キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

里帰りー最初の数日

2010-06-30 20:25:17 | 里帰り
日本に里帰りし、最初は関東に住む妹のところに滞在させてもらう。3日間に時差ボケと平行しながら上野動物園、Costco、池袋サンシャイン、東京ディズニーランドと遊びに行く。

娘は忙しい時間の合間に、友だちとFacebookで会話を楽しみ、私はダンナとSkypeで一日に数回電話しているので、なんて便利な世の中になったものだと実感。

 
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リストラから教えられる人生 その10

2010-06-28 05:32:45 | リストラから教えられる人生
日本の里帰りの前日、大忙しだった。

留守中、もしかして家を売りにだすことを考え、部屋の整理、そうじで一日過ごす。

家を売りにだすのは、今回が3度目。タイミング的にはBuyer's market(買い手市場)の時ばかり。しかし経済不況は自分たちでは予測できないので、仕方がない。

2002年、ヒューストンの家を売却した時、大手のオイル会社エンロン破綻の時と重なり、一度に沢山の家が売りに出され、またたく間に家の値段が下がってしまう。

2008年、ミズリー州の家を売却した時、アメリカの経済破綻でどんどん家の値段が下がった時。

2010年の今日。州の深刻な財政難で、私たちの大学でも昨年より大幅なリストラ、人員削減が行われ、家の値段が降下する。

さて、どうなるのだろう。

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リストラから教えられる人生 その9

2010-06-24 14:22:11 | リストラから教えられる人生
今日はダンナにとって、この大学に残る最後の望みが消えた日になった。

昨日より、自分を解雇した上司にもう一度メールを書き、オフィスの将来を考えるとどうしてもディレクターなしでは運営は難しいということを訴えた。

今日、もう一度修正し、合計で30回くらい書き直しただろうか、2日かけてメールを書いたダンナだった。

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数時間後に返事がきて、私の決定は変わらないという短い返事だった。これで、彼の希望も、部下たちの希望も消えてしまった。これから部下たちも、状況が許すなら、次の仕事や大学を探す人も出てくるだろう。

毎日暗い顔をして出勤し、時々泣いて彼のオフィスにくる部下たちのことが心配でもう一度最後の望みをかけてメールを出したが、全く考慮に入れてもらえなかった。

君主政権とでもいったらよいのだろうか、アメリカの州立大学でも見られることにショックを隠せない。

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ダンナは人権センターに相談にいったが、こういうケースは家族を巻き込んで戦わなければならないというようなことを聞き、もう諦めることにする。

ダンナは泣くに泣けない様子で、非常に気落ちして、見ていて痛々しい。明日から里帰りで、朝の5時に出発の予定だが、今夜は私もダンナも眠れないだろう。でもそういう私たちのことを覚えて祈っていてくださる人たちが沢山いるので、きっとダンナも立ち直ってくれると信じている。
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リストラから教えられる人生 その8

2010-06-23 14:37:43 | リストラから教えられる人生
夫が解雇されて以来、私は自分の大学の仕事と夏休みの子どもの世話に加えて、自称、夫の秘書をつとめてきた。夫が受け取るメールをチェックし、「○○にちゃんと返事出したの?」「○○からこういうメール来てたわよ」「そろそろこういうこと、みんなに伝えた方がいいんじゃない?」

教員という私の性格がら、どうしても世話やアドバイスをしたくなってしまう。夫が精神的に非常に参っている時期だったので、二人三脚でやってきた。

たとえば、夫は先週の火曜日には大学総長にメールを出し、金曜日には自分を解雇した新しいボスにメールを出した。

出すまでには、何度も書き直しを繰り返した。夫が書いた草稿を、私が添削、フィードバックし、その案をもとに夫がまた書き直す。10回以上そのやりとりを繰り返し、ようやくもうこれで大丈夫だろうという段階になって、送信ボタンを押す。

