港へのアプローチ

2016-08-15 22:48:27 |  北海道の…
今回、北海道への足はフェリーを利用した。
仙台・苫小牧間を往復。
行きのフェリーは「きそ」号と言い、とってもでかかった。
船には号ってつけないか。
仙台と苫小牧を結んでいるのになんで「木曽」なんだと思ったが、さらに航路は続いているのを失念していた。
名古屋~仙台~苫小牧が全航路だったから、まあ分からんではない。
行きも帰りも夕方に出港し、お昼前に到着するので、船内にいる時間の半分は睡眠時間で、眠っている内に距離を稼いでくれる良い運行時刻設定になっていた。



過去に長距離フェリーはいくつか乗ったことがあるが、これまでで一番豪華で過ごしやすかった。
7階建てで5~7階が客室のあるデッキ。
3階吹き抜けのホールがあり、レストラン、喫茶スペース、売店はもちろん、大浴場にゲーム室に劇場みたいなラウンジなんかもある。
ラウンジとフロアにはピアノが置いてあり、船内放送で生演奏の案内があった。



船でお風呂に始めて入った。
狭くて人がいっぱいなのを予想してこれまでお風呂があっても入ったことはなかったのだが、比較して申し訳ないが、地方都市のビジネスホテルなんかにある共用浴場なんかよりずっと広く、昔よく行っていたスーパー銭湯のシャワーやカランより贅沢にお湯が出た。



北海道に向かった日は日本列島に横たわる梅雨前線と北海道西にある低気圧の影響で波が少し高く、気分が悪くなる一歩手前の揺れ。
持ち込んだ焼酎を少し飲んで早々に就寝。
B寝台を取っていた。
普通に二段ベッドを想像していたが、二段ベッドではあっても上段と下段の入口が反対側にあり、それぞれに通路がある贅沢な作り。
しかも私は一番端っこだったので一人で通路を使えラッキーだった。
室内は冷房が結構効いてて寒いかと思いトレーナーを着て寝たのだが、ロールスクリーン状のカーテンを閉じたら思いのほか密閉性よく、自分の体温で室温が上がったようだ。
汗をかいてしまった。
そして不規則に揺れる寝床。
たくさん変な夢を見た。



朝になると揺れはあるもののだいぶ弱くなっていた。
みんなが起き出す前に起き出して、人のいない船内を撮影して歩いた。
甲板にも出てみた。
風が強い。
いいお天気の航海に見えるが、青空が覗いたのはその時だけで、以降はまた曇り空の下。
窓際の通路に並ぶソファに座って、乗船前に買って持ち込んだパンにバナナの朝食とした。



朝食を食べて歯を磨いてしまったら、しなければいけない事はもうなにもない。
何処かに行けるわけでもない。
苫小牧港到着予定は11:00だ。
ソファに陣取り、いくつも現れる小さな波頭をぼんやり眺め、写真誌に目を落とし、うつらうつらし、ゆっくりと進む船上の時間を過ごした。



たっぷり時間がありすぎ、ソファに座っていられなくなり、マーメイドクラブという喫茶スペースに移りホットコーヒーを注文。
船旅って本当に時間があるんだなあ。
名古屋から乗ったら日中もこうして過ごさねばいけないのか。
確かに娯楽設備がないといられないね。
ぼんやりするのが好きな私でも、一晩乗るのがたぶん精一杯だろう。



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