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その裁きは死 アンソニーホロヴィッツ

人気のホーソーンシリーズの第2作目。今回もこのシリーズの特徴である「フェア」な本格的な謎解きミステリーを堪能した。自分自身は、ある時点で犯人の見当がついてしまったのだが、それ以降は作者の隠れた意図が随所に見られて、かえって面白かったような気がした。最近、映画やミステリーの結末や真相を事前にネットで調べてから観たり読んだりする若者が増えているという話を聞いたが、この歳になって初めて期せずしてそれと同じような感覚を味わった感じだ。このシリーズは、主人公であるホーソーンの過去に関する謎がもう一つの魅力になっていて、本作ではそれがますます強くなっている。あとがきを読むとこのシリーズは全10作が予定されているとのこと。そうなると、ホーソーンの謎が解き明かされるまであと8作、何年もかかることになり、高齢者としてはかなりしんどい気がした。(「その裁きは死」 アンソニーホロヴィッツ、創元推理文庫)
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