ボーナス直後の(東京発)日帰り旅として、贅沢にも新幹線で宇都宮に行った。
行き先は、高校卒業の春休み以来の大谷観音(磨崖仏)と、城廻りとして宇都宮城。
その時行かなかった地中の大ホール「大谷資料館」も行きたい。
さらに前日気づいたのだが、近くの多気山は、全山城址だという。
山城ファンとして外すわけにはいなかい。
もちろん、餃子も食べる。
以上、かなり充実できそう。
大谷に行き、市内も巡るなら、関東バスの「大谷観光一日乗車券」がお得。
駅の観光案内所で尋ねれば、関東バスの売り場を教えてくれる。
大谷に行くバスに間があったので、さっそくチケットを使って、馬場町で降り、市街地の二荒山神社をお参りした。
まずは訪問地の産土神に挨拶したかった。
大谷を通る「立岩」行きのバスに乗って、「大谷資料館前」で他の乗客とともに降りる。
しかし、私だけ別方向に歩いて、多気不動に向かう。
高校の時も、この不動まで足を伸ばし、門前のうどんがおいしかったのを覚えている。
ところが、その店は建物はあるのだが廃業の跡。
昼食の予定が…
不動にお参りして、多気山頂への登山道に入る。
するとここでも、山道に入った途端、すれ違う人と挨拶をかわす。
山の登りは、マインドフルネスが実践しやすい。
登りの身体的負荷が、いやおうなく身体への気づきに導くからだ。
そしてゆっくり進むため、踏みしめる道の触覚、顔にそよぐ風、落ち葉を踏む足音、一歩ごとに変わる視野をじっくり味わえる(システム3)。
多気山も300m台と低いので、ほどなく山上に出て、
筑波山までの広大な風景が開ける(写真)。
山上を歩くと、土塁や堅堀を確認できる。
山を下る時は、マインドフルでなくなり、視覚情報にたよってすたすた降りる自分(システム1)と、
それらとまったく無関係なことを考えている自分(システム2)の並立状態となる。
巨大な人工洞窟の大谷資料館は、気温だけは外と差がないが、日射がないぶん体が冷える。
照明による演色で 洞窟というより、夜の街にいるよう。
大谷石は、流紋岩質角礫凝灰岩で、 大谷付近にしか分布していない。
逆に大谷では、いたるところに露岩があり、岩の中に人家がある感じ。
大谷石の固有性もあって、ここ大谷だけが独特の景観を展開している(写真)。
大谷観音もこの大谷石を磨崖仏にしたものだ。
平安から鎌倉にかけて彫られた仏像は、敦煌の石窟を彷彿させる。
昭和に彫られた27mの平和観音は、一見すると異様だが、正面からちゃんと見ると上品な顔立ちだ。
バスに乗って宇都宮市街に戻り、「来らっせ」で宇都宮餃子を12個食べ比べ(詳細は次の記事にて)、
大谷石で造られた松が峰教会を一瞥し、最後の目的地・宇都宮城址に達した。
ここは復元された櫓が2つあり、資料館もある(資料を購入)。
私としては、この城を一時奪取した土方歳三の足跡を追う意味もあった。
以上、予定をすべてこなして、冷凍餃子を土産に、新幹線で帰途についた。
歩数は2万歩を越えた。