キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

「合理的配慮」の解釈

2022-12-18 15:54:34 | アメリカの大学で教える

引き続き、非常勤としてオンラインで米国の大学の授業を教えているのですが、

受講生は少ないので助かったものの

一人、非常に時間を取られてしまう学生がいるのが悩みの種

学期半ばの最初の試験の最終日、突然「合理的配慮」が必要だということで、書類を送ってきました(本来ならば、学期始めに連絡があるのが普通です)。

試験時間の延長については、問題はなかったのですが、

もう一つとして、〆切の延長については、「1週間までの延長。それ以上必要な場合、連絡してくること」と何度Emailで伝えても、それを理解してくれないのか、自分なりに解釈し、1~3か月前に締め切りだった課題についても、提出されてほしい、減点はしないでほしいと嘆願し、メールの口調も「なんでそんなに厳しいのか」「僕は何度も訴えているじゃないか」と感情丸出しになり、頭痛の種。(-_-;) 1か月位、課題を1つも提出してこなかったんですけど………

しかも彼の方からメール(というかテキストメッセージのようなショートメール)は弾丸的に1度に4,5件続けて送ってくるため、1度ずつ対応するより、1日にまとめて1回返信することにしました。

トラブルになったら困ると思い、メールのやりとりを全てExcelに記録し、

学科で「教育」の責任をつかさどっている先生に添付で送って相談し、アドバイスをもらっています。

彼女いわく、いくらEmailで学生に伝えたといえども、書面上でのやりとりの契約がなければ、学生が告訴してくる可能性もあるため、なるべく譲歩した方がいいとのこと。😿

コミュニケーションのマナーのなさ、自分の都合で押し通そうとする学生とのやりとりでぐったり疲れてきました。

「合理的配慮」も拡大解釈されると、教員にとっては授業がやりにくいですね。

ここ数週間ストレスになってしまったため、早く解決し、忘れてしまいたいと思っています。

 

orange tabby cat sleeping on white textile

Photo by Victoria Tronina on Unsplash

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大学の授業でCanvasを使用

2021-10-04 11:31:10 | アメリカの大学で教える
e-learning platform のCanvasを使用して、5週間経ちました。

これまで、かなり頻繁に授業支援のe-learning platform が代わり、

Blackboard, WebCT, Angel....もっとあったのかもしれません。

うちの大学では、2,3年に1度変わってきているので、学生も教員もそのたびに新しいやり方を学び、まあ頭の体操にはなっているのかもしれません。

さてこのCanvasを使ってみての感想です。

利点は、課題などにフィードバックを書き込むと、学生がそれに対して返信ができるようになっているので、

「もらった点数に納得いかない」などのクレームもつきやすい反面、簡単にやりとりができるという利点もあります。

そして1日の終わりに、学生から来たコメントやコメント、締め切り以降に提出された課題などについてRecent Canvas NotificationsとしてEmailが送られてくるため、わざわざ自分でチェックしなくてすむのは時間短縮にもつながります。

ただ成績表などは、以前のBlackboardの方が使いやすく、もっと効率の良いやり方があるんだろうなと思いながら、まだそこには至っていません。

あと学生やインストラクターの名前の横にプロフィール写真がついているので、親しみをもって交流できているのかもしれません。OutlookとかGmailとかでもそうですよね。

今学期は3教科教えているので(日本では6コマでしょうか)、研究を含めると、朝から晩まで何かと忙しいです。

おまけ
下の写真は、私の本だなにおいてある、ドテラのエッセンシャルオイルとディフューザー、秋のキャンドル、乾燥防止のためのドテラのミスト。ここに書いてある言葉は、好きな言葉というより、雰囲気が好きで5年前に購入。




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8月の予定など

2021-08-03 06:21:12 | アメリカの大学で教える

やっと夏のコースが終わり、8月22日までは一応夏休み。

とは言え、来学期から教える教科が1つ増え、今まで教えたことがない科目なので、準備に時間が取られそうです。でも私たちの学部の場合は、前に担当した教員のコーススペースをそのまま譲り受けるので、その分助かります。

今学期より、授業のプラットフォームがBlackboardからCanvasへ移行するので、Workshopとか参加して、ちょっと慣れておかなければいけないようです。

