今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

8時間帰京の旅

2008年08月01日 | 
夏のど真ん中の8月1日
昨日で勤務先での仕事をすべて片づけ、今日から名実ともに”夏期休業”に入った。
なので堂々と帰京する。
もっとも大学教師にとっては夏期休業=夏休みではない。
授業や雑用から解放されたこの期間こそ、研究の仕上げたるべく論文執筆に費やせねばならないのだ。
大学教師は、(一部の人寄せパンダ的有名人は例外として)現役の”研究者”でもある。
そして業務としての授業も大学人の本分たる研究もともに片手間ではできないので、授業のない休業期間が研究の時間となるのだ。

偉そうな言い訳は、このへんにして、
この時期、時間はたっぷりあるので、”青春18きっぷ”でのんびり帰京する(費用が1/4)。
夏期休業中は、やはり”夏休み”を入れたくなるのが人情だが、
論文執筆が最優先だし、それに夏はどこに行っても混む。
なので8月に旅行の予定はあえて入れない。

その代わり、18きっぷを使って鈍行で名古屋から東京に帰るだけで、充分に旅行気分が味わえる。
特に、5回使える18きっぷの初回目は、東海道線ではなく、信州を経由する中央線(西線と東線)を使うことにしている。
東海道より距離も長く、接続も若干悪いため所要時間は正味8時間。
ただ車窓は東濃の田園地帯、木曽谷、諏訪、八ヶ岳山麓、甲斐路と続くので旅情満載で飽きない(山岳風景としては冬や春の方がいい)。

また18きっぷでの名古屋ー東京間の乗車は、貴重な読書時間にもなる。
車窓的には平凡な東海道線(しかも座席はロングシート)なら、日頃は集中して読めない哲学書をこの時とばかりに読み進めるのだが、
車窓が天然の”環境映像”となる中央線では、視線が落ち着かず、哲学書は頭に入らない。
そこで、読みかけだった『ブラック会社に努めているんだが、もう俺は限界かもしれない』という2チャンネルのスレッドを編集した読み物(『電車男』と同じくほとんど実話。キャラがちょっとクサイが)を読み続ける。
ところが、乗り継いだ最後の電車が東京行きの通勤タイプの混雑した中央線で、その時丁度この本の感動的クライマックスにさしかかってしまって、車内で涙をごまかすのに苦労した。

御徒町に寄って(18きっぷだから途中下車し放題)、多慶屋で滞在用のつまみを買い集め、東京滞在の準備が完了した。