水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「意識高い」系

2019年03月18日 | 学年だよりなど

  学年だより 「意識高い」系


 リア充ぶりを自慢してみたり、人脈をアピールしてみたり、社会や政治に大人っぽい意見を述べてみたり、かるく他人を見下すような発言をしたり……。
 SNS上の発信からは、どれだけすごい人物かと一瞬思わせるものの、実際の本人はたいしたことないという意味まで含めて「意識高い系」とよばれる、こういう人たち。
 みなさんが大学に行けば、現実の存在として、きっと出会うことになるだろう。
 名刺を配りながら、自分が主催するセミナーやイベントに誘ってくるタイプだ。
 就職活動では、「○○人規模のイベントを立ち上げて成功させました」的な発言をし、面接官に「ほお、たいしたものだね(またか…)」と笑顔(苦笑)せしめてしまう。
 そういう人は、就職してからもいつまでも自分探しをしがちだ。


 ~ だから転進する機会を求めて、交流会に足しげく通う。あるいは「自分が本当にやりたいこと」がどこかにないかと、セミナーに参加しまくる。
 とくに、セミナーを開催すれば、少なからずそういう方は参加してくれます。
 もちろん積極性があるぶん、まったく勉強しない人よりは、はるかに将来の可能性はあるでしょう。ただ、残念ながら、勉強の成果を生かすことは難しくなります。
 「時代の最先端の知識」や「人生100年を生きるのに必要な考え方」を学んでも、「いまの仕事」がベースとして確立していないと、そこに新しいものを積み重ねても、飛躍することはできません。
 また、いくら時代の最先端で活躍していると知り合っても、現在の自分の仕事が人から認められるものになっていないと、出会いを新しい仕事の発展に結びつけることはできないのです。
 ですから、「天職」のようなものを見つけたいなら、まずは「いまの目の前にある仕事」を、一度究めなくてはいけません。
 ひょっとしたら、現状の仕事に不満を抱えているかもしれないし、心から楽しむことができないかもしれない。それでも「修業」と思って、そこで納得できる結果を出しておく必要があるのです。
 それをやっておかない限り、望んでいる次のステップには、なかなか進めません。ある意味、ゲームのステージを1つ、クリアするようなものでしょう。 (井上裕之『マルチプル超勉強法』冬至書房) ~


 物事がうまくいかないとき、結果が出ないときに、人はその原因を自分以外に求めがちだ。
 そして目の前の1場面をクリアしないまま、迂回路や裏技を探そうとする。
 勉強でいえば、塾に行ってみようとか、新しい参考書に手を出してみたりするのとメンタル的には近い。目の前にある課題を、地道な作業を、反復練習を、まずクリアしてから先に進もうとしないと、どの局面でも逃げようとしてしまう。
 「意識が高い」風を装っていろんなことに手をそめる前に、一つずつ結果を積み重ねていく習性を身につけていくことが必要だ。

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