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嘘があふれた世界で 浅倉秋成他

7人の作家によるネット社会の明と暗をテーマにしたアンソロジー集。読んだことのある作家が3名、初めて読む作家が4名だったが、どれも大変面白く、世の中にはまだまだ知らないすごい作家がいるんだなぁとつくづく思った。特に、「あなたに見合う神さまを」は、投稿動画チャンネルに生き甲斐を見出している少女達の話だが、オタクとか推し活とかのマイナスのイメージを完全に払拭するような展開に、これはすごいと感じた。また「タイムシートを吹かせ」は、普通に日々の仕事でネットを使いこなしている若者と頑固な職人気質の老人のバトルをコミカルに描いた内容で、とても勉強になる話だった。最後に収録された「君がため春の野に」は、ちょっと前に読んだ「世界でいちばん透きとおった物語」のスピンオフ作品でこれも大変面白かった。(「嘘があふれた世界で」 浅倉秋成他、新潮文庫)
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