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カビの取扱説明書 浜田信夫

カビの研究者によるカビに関する解説書。カビについてこんなに色々な情報があったんだと驚くほどトリビア満載でびっくりした。カビ・キノコと細菌、ウイルスの違いから始まり、自然界におけるそれらの生態、楽器、家電、住居に取り付くカビ、カビの健康被害など、様々な観点からカビが語られ飽きることがない。それらを分かりやすく教えてくれる著者のカビに対する知識の源泉である好奇心はすごいと思うし、研究のために鍾乳洞や洞窟を探検したり、山火事直後の離島に現地調査に行ったりとその知識の原動力ともいうべき行動力にも脱帽だ。菌類には腐生、寄生、共生の三種類あること、松茸やトリュフが高価なのは共生種だからということ、種無しブドウの生育にカビが重要な役割を果たしていること、カビが細菌と違って熱に強いこと、家電製品に対する有効なカビ対策など、どれも読んでいてためになるし面白いしで、非常に充実した一冊だった。(「カビの取扱説明書」 浜田信夫、角川文庫)
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