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本バスめぐりん。 大崎梢

著者の本は、本屋さんとか出版社など本に関するお仕事小説が多いので、面白そうな本があれば手に取るという感じで、結構読んでいる気がする。本書も「移動図書館」が舞台ということで、何となく著者おなじみの世界だなと思いながら読み始めた。主人公は定年退職した男性で、彼が再就職したのが市立の移動図書館の運転手兼司書の助手という設定。移動図書館を楽しみにしている地域住民との交流やちょっとした謎解きが単純に面白い。高級住宅地の住民が「移動図書館」を楽しみにしているという場面があって、それが少し腑に落ちない気もしたが、自分の引退後の生活を考えると、案外図書館に入り浸っていたり、図書館で何かのお手伝いをしていたりということも可能性としてはかなり高いんじゃないかとも思えてきた。まあ、どんな仕事にも色々とトラブルはあるんだなぁと思いながら読み終えた。(「本バスめぐりん。」 大崎梢、東京創元社)

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