その他、8月末に締め切りの助成金申請、執筆中、執筆予定の論文も幾つかあるけど、

計画的に時間を使って、この期間、ともかく本を読もうと思っています。

オーデブルが1冊

Hope in Times of Fear 

Kindle本が1冊

Crying in H-Mart: A Memoir

Bookliveの本が4冊

オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る

世界最高の話し方

アフターソーシャルメディア 多すぎる情報といかに付き合うか

自律神経を整える「一日30秒」トレーニング

研究法の本が2冊

研究の育て方

Writing your journal Article in Twelve Weeks

そして専門書が英語、日本語合わせて4,5冊

 

今は、本棚に並んでいるだけなので、斜め読みでもいいから、読んでみよう、と思っています。

 

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春学期の終わり、学会、週末の様子など

2021-05-11 06:31:45 | アメリカの大学で教える

やっと春学期の成績を提出し、今週からは大学は夏学期。

Have a great summer!と5月なのに交わし合う会話は、やっぱり長年アメリカで教えていても、少し違和感がありますね。

でもいつもこの時期は、夏休みに入ったんだ、ということで少し気分も明るくなります。

担当する夏の集中講義は、6月20日頃始まりなので、授業をしばらく教えなくても良いのは助かります。

しかし学会関係の準備ラッシュで、

来週の水曜日は、博士課程の学生を対象に、2時間のダイバーシティーの講義を頼まれているので、その準備もそろそろ。

 

要領が悪いのか、毎日夜に渡って仕事をしている私を見て、

いつも夫が悲しそうな顔をしているので、

授業がやっと終わったので、これからは夜は少しリラックスしようかなと思っています。

 

そうそう

土曜日の夜は、久しぶりに友だち夫婦の家にお呼ばれし、ピザとビールと会話を楽しんできました。

日曜日の母の日は、子どもたちがお金を出して、食事代を払ってくれたので、

インド料理をテイクアウト。

その後は、夫と近所を散歩し、ネコを2匹見つけて、写真を撮ってきました

それからBananagramsのゲームをして過ごしました。

のんびりできた休日でした。

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近況ーコロナ、仕事、雪など

2021-01-12 02:36:08 | アメリカの大学で教える

あけましておめでとうございます!

時々ブログを訪問してくださる方々、ありがとうございます。嬉しいです

今年もどうぞよろしくお願いします。

 

年末から年始にかけ、1週間程仕事を休み、

息子と夫と3人で、過ごしました。

近況です。

 

コロナ

コロナ感染のホットスポットに住んでいますが、

去年末よりワクチン接種が始まり、

Phase1Bでは、65才以上の人や、持病のある人なども接種可能なようです。

それにもかかわらず、私たちの市の昨日のコロナによる死者は13名

ワクチンがなかったらもっと大変になっているのかもしれません。

先週は、娘の親友のお父さんがコロナで亡くなり、可哀そうでした。

私と同年代の人ではないかと思います。

 

教育

春授業の開始は来週月曜日からです。

先週は、「人種平等」(racial justice)のムーブメントを受けて、いかに「脱植民地化」(decolonized)したシラバスを作成するか、というミーティングに情報収集のため出席しました。

とは言っても、そのためのシラバスのテンプレートなどが用意されているわけではなく、

自分で考えて作成しなければならないようです。

また、これは簡単な問題ではないため、すぐにシラバスを修正できるという性質でもないようです。

 

研究

去年より、質的分析ソフトMAXQDAを使用し、

少しずつやり方が分かってくると、分析が迅速に進み、重荷だった質的分析が楽しくなってきました。

今朝は、そのソフトを使って分析した学会発表の原稿を投稿し、一段落です。

今日の午後からは、気持ちを切り替えて別プロジェクトの原稿の続きを書こうと思っています。

去年ふと気づいたのですが、論文を投稿し、その結果待ちをしている時間が自分にとってトラウマ(今まで不採択が多かったので)になっていることが分かり、

それを防ぐためには、論文を1つずつ投稿するのではなく、複数平行して投稿(同じ内容ではなく、それぞれ別の論文です)した方が良いのではないかと思い始めました。

ということで、今年は去年よりも多くの論文を投稿しようという目標を立てています。

 

昨日雪が10センチくらい積もりました。

ココアがパティオを歩きまわって可愛いあしあとをつけたので、記念に写真を撮りました。

日本は大雪の被害が大変そうですね。

早く収束しますように!

