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やっぱりいらない東京オリンピック 小笠原博毅

判で押したような「オリンピックまであと◯日」「オリンピックまでに◯◯したい」という報道や表現、どんどん膨れ上がる開催費用、ブラックなボランティア募集などにうんざりしていたら、挙げ句の果ての賄賂疑惑によるJOC会長の辞任、やっぱりなぁという感じだ。本書で、オリンピックに少し懐疑的な発言をした元アスリートが受けている仕打ち、昨今のスポーツ界での暴力的指導やいじめといった諸問題の根源が1964年の東京オリンピックにあったという説明を読むと、インタビューで「オリンピックを目標に頑張る」と答えるスポーツ選手が可哀想になる。この機会に「鬼の大松」が賛美されたことに象徴されるスポーツ界の諸問題が良い方向に向かえばと思うが、それも「オリンピックありき」の意見に過ぎないと気付かされる。(「やっぱりいらない東京オリンピック」 小笠原博毅、岩波書店)

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