日本は、珍しいことに、現金を贈答品として送る。
送る側も送られる側も実はこれが一番ありがたい。
ただ、贈答品として渡すので、裸のままではなく、それなりに包んで渡す。
それが祝儀包みや香典包みなどの「金子(きんす)包み」だ。
当然、お年玉も金子包みに入れて渡したもので、
小笠原流礼法にも、お年玉包みの折形(包みの折り方の作法。これが娯楽化されて折紙となった)が伝わっている。
今ではポチ袋に入れられて渡されるが、
折形を使った方が、伝統的で、インパクトがあり、しかも安上がり。
正式のお年玉包みの折形は、鶴の折り方の複雑な変形なのでここで伝えにくいため、
ここでは簡単でしかも汎用(たとえば「お車代」や心付けなど)で使える「当座金子包み」の折形を紹介する
(下画像(私の著書からコピー))。
紙はB5判が丁度よく、封筒代わりの汎用ならばB5プリンタ用紙でもOK。
でも正月のお年玉用には、私はきれいな模様の千代紙を使っている。
たとえば東急ハンズで1枚140円足らずで売っている千代紙なら、1枚を半分に切って丁度いい(包み1つ当り70円)。
以前は、100円ショップのキャンドゥで長方形の千代紙が複数枚セットで売られていたが、今は正方形のものしかおいていない。
用途としては、ポチ袋と同じく、紙幣を四つ折りで入れるので(貨幣でも可)、
儀礼的な用途ではなく、上位者から渡す略式な包みとして使う。
折る順は、図の右上①から右下の②、そして左側の③から下へ⑤まで続く(図中の「…」は谷折りで、図中の番号順に折る)。