 

 

 

 

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今教えている研究方法の授業

2020-07-22 10:49:52 | アメリカの大学で教える

夏の集中講義も、あと2週間ばかり。

今年の夏は、キャンパスでの授業が廃止になったため、私のオンラインの受講者も若干増加。

 

研究方法の授業なのですが、

学生の課題レポートに、かなり細かくフィードバックを書いているため、

教えるのに、時間がかかる授業です。

 

研究のテーマを決め、それに基づいて

①リサーチ・クエスチョンを立てる

②査読つき論文を探し、annotated bibliographies(文献の要約とリスト)を作成する

③文献レビューの論文を書く

④テーマに基づいて、ロジック・モデルを作成

⑤学んだことを整理して、15-20分でVoicethread Presentation(パワポに録音して作成するプレゼンテーション)を作成し、クラスで発表

という、過程で学んでいくのですが、研究テーマの的が絞られていなかったり、査読つき論文が探せなかったり、文献レビューの方法が分からない学生も多いので、かなり細かく説明するようにしています。

それでも、課題未提出、遅れて提出、いい加減に取り組む、などの理由で、及第点を取れず、落第する学生も…

中には、私の学部の必修科目であるこの授業を受講するのが4回目、という学生もいるのです。私の前に、別の教員が教えた対面授業の研究方法の授業を受講し、2度落第し、先学期の私のオンライン授業でも落第。

今学期は、さすがに焦っているみたいで、課題をすべて提出しているので、どうにかなりそうです。

Photo by Nick Morrison on Unsplash

 

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やっと秋学期が終わりました

2019-12-18 16:20:03 | アメリカの大学で教える

昨日で、秋学期が終了。

成績提出をし、やっと一仕事終えたが、明日は1月初旬から始まる春学期の授業の準備である。

今学期も、頭を悩ませる学生が何人かいた。

1.学期当初から、ほぼパーフェクトな自分のGPA(成績の平均点)を自己紹介の時に伝えた学生。高校時代に大学レベルのクラスを数多く受講したらしく、通常より大学を早く卒業する予定(3年間)であることも、皆に伝える。しかし、課題などの質を見ると限り、本人が主張する程、優秀な学生だとは思えない。最終成績を出す前日に、自分の総合得点から割り出すとBランクの成績になるが、自分はものすごく頑張り、GPAが3.9以上の学生なので、このクラスでもAをもらえるはずだと言い張ってくる。いわゆる抗議のメール。クラス全体の平均点をあげるために、この学生も含めて、総合得点を5点アップさせ、彼女は結果的にA- になったが、プライドが許さないのかもしれない。こういう学生(博士号をもつ教員に対して、自分のペーパーはAに値すると言ってくる)は、幼少から親や教員に褒められすぎたのだろうか。しかし、彼女だけではない。時々、自分はストレートAの学生なのに、あなたのクラスでの成績がよくないのはおかしい、と教員のせいにしてくる学生がいる。

2.成績提出間際にメールしてきた学生。今学期卒業で、大学院を目指しているため、今のCランクの成績からBランクの成績に換えて欲しいという内容。彼女のパフォーマンスを見る限り、とても大学院に行きたいという学生には思えない。ペーパー、プレゼン、どれをとってもそれ程芳しくなく、Extra Creditと言って、オプションとして点数を稼ぐことができる課題もやってこなかった。大学院にうまく入ることができても、大丈夫なのだろうか。

3.学期途中、何度か連絡してきた学生。文法がものすごく滅茶苦茶なので、文法の間違いが多すぎるということを、ペーパーの採点と一緒にコメントしてきたが、「自分の文章で文法のどこが間違っているのか、全然わからない」とのこと。親から育児放棄され、大変な境遇で育ち、本を読む機会などもなかったらしい。どのように大学に入ることができたのかがフシギだが、自分の文法の間違いが多いということは、これまでも頻繁に教員から指摘されてきたらしい。公文教室に入って勉強しようとまで考えたそうである。しかし年齢的に、公文は受け入れてくれなかったらしい。彼女はやる気があったので、細かく文法の間違いを中心に指導をしたり、Grammarlyなどについて紹介した結果、学期の終わりには、ペーパーもだいぶんみられるようになった。

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朝食のスコーン、仕事に集中する方法など

2019-08-26 22:20:24 | アメリカの大学で教える

秋学期、2週目。

今朝は、仕事開始前に急にトレーダージョーズのミックスベリースコーンが食べたくなる。

水を加えて、フォークでかきまぜてできるので、とても手軽。

栄養バランスを考え、チアシード、ココナッツ、くるみ、冷凍ブルーベリーも足してみる。

つけあわせの生クリームは、いつものようにギリシャヨーグルトも加えて、甘みも少なめに。

調理時間と後片付けは、10分程度。

 

