今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

水没する車

2008年08月24日 | 防災・安全

16日、栃木県鹿沼市で、女性が運転する自動車が豪雨により冠水した道路にはまって水没し、死亡する事故があった。
携帯で家族に電話して、最後の別れと断末魔の声を残して。

なぜ、事故にあっているのに家族なんかに電話したのか、直後の報道では意味が分からなかったが、
日がたつにつれ、次第にやるせない事実が判明してきた。
水没しつつある車内から、携帯電話で
まず110番警察に電話して救助を依頼したものの、署側は混乱して、他の解決した件と混同したため、出動しなかった。
1分後、119番消防署にも電話して救助を依頼したものの、署側は混乱して、他の解決した件と混同したため、こちらも出動しなかった。
女性はむなしく救助を待っていた。
結局、消防からも警察からも見捨てられ、浸水する車内で、最後に家族に別れを言うことしか残されていなかったのだ。

これが普通に人が住んでいる市内で起きたのだ。
もちろん、場所がどこだろうと、救援が間に合わないということはありうる。
でも今回は、本来なら間に合ったはず。
この事故もまた水圧の恐さを教えている。

この話は、ここで警察と消防を責めるために記したのではない。
むしろ、警察も消防も、自分の命を守るのに必ずしもあてにならないという事実を認識するためだ(彼らもミスをする)。
つまり、その場にいない他人をあてにできないのだ。
救助を要請する以外に自分でできることはある。

私の車には、窓ガラス割るための”レスキューハンマー”をドアの内側のポケットに入れてある。
ドアの下半分が冠水した段階で、水圧でもうドアを開けることはできない(一般のドアでも同じ)。
なので水かさが増す前に、横または後ろの窓から脱出するしかない(フロントの窓は頑丈にできていて簡単に割れない)。
誤って海などにダイブした場合は、ハンマーで後ろの窓をたたき割るしかない。
海や川だけでなく、集中豪雨があればふつうの街中でも、水没する危険があるということも、この事故は教えている。