今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

うなぎを食べようか…

2012年07月27日 | 歳時
土用の丑の日の今日、ただでさえ高いのに
資源不足でさらに高騰した”うなぎ”を食べるべきか。

こういうイベント的な食に冷笑的な人もいるが(かつての私もそうだった)、
時を実感するために、何かにつけて特別視するという、
時間的存在(死にゆく者)である人間の営為に、
平賀源内が好きなこともあり、私は賛同したい。

しかも今日は前期授業最後の日、つまり個人的にも”打上げ”の日だ。

また、今日は帰京する日であるが、夕食は私一人でとる事情となった。
つまり今晩の夕食は自分で決定できる。
そこで、東京でうなぎを食べるかどうか迷った。
新幹線に乗っている間も結論は出なかった。

東京駅に着き、構内の駅弁売り場で、とりあえず「うな重弁当」を探したら、あった。
私の足が店の前で停まった。
1980円。
やや間をおいて、私はその場から去った。

まずは、値段にたじろいだ。
いや、今日は特別の日として、奮発してもかまわない覚悟でいた。
ただ、せっかく高価なものを一人で食べてもうれしくない、と分かった。

また、「うなぎを食べたい!」っていう気持ちが、
2時間弱の新幹線車内の強い冷房によって、冷めてしまったこともある。

うなぎを諦めた私は、かわりに近所の谷中銀座にある弁当屋に立ち寄り、
500円の「スタミナメンチ明太子弁当」を注文した。
この弁当、メンチと焼き肉とウインナとポテトサラダがついて、
ご飯部分には海苔が敷かれている下に明太子がちりばめられているのだ。
しかも、ゆで卵一個がサービスされる。
この店の定番は300円の弁当なのだから、私は上客の方だ。

丑の日の行事は諦めても、”打上げ”は挙行したいので、
いつもなら300mlの「麦とホップ」のところを、
今日は特別に、500mlのエビスビールにした。

ゆで卵とウインナとメンチをビールの肴にしても、
明太子がある分、ご飯のおかずは不足しないのがうれしい。

土用の丑の日に、「う」がつく”うなぎ”を源内が提案したのは
江戸時代という制約があったからで、
現代なら、素直に”牛”を食べればいいのだ。
でもそれでは、特別な日の感じがしないか…。