いつものように、今日やるべきことのリストを作成し、一つずつ片づける。

予定していなかったことを依頼されたり、予定していたことが思ったよりもうまく進まなかったり。

それでもリストがあることで、モティベーションがアップするので私には欠かせない。

仕事に集中するための音楽も必需品。

今日は、YoutubeのDeep Focus Music - Binaural Beats Concentration Music, Study Musicを聴いてみる。

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夏の集中講義がようやく終わりました

2019-07-31 20:14:42 | アメリカの大学で教える

昨日、6週間続いた夏の集中講義がやっと終了。

うちの学部では、夏学期のクラスとしては、一番受講生の数が多く、採点や学生とのメールのやりとりがとっても大変だった。

それだけでなく、うちの大学の新しいイニチアチブとして、学生たちの教科書代の負担を軽減しようと、従来の教科書による授業ではなく、無料のオンライン教材を使用することになったことから、授業の準備にずいぶん時間が取られた。

Podcastsやオンラインジャーナルなどを使い、どうにか試行錯誤しながら授業をやり遂げた。最後は、学生によるプレゼンで終了したが、苦労した反面、達成感のある授業だったと思う。

 

この写真は、先日購入したばかりの新学期(8月)から使える1年間のスケジュール帳。

アメリカのAcademic Calendarに合わせて8月から7月までというサイクル。

夏授業が終了したので、早速書き込んでみる。

毎日のスケジュールだけでなく、今年度の目標、ちょっと思いついたアイディア、毎週の大まかなスケジュールなどが書き込めるので使うのが楽しみ。

 

 

 

 

https://1drv.ms/v/s!AqlLomrjB2wS6wt4pLxwJti-UoIX?e=TLFP69

 

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Yes, Sir!

2019-07-19 15:57:37 | アメリカの大学で教える

今日、びっくりしたことがあった。

ある学生に出したEメールの返事の冒頭に、

”Yes, Sir!" と書いてある。

私が男性の教員だと思っているらしい。

オンラインで教えている授業は、私のファーストネームだけで、性別が分からない学生もいるらしい。そういえば、以前も私を男性だと思っていた学生がいた。

このSirという言葉は、男性に対して敬意を示す言葉として使用されるが、教員に対しては、”Professor" "Dr. xxx "という言葉が一般的だ。時には、”Mrs. xxx"や私のファーストネームを書いてくる学生もいる。

今回このメールを出してきた学生は、フットボール選手で、新聞などでも名前が時々紹介されている。将来は、NFLに入って、プロの道を進みたいらしい。

そういうスポーツ文化の中で育っているので、思わず”Yes, Sir!"という言葉が出てきたのかもしれない。

ところで、私の授業を受講している学生は、半分近くはマイノリティーの学生、留学生もいる。外国系(英語圏以外)の名前である場合、私の方こそ、学生のファーストネームだけでは、性別が分からないこともある。そういう時は、ネットでファーストネームを検索し、Image(画像)で、性別を確かめるといったことも。その学生について、第三者にメールする時は、She (彼女)か He (彼)なのか、はっきりさせなければならない時などは、便利。

 

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論文検索で、母親の論文を発見した娘

2019-01-28 20:44:15 | アメリカの大学で教える

娘からの電話。

今日は、Research Methods(研究方法)の授業について報告してくれました。

今、心理学部でこの授業を受講しているらしく、今日の授業では論文検索の方法について学んだそうです。

試しに私の名前を検索にかけてみたところ、ずいぶん前に息子を題材にして書いた論文が出てきたそうで、娘はびっくり。

息子に偽名を使って論文を書いたとは言え、内容を読んでいくうちに、「これは、お兄ちゃんのことだ」とすぐわかったそうです。

複雑な気持ちだったでしょうね。

それ以外にも、私が博士課程時代に書いた論文なども出てきて、こういう人たちとこういう研究をしていたんだ、と娘にとっては「母親」の過去を少しずつ知る手がかり。なんだか恥ずかしい。

ちなみに、私も類似の学部で「研究方法」の授業を担当しているので、そのうち娘と学生たちがダブってきそうな予感

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英文校正ツールGrammarlyを使ってみる

2018-04-25 16:33:57 | アメリカの大学で教える

私の研究のリサーチアシスタントをしてくれているYさんに教えてもらって、Grammarlyを使ってみました。

最初は、冠詞が抜けていたり、動詞を忘れているなど、自分の文法のミス、タイピングのミスなどをキャッチしてくれたのが便利で、英語ネィティブの夫にも紹介したのですが....

