自閉症特有の強いこだわりに悩まされたここ一週間。
息子の「英語」のプロジェクトで、古典小説をもとに歌を幾つか創作し、それをビデオにまとめて編集するというグループ課題が出される。
ビデオやオーディオの編集に関心が高い息子は、早速パートナーと一緒に仕事を進めようとするが、パートナーはそれほど乗り気ではなく、息子のいらいらが募る。
ビデオを完璧に仕上げたい息子は、通っている教会の音響装置を借り、そこでレコーディングをしようと試みてみるが、なかなかうまくいかなかったらしい。
それでもどうにか幾つかのビデオクリップをパートナーと録画する。ここまで費やした時間は約20時間。そのビデオクリップを編集するのに、この三連休時間がとられてしまう。
土曜日ー朝から夕方までパートナーと一緒に編集するが終わらない。夜は、パビリオン〔野外コンサート会場)でアルバイト。
日曜日ーひと時の時間も惜しいと、教会から自転車を飛ばし家に帰る。途中スピードの出しすぎで自転車から落ち、顔、体中傷だらけ。結局、オットが、近所の家の芝生に倒れていた息子の姿を見つける。オットは最悪を予測したらしい。オットの声に反応した息子にほっとしたらしいが、その日の午後、テキサス州ソロ・アンサンブル大会へ出場のために高校からチャーターバスで出かける予定になっていた息子はパニック。息子の高校からバスで3時間のテキサス州立大学オースティンが会場。
痛みで楽器が弾けないというので、オットと相談して、救急病院に連れて行く。それも私たちの保険が適応できるところを電話をかけて探すが、なかなか時間がかかる。ようやく見つかって連れて行くが、パニックになっていたオットはUrgent care ではなく Emergency Roomに連れて行ってしまったらしい(こっちの方が高額)
幸い、軽い捻挫で済み、お医者さんは楽器を演奏してもいいよと言ってくださったが、学校からのチャーターバスはもう出て行ってしまった後。私は、電話をかけまくって、車で同行する親がいないか探してみたが結局見つからず、息子をオースティンまで送ることにする。夜5時に出発して、帰宅したのが夜中の12時。
月曜日ー息子は痛みと緊張の中、あまりうまくサックスホーンが演奏できなかったようだが、「2」という得点をもらい、まあまあといったところ。演奏をし終わり、チャーターバスで帰路につく。家についたのが夜の11時。
それから、ビデオの編集をしなければならないとパニックになり、またその後、音楽を入れたり、CDカバーや歌詞を印刷したりといった作業をし、大体終わったのが夜中の2時。次の日、朝5時半に起きて、仕上げをする。私たちは睡眠どころではない。
息子のこだわり、完璧症に振り回されてしまうが、私たちが何を言ってもきく耳もたず。自閉症者は、「これくらいでいい」という加減を理解するのが難しいということをあるワークショップできいたが、まさにその通り。
次の日、家に帰ってからも、「ああすれば良かった、こうすれば良かった」とまだまだこだわりは残る。
ビデオ・プロジェクト、特にグループで製作する場合に息子のこだわりやストレスが強化され、身動きがとれない状態になってしまうので、息子の504 accomodation plan の中に、「ビデオ・プロジェクトの代わりになる課題を提出する」ということを入れてもらえるように高校側と協議するつもり。
〔下の写真は、犬の散歩で見つけた野性の花)