昨日は、論文の一番最初の謝辞(Acknowledgements)を書きました。アドバイザーをはじめ、家族や協力してくださった人たちへのお礼の部分なんですが、書きながらジーンとしてしまいました。なんて私って単純なんだろうって自分でも思ってしまいます。
たくさんの人たちに支えられながらここまでたどり着けたこと、実感しています。特に、献身的に協力してくれたオットには感謝の言葉、言い尽くせないです。またここで、文章を紹介しますね!
比較文化研究していると、日本独自の育児や教育概念を代表するような言葉があることに気づかされます。今日、アドバイザーからもらったフィードバックに目を通しながら、次のようなことを考えてみました。
1.代弁する。子どもの気持を代弁するというのは、アメリカの教育や育児の中であまり使われない言葉です。共感などにしてもそうです。日本の場合、子どもの気持を理解するということに対する思い入れが、非常に強いような気がします。
2.見守る。これも英語にしにくい言葉です。よく気をつけて見ていくと、日本の育児雑誌や保育関係の本の中で、非常に頻繁に使われていることが分かります。無介入というニュアンスを持つ言葉で、アメリカでは、Ignore- 望ましくない行為を無視する、意図的に見過ごすというアプローチがあります。日本の「見守る」との違いを明らかにしてみたいです。
3.叱る。日本では、ほめると叱るが対比して使われますよね。アメリカでは、ほめる(praise)の反対は、罰を与える(punish)、のような気がしています。実際、アメリカの育児本などでは、それ程、叱るという言葉が出てこないのです。「叱る」ということにこだわる日本の教育や育児を分析してみると、面白いような気がします。
とめどなくアイディアが浮かんできて面白くなっているのですが、果たして完成させることできるのかしら~??
博士論文は、アドバイザーと二人三脚で、ゴールに向かって進んでいくようなようなものなんです。
一人で先走りしても、アドバイザーの協力がなければ、前に進まないんですぅ。。
年末頃から、アドバイザーにメールをしてもなかなか返事がこないので、計画が順調に進まず、はらはらしていた私でした。Dept. of Health and Human Services (保健福祉省)の研究助成金のレビューアーとして忙しくしていたらしいんです。アドバイザーが活躍するのは、嬉しいことなんですが、フィードバックがなかなかこないのは辛いものがあります。
これでは卒業が危うい!と心配になった私は、自分の今後の予定や締め切りを細かく書いて、アドバイザーにメールしたんです。返事は、自分は今学期とっても忙しいけど、あなたのことは最優先に考えている、ということでした。そしてなるべくメールのやりとりを最小限にするために、完成品に近い原稿を送って欲しいとのアドバイス(プレッシャー?)です。
私のアドバイザーは、文章が非常に練られていて、ボキャブラリーが豊富なんです。こういう人の下で勉強できるのは、感謝なことなんですが、要求水準もかなり高いです。ある時、私の書いた原稿を一字一句全て直されたこともあるんです。
限られた自分の能力を生かしつつ、前向きにラストスパート取り組んでいきたいです。
今、博士論文の中で、育児の国際比較研究を育児雑誌や育児ネットの掲示板を分析して行っています。
時々おもしろい記事に出会い、思わずブログに紹介したくなってしまいます。今回は、育児方法の世代間の違いについて取り上げたアメリカの育児雑誌 American Babyの記事からです。
ばあばの娘への文句 トップ5
かなり、日本とも共通していますよね。特に、祖父母が子どもをつい甘やかしてしまう、っていう点は、国境を越えてどこでも見られるんでしょうね。
コミュニケーションの誤解も目につきます。
もしばあばが「6週間で離乳食を食べさせてたわよ」と言うと、娘は「うちのママったらなんにも分かってないんだから」と思うが、ばあばの意図は「時代は変わったわね」。
もしばあばが「あなたはもっと育てやすかったわよ」というと、娘は「もっとしつけをちゃんとすると、育てやすくなるわよ」というメッセージとして受け止めるが、ばあばの意図は、「ただ昔を思い出していただけなのに」。
お互いの言葉や行為に、ぐさっと傷つきあってしまうのは、どこでも見られるんですね。そういう母親のジレンマは、アメリカの育児サイトの掲示板にも、「うちのばあばは、おむつなんか簡単に外れたわよ、ってプレッシャーをかけてくるんだけど。私もちゃんとやってるのに」という風に、育児仲間の共感を求めて投稿されているんです。
こう考えると、育児サポートというのは量ではなく、質の問題。また当人がサポートとして受け止めているのかプレッシャーとして受け止めているのか、によって違ってきますよね。
育児をめぐる問題は奥深くて、オモシロイです。