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密室黄金時代の殺人 鴨崎暖炉

2年前に「このミステリーがすごい文庫グランプリ」を受賞した作品とのこと。「見破れない密室はアリバイと同等の価値を持つ」という判例がでたことで、世の中が一変、密室作りにこだわる犯罪者、密室を崇める宗教、密室専門の探偵が出現という特殊設定のミステリーだ。外界から隔絶された山荘で次から次へと密室殺人が勃発し登場人物たちが推理合戦を展開、密室の細かい分類、ノックスの十戒などの見立てもあったりで、とにかく密室てんこ盛りのストーリーが楽しい。自分自身は密室主役のミステリーにさほど魅力は感じないし、そもそもなぜ密室にこだわる犯罪者が存在するのか不思議に思う方だが、そうした読者の考えの逆手を取ったような内容がとても新鮮だった。(「密室黄金時代の殺人」 鴨崎暖炉、宝島社文庫)
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