やはり限界がありますね。同じ言葉の繰り返しなどをキャッチしてくれるのはよいのですが、論文などで同じ用語を使った方がいい場合などにも修正するようなメッセージが出てくるので、ちょっと不便です。あと、In additionと書くと、いつもAlsoと変更するようにメッセージが出てくるのですが、どうにかならないものでしょうか。

しかし学生のレポートなどを採点する時には、Grammarlyは結構便利な時があります。例えば、コンマなどのpunctuationは結構いい加減な学生が多いので、そういう文法のミスをキャッチしてくれます。しかしこれも100%ミスを拾ってくれるわけではないため、肉眼で読むことが必要です。

また誇張した表現、great, really等を指摘してくれるため、そのような用語を使いすぎる学生のレポートにコメントを書くのにも役立っています。

夫と一緒にプレミアム会員になりましたが、自分の無意識のミスを拾う目的としては役立つのではないかと思います。しかし頼りすぎて安心していると、かなりの文法の間違いが残ったまま相手にメールを出したり、論文を投稿してしまうことになるので、やはりネィティブチェック(とは言っても、ネィティブの方が逆に文法が間違っている場合もあるので、そのようなミスに気付く英語の文法に熟練した人ということでしょうか)が必要だと思います。

ちなみにあまりにも英語の文法のミスが多い学生には、こういう無料の文法チェックのツールがあるから使った方がいいよ、とGrammarlyを紹介しています。

こういう記事もあるので参考までに。

http://eigoatama.blogspot.com/2017/08/grammarly.html

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うつにかかる米国大学生の増加

2018-04-10 21:47:35 | アメリカの大学で教える

今日、大学から送られてきたEmailによると、学生の三分の一以上が日常生活に支障をきたす程のうつ病にかかっており、1割が自死を考えたことがあるという調査報告であった。他の大学の統計を見ても、同じような傾向のようである。http://www.apa.org/monitor/2013/06/college-students.aspx

不安障害の学生の割合は、4割以上である。

日本の大学の傾向は知らないが、恐らく増えているのではないかと思われる。自分の息子も不安障害と軽いうつ病の傾向があると診断されているので、本人や家族の苦しさはよく知っているつもりである。

それでは何が原因なのだろう。

よく指摘されるのは、大学の大衆化(昔は大学に入れなかった人達が大学に入るようになった)、授業料の高騰化、就職難、宗教離れ、などであるが、それだけでなくテクノロジー・情報化社会も原因しているようだ。

たとえば、ある記事によると、夜中に友達からの携帯メッセージに応答する学生が50%いるそうで、その結果睡眠の質が低下し、うつ病や不安症を引き起こしやすいということである。

うちの娘もそうである。高校の時から、休み間もなく友達からのメッセージが携帯電話に入ってくる。友達の多い娘は、それに対応するだけで、一日が終わってしまいそうである。時間の無駄遣いだけでなく、心身の健康の低下にもつながるので親の心配の種である。

ソーシャルメディアやインターネット依存は、人とかかわる力を乏しくするだけでなく、リアリティーが分からなくなってしまうという危険性をはらんでいる。うちの息子がそうである。インターネットの情報で、自分が目指す人物像の理想がどんどん高くなり、そのギャップがうつ病や不安を引き起こしているのがよくわかる。さらにソーシャルメディアで、友だちが楽しく幸せそうに過ごしている写真を見るたびに、自分だけが取り残されているような寂しい気持ちになっているのではないかと察する。

しかしこれらは、自閉症の我が息子に限らず、3-4割の大学生の問題なのである。

そのような現象を反映しているのか、年ごとに、学期の半ば頃から全く音沙汰がなくなる学生が増えてきているような気がする。アメリカの大学生の4年間の卒業率が低いのも、メンタルヘルスが大きな原因ではないかと考えられる。

このPsychology Todayのリンクは参考までに。

https://www.psychologytoday.com/us/blog/theory-knowledge/201402/what-is-causing-the-college-student-mental-health-crisis

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Jamie OliverのTED TALK

2017-09-13 22:53:47 | アメリカの大学で教える

今週の授業課題は、 ジェイミー・オリヴァー(Jamie Oliver)のTED TALK, Teach every child about food (子どもたちに食の教育を)。Youtubeで視聴できるので、それをもとに話しあいを行う計画。

