ほんの一部の人にしか、価値のない情報で申し訳ない。
大学でいよいよ遠隔授業をやることになり、その一つの方法としてオンデマンド型、すなわち講義の画面と音声を配信して、いつでも見れるようにするやり方がある。
これなら、指定した時間に縛られる必要もなく、また幾度も見ることができる。
ただ作る側に手間がかかる。
画面は、授業で使っているプレゼン画面でいいが、説明する音声が必要。
生録で自分の音声を録るのもいろいろたいへんだし、だいいち気恥ずかしい。
そこで、勧められるのが、パソコンでのテキスト音声読み上げ(text to speech)機能。
これを音声ファイルにすれば、動画編集アプリで画面と合成できる。
私が愛用しているMacには、「テキストエディット」というエディタアプリがついてきて、これだけでテキストの読み上げと音声ファイル化(m4a)ができる。
すなわち、Macだと、テキストエディット、 Keynote、iMovieの無料の3つのアプリを使って、オンデマンド教材を作成できる。
日本語の読み上げ音声には、最初から入っている女性の Kyokoと、後からダウンロードする男性のOtoyaがある。
私の代わりだからOtoyaの方が向いているのだが、読みの自然さはベテランの(以前から付いていた) Kyokoの方が勝っている。
そしてここで紹介する方法はKyokoである必要。
さて、テキストの自然な読み上げには、漢字をあえて”かな”にしたり、発音を明確にするために「」をつけたりと、若干の整形が必要。
文中の自然な間(ま)は句読点で済むが、問題は文の間、段落ごとの間がつかないこと。
つまり、テキスト全文を立板に水のごとく、休みなく読み上げてしまう。
これは、あまりに不自然。
文の後に改行や句読点を連続で入れてもダメ。
あれこれ試行錯誤した結果、文の間に任意の長さの間を作れることがわかったので報告する(何しろ、ググっても見つからなかった)。
撥音の小さい「っ」と句点「。」を1セットに、それを任意のセット続ければよい。
なぜか「 っ、」ではだめ。
たとえば、ある文の句読点の後に「 っ。っ。っ。っ。」と入れる(改行の有無は関係ない。もちろん改行した方が見やすい)。
「っ。」1個でどのくらいの間になるかは、音声の読み上げ速度の設定とかかわるので、試行錯誤してほしい。
私の設定では、読み上げ速度設定を通常より1/6ほど遅くしてあり、その場合は
「 っ。っ。っ。っ。」の4個で、段落間の自然な間になる。
話題転換場面でより長い間がほしいなら、上をコピペして2倍以上の数にすればよい。
こうすることで、テキスト内の特定の箇所を学生に復唱させるための長い間も作ることができた。
もう自由自在。
ちなみに、上の操作の前提となる、Macでの音声設定とテキストエディットからの音声ファイル化については、あちこち説明があるのでググってほしい。
これなら、Otoyaでも無音時間を精確(デジタル的)に設定できます。
Kyokoに限っては「っ。」のコピペによるアナログ的な調整が楽ですが。
人間の能力を補完・拡張してくれるのがマクルーハンのいう「メディア」で、それを実現してくれいているMac(Kyoko)に私も感謝しています。