水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

推薦書

2011年10月07日 | 大学入試

 今日から部活は休み。
 休みの間に曲探しとか譜読みとか本当はやりたいが、目先の仕事におわれている。
 これからは、担任の先生の記入する推薦書などの見直しも入ってくる。
 生徒さんの書くものでも、先生方が書く文章でも、落とし穴は主に2つ。
 なので、今日は先生方用のプリントをつくって気をつけていただくようお願いした。
 「主語・述語を対応させる」「一文に一内容を書く」の二つだ。
 一文一文を短く書くようにすれば、ほとんどの場合は回避できる。
 ただし、短い文ばっかだと、なんかおさまりがわるいのだ。
 「明るい生徒である。みんなと仲がいい。元気にがんばっている。推薦する」だと、さすがにけんか売ってるみたいに見えてしまう。
 なので、それなりの長さにしようと、複数のことがらつなげることになる。
 すると、「大変まじめな生徒で、薬剤師を目指している」とか「几帳面な性格で体育祭がんばった」というような不思議な文章をなってしまいことが多い。
 その辺りを見直すのが、こちらの仕事ではあるのだが、少しでも効率よく書いていただくために、マニュアル的な内容も載せた。
 こんな感じで。


  内容について(何を書くか)

1 これまで何をしてきたか

 ① 性格・人柄・人間性  ② 学習への取り組み  ③ クラス・学校行事・部活動への取り組み 

  次の手順で記述するのが定石だと思います。
   a 人間性を表す言葉  例:明るい
  b1 aの具体的内容         誰とでも気持ちよくつきあうことができる
  b2 aから導かれる内容     クラス中から慕われている
   c 具体例            文化祭においてクラスの中心となって …

 推薦書のスペースが大きくても、aばかりを羅列していくと、抽象的になり、かえって中身がないように見えてしまいますので、極力、具体例やエピソードをそえるください。印象的なエピソードがあれば、それだけでもいいくらいです。「長く書く」ために「具体化する」のが一番とお考えください。

例:(a)責任感が強く、
  (b1)与えられた仕事は最後までやり通そうと努力する姿勢を持っている。

例:(a)明るく活発な生徒で、
  (b1)クラスの雰囲気を盛り上げ役割を果たしたてきた。
  (c)3年次の文化祭においては、クラス参加に消極的な級友たちを説得し、高校生最後の文化祭を盛り上げるべく努力し、中心となってクラスをまとめあげた。

例:(a)明るく誠実な人柄で、
  (b2)級友からの信望が厚い。
  (c)毎年評議委員に選ばれ、ホームルーム活動の運営の中心となってリーダーシップを発揮した。

例:(b1)入学以来皆勤を続けている
  (a)まじめな生徒であり、(c)授業に対する取り組み方も申し分ない。

 a・b・cがちゃんとつながっているか、並立関係・因果関係が成立しているか気にしてください。

 悪い例:(a)明るく活発な生徒で、(b)入学以来皆勤を続けている。


2 これから何をしたいのか

 ④ 将来の夢・目標  ⑤ その大学・学部・学科を選んだ理由  ⑥ その大学・学部・学科への適性

 本人の記入する志望理由書や面接もあるので、こちらの比重は大きくなりすぎない方が無難です。

「 将来○○になって○○分野で働きたいという希望をもっている。
  ○○の時、○○という経験をしていらい、この気持ちが強くなった。
  自分の目標を達成するために、貴学で学びたいと考えるようになった。
  ○○が得意で、○○能力が非常にすぐれている。」

 という流れです。前項1とこの2をあわせ、しめの言葉をつければ完成です。


3 しめのことば

・貴学○○学部の推薦用件を満たし、自信をもって推薦できる生徒である。
・人柄、学科への適性、将来の目標などあらゆる面を考慮して、今後の活躍が期待できる生徒として、推薦する次第である。
・貴学において十分な成果が期待できる生徒である。
・本校の教育方針である文武両道の精神を高いレベルで実践した生徒であり、自信をもって推薦いたします。
・以上の理由により、本生徒を貴学○○学部へ推薦いたします。

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