彼は、このトークで、2010年にTED Prizeを受賞。この年は、受賞者は彼のみだったらしい。

https://www.ted.com/talks/jamie_oliver?language=ja

イギリス出身で、"Naked Chef"(裸のシェフ)として人気だったらしいが、最近ではイギリスやアメリカで幅広く子どもたちの「食育改革」に取り組んでいる。

特に視聴してショッキングだったのは、彼が学校を訪問した時に、トマトを提示しても、子どもたちは何の野菜かわからず「じゃがいも」と答えたり、「なす」を見て「梨」などチンプンカンプンな答えが返ってきたこと。

これは小さい子どもだけではなく、私が住んでいる地元でもレジ打ちの20歳前後の青少年にもあてはまる。「キャベツ」を知らなかったり、「カリフラワー」という名前が出てこなかったり。殆ど料理をしない家庭で育ってきたのではないかと考える。

子どもと一緒に買い物に行って野菜や果物を購入し、一緒に調理する、という生活習慣がアメリカの中にはなかなか定着していない。特に低所得家庭にその傾向があるため、低所得家庭=肥満になりやすい=ますます低所得になる、という悪循環が生まれる。

Wikipediaでは、彼の肩書について、次のように説明されている。

イギリスの公立学校にて学校給食改善運動に取り組む。ジャンクフードが主流となった子どもたちの食生活を変えるべく、安価でヘルシーなレシピの考案、調理師たちのトレーニング、子供たちへの「食育」活動、給食予算増額のための陳情など、総合的な給食改善活動を展開。その後、アメリカ合衆国各地をめぐり「食育改革」に取り組んでいる。

私が所属する大学の学部でも、子どもの肥満打倒のために連邦政府からの研究資金を得て、家庭での食事指導についてカリキュラムを作成している。以前は喫煙が病気のリスク要因だったが、今では肥満。肥満が引き金となり病気にかかり、その費用は生涯を通して本人と家族を悩ますものとなる。医療費が高額なアメリカでは、深刻な問題だ。

ウェブサイトでもOliver氏の活動が紹介されているので、参考までに。

http://www.jamieoliver.com/

 

 

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ダイバーシティーと日本 

2017-08-05 10:30:53 | アメリカの大学で教える

数か月前、私立大学連盟の事務局の方より連絡をいただき、「大学教育におけるダイバーシティの実現に向けて」というテーマで第一回学長会議を開催するので、もし来日する予定があるなら、ぜひシンポジウム登壇者の一人になってほしいとの依頼を受けた。

私が数年前、アメリカの大学で教えているダイバシティの授業紹介のレポートを書いたことがあったが、それを読んでくださって声を掛けてくださったらしい。

その時の企画書は、法政大学総長の田中優子氏による基調講演ほか、シンポジストの中にも企業へのダイバシティマネジメント教育を行っているような既に知名度の高い方が含まれており、全く無名な私まで声がかかったのは日本の大学教育現場でのダイバーシティー政策がまだまだ新しい課題であるからなのかもしれない。

人前で話をする程の教育実践や研究を積み上げているわけではなく、帰省する予定もなかったのでお断りさせていただいたが、そのように目にとめていただいたことはありがたい。

そういえば、数年前にも朝日新聞から依頼を受け、子ども新聞にバービー人形のダイバーシティーについて取り上げたいから、取材させてほしいという依頼があった。これについても、先ほどの学長会議の登壇者探しと同じで、私の書いたレポートを通して連絡がきたようである。

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ダイバーシティーについて学ぶ機会がいかに重要であるかは、私の授業を受講し終えた学生たちからよく聞く声であり、「全ての学生の必須科目にするべきだ」と熱をもって語ってくれる学生もいる。

これは私の授業が良かったというより、ダイバーシティーに関する様々な教材をもとに、他の学生たちと語り合う機会や他の学生たちの経験(特にマイノリティーの学生たちの経験)について知ることが、いかに自分の視野を広げてくれたかということなのだろうと思う。また自己をみつめる機会となり、特に自分の殻や壁の外に出ることの大切さを実感した、という意見が多かった。

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海外赴任や留学を望まない「内向き志向」の日本人の若者が増えていることが問題になっているが、このダイバーシティー教育が日本に根付かないことと深く関わっているような気がする。日本という文化背景の中で、ダイバーシティーは重要であると本音で若者たちが思えるように教育するには、実践の積み上げが必要であろう。その前に、その若者たちを育てている一つ上の世代の人たちの教育(大学教員など)が、まず優先順位であろう。

 

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