英語の文法のミスはまだまだ多い私だが、内容や論理の運び方、文章の構成や展開などについては、この私でもいくらかインプットできるものがあるらしい。

今回夫が二人に送ったメールはかなり説得力のあるものだと思うが、どう受け止められただろうか。。。。

大学総長は、自分の直属の部下と話しをしてくれという丁寧なメールを下さり(もしかして逃げているのかもしれない)、夫の上司は、あなたの案を注意深く検討してみます、という返事だった。どうなるのだろう。

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昨日は、夫は一つの電話インタビューをこなした。Assistant Chancellorという立場の人。現在のDirectorがやめる予定なので、その後のポジションを公募しようか、その予算がつくかどうかまだよく分からないという段階だったが(大学の予算の関係で採用が凍結される場合がある)、夫と話をしているうちに、大学と交渉してぜひ公募に持ち込むように最善を尽くしたいと言ってくれたそうだ。

もう一つの大学とのインフォーマルなインタビューは7月8日。休暇中にわざわざこの町に遠回りして立ち寄ってくださるらしい。現在、大学の法務顧問の長の役職についている人。その前は長い間ハーバード大学の法律顧問として働いていた人らしい。履歴を見るだけでびびってしまいそうだが、夫いわく「人を見ず、神を見よだろう?」という聖書の言葉を引用する。

メールのやりとりからでは、とても感じのよい人のように思えたが、どうなのだろう。





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Facebookを通して旧友と再び交流

2010-06-21 15:46:17 | アメリカ便り
昨日、もう15年も会っていない昔の友人からFacebookを通して連絡をもらった。

友達として「承認」した後、彼女を通して、10人ばかりの古い友人・知人たちの写真やその後の消息を垣間見て、みんな元気で幸せそうに人生を送っている姿を見て、気持ちが暖かくなる。

そして、独身の頃一緒によく遊んでいた女友達5人に「友達」リクエストを送り、その日のうちの「承認」のメッセージが返ってくる。

なんと便利な世の中になったものだと思う。普段はあまり参加しないようにしているFacebookだが、今回のような旧友探しは、気分転換になって楽しい。
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リストラから教えられる人生 その7

2010-06-20 15:25:37 | リストラから教えられる人生
ダンナが解雇されてから、多くの人たちが励ましの言葉を送ってくれた。

大学副学長ではない方の隣の夫婦は、ワインを4本分けて下さったし、日本人の友人は手作りのどら焼きをプレゼントしてくれて気持ちを慰めてくれた。

また私のブログを見てくださっている遠隔地に住む親戚の人、家族、友人からもメールや慰めの言葉をもらい、嬉しかった。

何よりも驚いたのは、就職活動の時期が悪いにも関わらず、知人、元上司などが、公募されていない、あるいは公募前の採用募集について少しずつ情報を流してくださったことだ。

特に、ダンナの元上司が、その広いクリスチャンのネットワークを使って、全米の同じような仕事についているクリスチャンの人たちに夫の履歴書を送ってくださった。それによって、幾つかの情報のメールや祈りに覚えるという励ましの言葉をもらったので、そういう好意の気持ちが本当に嬉しい。

Chronicle of HigherEducationというアメリカの大学の教員、管理職などの一番大きなサーチ・エンジンで見つけた採用募集にダンナは先週、願書を送った。普段は応募してから1ヶ月ほど待たなければ、返事が来ないが、金曜日の日、その採用責任者からダンナのところにメールが来る。

東海岸のアイビーリーグの大学だが、その人がモンタナからシアトルまで車で旅行する予定なので、わざわざ私たちの町に遠回りして立ち寄り、ダンナにぜひ会いたいという打診だった。ということで、ダンナは7月8日にその人と朝食を一緒にすることになった。

もう一つは、中西部の州立大学。クリスチャンのネットワークでダンナのニュースを知ったある人が、自分の上司にダンナのことを話し、履歴書を転送して下さったらしい。まだその大学は公募する段階までいっていないにも関わらず、その採用責任者である人が、メールで送ってきて、ぜひ電話であなたの将来の計画についてもっと聞きたいと打診してきたらしい。

たくさんの人たちの祈りに支えながら、少しでも可能性が見えてきたその日、解雇した日より減退したダンナの食欲が戻ったらしい。その晩インド人ご夫婦の友人が家に私たちを招待してくださって、オードブル、デザート、メインデッシュ数品、インド風カクテル、などフルにご馳走になり、とても楽しい時間を過ごした。
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アメリカの長い子どもの夏休みをいかに有意義に過ごすには?

