goo

杜子春の失敗 小林泰三

芥川龍之介の小説を題材にした連作ミステリー集。ストーリー自体は今の日本の話なのだが、その話の主人公が芥川龍之介の小説の中の主人公と非現実的な形で交流して影響を受けるという展開。しかも連作の4編が最後に色々関連し合っていたことが判明するという少し複雑な構成だ。文章も、最初は芥川の小説のあらすじのような文で始まるが途中で少しずつ脱線していきそのあと唐突に今の話になるという入り組んだものだが文章がストレートなのであまり違和感はなかった。感想としては、この作者の特徴らしいが、結構グロテスクな描写が多いのでびっくりしたのと、犯罪人に容赦ない内容が印象的だった。(「杜子春の失敗」 小林泰三、光文社文庫)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )