GW期間中、東京の御岳山と新潟・阿賀野市の山で遭難騒ぎがあった。
前者は翌日無事に発見され、後者は2日たった現在も捜索中。
どちらも登山というよりハイキングレベルの浅い山なのだが(最新情報だと後者は違う山に入ったらしい)、それでも山なので、いったん道を外れると、むき出しの自然の力に接してしまう。
山の事故で一番多いのは、道迷い遭難。
つまり自分の現在位置を見失って、山から降りれなくなってしまうこと。
へたに道なき道をさまよって滑落でもすれば、歩行困難になってあとは命を天にまかせるだけとなる。
昔は地図(地形図)とコンパスが必携だった(それでも道迷い遭難が頻発していたわけだから、この装備では不充分)。
今では、スマホやタブレットに地形図アプリを入れ、GPSを使える状態にする(ガーミンなどの専用機でもいいけど、私はiPadmini+有料の地形図アプリ+GPS受信器+ドコモのガラケーのセット。山ではドコモが最強。他の地図アプリで街歩きにもカーナビにも使うから)。
そうすれば現在地をリアルタイムに把握できる。
タブレットをひも付きの専用ケースに入れて、たすき掛けにして、いつでも見れる状態で歩く(ケースには蓋がついているから、タブレットはスリープ状態)。
これがベスト。
こうして現在地を常に把握しながら歩けば(これが肝、紙の地図だとこれをやらない)、たとえ道を間違えたとしても、すぐそれに気付いて、引き返すことが容易になる。
そのためには地形図が読めるのはデフォで、念のための予備電源も必須。
道迷いに陥ったら、正しいルートを確認できる所まで”引き返す”のが鉄則(来た道は記憶に新しいので迷わない)。
ところが、まちがった道を進み過ぎてしまうと、それだけ戻る事のロスが惜しくなって、前進によって打開しようとするのが人情。
これが事態をさらに悪化させる(「引き返す勇気」と強調されるのは、引き返すのに強い決心ががいるから)。
なので、まちがった道を進み過ぎないように(引き返すロスが発生する以前に)、しょっちゅう現在地を把握すること(紙の地図とコンパスだけだと現在地のピンポイント的把握が面倒で困難。せめて正確な高度計が必要)。
地形図とGPSで現在地を把握し続けてこそ、道迷い遭難は回避できる(アウトドアでのスマホのバッテリ管理は自分で工夫してね。もちろん地図はオフラインモード。私はタブレット+ガラケーなのでスマホのバッテリの持ち具合は知らない。現在地の把握にタブレットを使っているから、ガラケーは満充電のまま)。
それでも下山できない事態に陥った時のために、日帰り山行でも”保険”代わりに懐中電灯と非常食と防寒具は持参する(レスキューシートはザックに入れっ放し)。
あと御岳山ではぐれた男の子がそうであったように、沢沿いに降りるのは一番危険。
より低い方へという気持ちがあり、また沢の源流部は樹木や薮がない分、山の斜面よりは歩きやすいが(日本の低山では道がない尾根に登るのは樹木と薮に阻まれて無理)、突然断崖絶壁の滝が足下に出現する(水を補給するためだけなら、不必要に降りず、小さい流れの沢に留めておく)。
男の子が発見された越沢(御岳山の北西を流れる沢)は、私も高校時代に沢登りで下から遡行したことがあるが、途中の滝の側壁登攀で滝つぼに落下し、その時の傷が左手に残っている(沢はその後リベンジした)。
私は高尾山に毛が生えたレベルの山でも、上の装備を欠かさない。