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正欲 朝井リョウ

今年の本屋大賞ノミネート作品。今年のノミネート作品は重厚な作品揃いで、本書もダイバーシティ、ネット社会という現代社会でクローズアップされている問題を真っ向から扱った重厚な一冊だ。今の日本社会については、同調圧力とかKYといった言葉でその生きにくさが指摘されるが、本書を読むと、この問題は現代日本の特殊性にとどまらないもっと奥深い深刻さを孕んでいることがよくわかる。またSNSといったネット社会の深化については、ダイバーシティの考え方からもはじかれるような孤独を軽減してくれる可能性を持つ一方で悪意や犯罪に晒される危険性を併せ持つことも教えてくれる。(「正欲」 朝井リョウ、新潮社)
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