キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

アメリカの大学の学費がいかに高額かー娘の例より

2017-02-16 11:13:27 | アメリカの大学で教える

前回の続き

アメリカの大学の学費がいかに高額になってきているのかを、私たちの家族の例を挙げて述べてみる。

高校卒業を控えた娘は、今のところ3つの大学より入学許可をいただいたが、その中で2つの大学は奨学金つき。

その一つの大学は、Honor's College(各大学の学業優秀者だけが入ることを許される優等生コミュニティ。少人数制クラスなど様々な特典がある)の中でも全米州立大学Honor's Collegeランキングでトップクラス (http://publicuniversityhonors.com/new-top-programs-by-category/)ということで、娘の第一志望。しかし、州外者の娘には、いくら奨学金をもらっても、次のような費用が課せられる。

 

授業料:$12, 470 (通常の授業料$26,470より奨学金$14,000を差し引いた金額)

教科書などの諸費用:約$1,200 (アメリカの教科書は一般的に非常に高額。ちなみに私の授業では1冊1万5千円近くのテキストを今学期使っている。)

寮費:約$8,000(9か月の値段。これでも一番安い、バスルームなど共有の寮。Honor's Collegeの寮は、通常の寮よりも高額で、大学1,2年間は寮に住むことが義務付けられている)

食費:約5,000(9か月の値段。これでも一番安いプランで、週12食。それ以外は自腹。娘いわく、毎朝オートミールを食べてしのぐということ)

それ以外、生活、交通費などで約3,000

これらを合計すると、奨学金がもらえても年額$30,000の自己負担だ。

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ところが、娘のヒスパニック系(本人も両親もアメリカで生まれているが、祖父がメキシコ出身)の友人は、National Hispanic Scholar(全米の成績優秀なヒスパニック系の生徒に与えられる賞)ということで、この大学の諸費用全てだけでなく、大学訪問(飛行機往復3回分)の費用を出してもらえるらしい。ちなみに、このNational Hispanic Scholarを決定するPSAT(全米共通試験)の点数は、娘と友人は全く同じである。

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昔は、子どもを大学に出すのは、車を1台購入するようなものと言われていたが、今では家を購入するようなものだと言われていることがよくわかる。私学にしろ、州立大学にしろ、莫大な費用がかかるため、親と子にとっては頭痛の種である。

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アメリカの大学の高騰化する授業料

2017-02-13 21:41:51 | アメリカ便り

ニューヨークに出張に出かけた時、紀伊国屋で「アメリカの大学の裏側:「世界最高水準」は危機にあるのか?」を購入する。

本を書いているのは、現在アメリカの大学で教鞭をとっているアキ・ロバーツさんとそのお父様、関西大学東京センター長の竹内洋さん。

アメリカの大学で仕事をしている者として、非常に共感することが多い内容だった。

その中でも個人的に興味があったのが、なぜアメリカの大学が現在では授業料が世界一高くなってしまったのかというその背景。

前にもブログで書いたが、アメリカの学生ローンは年々高騰し、平均30,000ドル以上とも言われている。

http://money.cnn.com/2016/10/18/pf/college/average-student-loan-debt/index.html

先週、私の学生たちに、ストレスについて課題を出したところ、経済的な負担、先行きの見えない自分の将来(大学を出ても、仕事が見つかるかどうか保障されていない)、学業と仕事のバランスという共通項が見出せた。授業料を練りだすために、パートタイムあるいはフルタイムの仕事を持っている学生が殆どであり、身体的・精神的なストレスの原因となっている。

なぜアメリカの授業料がここまで高くなっているのかという理由をいくつか述べてみると

・大学職員にかかる費用の増額―確かにアメリカの大学は職務が細分化しており、管理職やスタッフの数がやたらに多い。

・州からの高等教育資金の支援減少ー低所得者などへの福利厚生の方へ財源が回されている。

・マイノリティーやニーズベースの奨学金(低所得などの理由でもらえる奨学金)が増加していること。これについては非常に微妙な問題だと思う。そのようなシステムがあるために、ミドルクラスやアッパークラスの人たちは、自分たちがきわめて高い大学授業を支払わなければならないという羽目になるからだ。そのようなローンを背負うのが、今後のアメリカ社会を背負う若者たちということを考えると、非常に厳しい将来が待っている。

この続きは次のブログで。

 

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娘が初めて作った抹茶チョコ

2017-02-13 21:34:21 | アメリカ高校生活

今日は、バレンタインデー。

娘もはりきって、抹茶トリフに挑戦。

ミルクチョコに抹茶パウダーを振りかけたものと、ホワイトチョコに抹茶を溶かしたバーチョコです。

中国語クラスにもっていくそうです(ちなみに娘は中国語クラブの会長なのです)。

 

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