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ナディア・コマネチ サイン 女子体操

オリンピックの体操種目で世界初の10点満点を記録したコマネチのサイン。その後、社会主義国の相次ぐ崩壊という世界史の大きな流れのなかで、政治に翻弄されていったことは有名だが、こうした商業的アイテムにサインをしているということは、今は平穏に暮らしているということだと思われる。サインは非常に芯の強さを感じさせる立派な出来映えで、文句なく素晴らしい。
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プリンセス・トヨトミ 万城目学

作者の待ちに待った新作だ。待ちきれずに「エッセイ」なんかも読んだりしていたので本書の刊行は大変嬉しい。今回の舞台は大阪。京都・奈良ときたので自然の流れだろう。今回の主人公は、会計検査院に勤める3人組と、大阪の中学生2人。これまでの2作のような「古都の歴史」に裏打ちされた叙情感は少し後退しているが、会計検査院の3権からの独立性という立場をうまく使ったストーリーの面白さは前作らをしのぐように思える。大阪人のばかばかしい行動に対する暖かい目は関西人ならではのものだ。なぜ大阪人は荒唐無稽な話を信じることができるのかというあたりで、大阪国民であることの2つ目の条件が明らかになるところは、思わずほろりとしてしまう。読んでいて大阪の女子はどういう立場になるのかと少し心配していたら。そのあたりもちゃんと心配りがされている。(「プリンセス・トヨトミ」万城目学、文藝春秋)
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