2010-06-18 12:58:36 | アメリカ小学校事情
先週の金曜日から子どもたちは夏休みに入った。

放っておくと、コンピューターでFacebook,EmailのソーシャルネットワーキングやYoutube、Netflixでビデオを見て一日終わってしまうので、昨年同様スケジュールを作成した。

算数 30分 (インターネットでドリルをみつけ、印刷して使う)
読書 1時間
お手伝い 30分 (草むしり、そうじ、せんたくの手伝い)
運動 30分 (自転車にのったり、シェークスピアの散歩。Wii Fit)
プロジェクト又はアート 1時間

一日にこれだけを全部するとポイントがもらえるしくみ。ポイントが加算されるとお金に引き換えでき、日本へ里帰りした時にお小遣いとして使える。

今年はさらに、ニューベリーアワードなどの推薦図書を読み、簡単な感想文を書くことで追加ポイントをもらえることにした。

さて、里帰りまで何ポイント溜まるだろう?

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リストラから教えられる人生 その7 その1

2010-06-17 11:46:00 | リストラから教えられる人生
ダンナは昨日、大学総長あてにメールを送った。

自分の部下をできるだけ守りたいという思いと、自分のオフィスの言い分をぜひ聞いて欲しいという願いで数日かけてメールを書き上げた。また自分の新しい上司の解雇のやり方があまりにもひどすぎるという苦情もその中に含めた。

もみつぶされてしまうかと思ったが、「その件については、また連絡する」という返信がその日のうちに送られてきた。

それから1日たったが、まだ返事が来ない。誰とどのように交渉をしているのだろう。


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偶然な縁で大学総長と私たちは同じ大学から今のこの大学に赴任してきた。時期もほとんど同じ頃だった。それを知った大学総長はことあるごとに、ダンナに話しかけ、肩を組もうとしたり、親しいジェスチャーを示し、まるで旧友に出会ったかのようにいつも接してもらった。ある大学の理事会を招いての総会の時には、わざわざ遠くに座っているダンナに手招きして壇上に上がって自分の横に座るようにジェスチャーで示すなど、本当に親しみを感じているのかダンナの反応を面白がっているのか、ダンナは理解に苦しんだ。

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しかし今回ダンナを解雇した新しいボスは、大学総長の目にかなって外から連れてきた人。Global Animal Health Scienceという最先端の研究分野で活躍している彼女を大学の名声を上げるためにつれてきたらしい。

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大学総長はいったいどのような返答をしてくるのだろう。ダンナの部下たちは、今回のチェンジのつけで大変辛い思いをしているらしく、ダンナはその人たちの愚痴を聞きながら、本当に自分が去ってしまって大丈夫なのだろうかと倍増した悩みの中で苦しんでいる。

体重がここ18年間で一番最低を記録したそうだ。5ポンドどころではなく10ポンド近く減少しているので、早く今回の嵐がおさまり元気になって欲しい。
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リストラから教えられる人生 その6

2010-06-16 12:13:19 | リストラから教えられる人生
昨日、娘が去年とても仲良しにしていた友達から電話がかかった。

娘が本当に引越しするのかどうか確かめたかったそうだ。

娘は、そのことがショックで大泣き。繊細な娘は、人のうわさがどんどん無責任に広がっていくこと、人の不幸を面白く思ってしまう人間の嫌な面を敏感に感じとってしまったらしい。

本当に引越しするのかどうか、何もまだ分かっていないので子ども心に辛い思いがあるのだろう。

そして、父親が首になったといううわさだけが一人歩きするのも、可哀想なことだと思う。

しかし、子どもはタフな面があるので、きっと立ち直ってくれるだろう。

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ダンナが帰宅しようとした時、部下の一人がオフィスを訪ねてくれたそうだ。

今回の解雇にも関わらず、ダンナが冷静な態度で、人の悪口を言わないように努めている(私には本音で話すが)ということに、みんな感心していますよ、ということを半分涙ながら伝えてくれたらしい。

