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ギリギリ 原田ひ香

ちょっと複雑な人間関係小説、シナリオライターのお仕事小説という2つの軸を中心に描かれた連作短編集。ある人物の関係者がそれぞれの短編の主人公なのだが、主人公たち全員と唯一関係のあるその人物はすでに故人となっている。一方、もう一つの軸は主人公のひとりがシナリオライターの卵で彼の作品が紆余曲折を経てテレビドラマ化されるまでが描かれる。不思議な題名だなぁと思ってずっと読み進めていくと、最後の短編の最後に「そういうことだったのか」とその意味が明らかになる。これまでに読んだ著者の作品とは少し趣きが違う感じだが読み応えのある一冊だった。(「ギリギリ」 原田ひ香、角川文庫)
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