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ぐるぐる猿と歌う鳥 加納朋子

本書も行き付けの本屋さんでポップを見て読んでみた一冊。期待以上に面白く、ポップを見て買うという本の選び方がますます気に入ってきた。内容は、軽いミステリーテイストの少年冒険小説だが、その謎と冒険のバランスが絶妙で、しかも、その真相がずしりと重たい。子どもの自由さや純粋さでは越えることのできない現実というものに、大人としてどう対峙するべきかを深く考えさせられる。その一方で、謎の少年が語り手の少年の家に行った時の話などは面白くて、思わず笑ってしまった。解説を読むと、続編はまだ出ていないとのこと。私としては、この話、ここで終わるのもありかなと思う一方、なんとか続編を読みたいと思う気持ちもあり、少し複雑な心境だ。本書を読んだほとんどの人が、良い終わり方だけどもっと読みたいと思っているのだろう。(「ぐるぐる猿と歌う鳥」 加納朋子、講談社文庫)

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