれない。半年で見切りをつけて、僕は吉泉という一流料亭で修業を始めました。そのとき、僕がものすごいスピードで成長していたんです。感動すら覚えました。
 一流になるなら、一から自分でやらずに、すでに一流になっている人に教わればいいんです。
 この体験から僕が導き出したのは、
・一流になりたいなら一流に学ばない限り、そのレベルには到達できない
・一流に学んだほうが超速で成長できる、という2つの結論です。
       (村山太一『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか』飛鳥新社) ~


 京都下鴨にある一流料亭「吉泉」で修行した村山太一氏は、単身イタリアに渡る。
 三つ星の名店「ダル・ペスカトーレ」で修行したいという夢を叶えるためだった。
 しかし、簡単に働かせてもらえるはずはない。ダル・ペスカトーレには、年間で2000件を超える就職希望が届くという。そのうち採用されるのは10人いるかいないかだ。
 まずは受け入れてもらえた二つ星のレストランで修行をし、料理コンテストで実績をつくった。
 ある日履歴書を持ってダル・ペスカトーレに向かうと、たまたまオーナーが店の前に立っていた。
 思わず駆け寄って、「あなたの所で働かせてください!」と履歴書を渡す。それまでに考えた料理の写真や実績、いろんな思いがまとめられた分厚い一冊をぱらぱらめくりながら、オーナーのアントニオはこう言った。「一ヶ月後には空きがでるかもしれないから、電話してみて!」
 村山氏は、ダル・ペスカトーレのことを徹底的に下調べもしていた。
 弟子入りしたいのなら、それは当然のことだという。


~ その人に会いたくて会いたくて、片思いの相手なら、相手の好きなことや誕生日を調べて、相手の一挙手一投足を観察して相手のことをもっと知りたいと思う。自分に振り向いてほしいと切望する。それぐらいの熱意がないと人を動かせません。 ~


 たとえば「志望理由書」を書くとき、相手のことを、熱意を持って調べているだろうか。書けば書くほど、興味のなさが伝わってしまうような文章にしてはいけない。
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