そう言ってもらって本当に嬉しかったと帰るなりに、ダンナは涙目で話してくれた。



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リストラから教えられる人生 その5

2010-06-15 15:03:39 | リストラから教えられる人生
ダンナはここ一週間の心労で、食欲が減退し、体重が5ポンド近くも減ってしまった。もともと、身長185センチもあるので、体重が減ってもそんなに見た目が変わらないが、見ていて痛々しい。

私の方はストレスや不眠の中でも食欲はしっかりあるというか、過食傾向なので、女性はやはりタフにできているのかもしれない。といおうかやはり自分が解雇の当事者だったら、もっと体の反応が違っていただろう。

ダンナは解雇のストレスだけでなく、自殺願望の強い部下のAくんのことが心配で、それがかなり重荷になっているらしい。

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ダンナの解雇のXーDayからずっと気分がすぐれないという理由で仕事を休んでいたAくん。非常に心配したダンナは、土曜日に電話を入れるが、応答がない。しかし今日は久しぶりに出勤した。

ダンナのボス(解雇を決めた人)のところにAくんは出掛け、今後自分のポジションはどうなるのか心配して聞いたらしい。Aくんは高卒という学歴のハンディとうつ病で欠勤も多いため、大学の大幅な財政カットの中、いつ自分が首になるかびくびくしていたが、ダンナはできる限り、彼が首にならないように配慮してきた。その盾となる人がいなくなることで、Aくんの不安も最高潮。

ダンナのボスは、一言「それはあなたの新しいボスになる人が決めることよ」と冷たくあしらったらしい。

Aくんはダンナのオフィスで泣き続け、非常に落ち込んだ様子だったらしい。ダンナはともかく「絶対死ぬことだけは考えちゃだめだ」と言い聞かせたらしいが、精神的に非常に不安定な状態。そういうAくんのかわいそうな姿を見て、ますますダンナの怒りがおさまらない。

Aくんは、自分の最愛のガールフレンドのことが心配だから、私が連絡して相談にのってあげて欲しいとダンナに懇願する。彼女は、去年ティーチングアシスタントとして私の仕事の手伝いをしてくれた人だが、無責任なことがあまりにも多かったので結局仕事をもう頼まないことにした。そういう微妙な関係だったので、果たして私が相談にのってあげられるだろうか?

10日後に日本の里帰りを控えながら、停滞している仕事の山を見つめながら、何を優先順位しにしたらいいのか分からなくなってくる。子どもの夏休みも先週の金曜日から始まり、ますます混沌としてきた頭の中で、今でこそ信仰が試される時と痛感する。

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リストラから教えられる人生 その4

2010-06-14 10:47:55 | リストラから教えられる人生
もやもや状態の頭の中が、今日になってやっとすっきり!

思考が回転し始めたので、まず溜まっていた洗濯を終え、掃除機をかけ、庭の鉢植えの花に水をやる。

午後にはダンナに食料品を買いにいってもらい、私はキャロットケーキを焼いてどうにか普通の生活に戻る。

さて、財政面ではこれからどうなるのだろう。

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アメリカに移住した最初の年は、ダンナは無職で、私は妊娠中&2歳の息子の世話という状態だった。しかし私が日本の短大・大学で10年以上働いた貯金とダンナも5年間日本の短大で働いて得た貯金があったので、それほど不自由することはなかった。

しかし、年数と共に貯金がだんだん減るにつれ、日本で生活していた頃からはかなりレベルを落として生活することを学んできた。たとえば

・洋服は、いくらデザインが気に入ってもセール品しか絶対購入しない。
・外食した場合は、夫婦一人で1品オーダーし、二人で分ける(アメリカのレストランは大皿なので可能)
・なるべくクーポンやセール、リベートを使って、日用品、化粧品などを購入。
・子どもの絵本や本は図書館で借りるようにする。
・お弁当をなるべく作り、学校や職場に持っていく。
・コーヒーなどは、なるべくお店で買わず、家から持参する。

所得がだんだん上がってきたここ数年でも、この節約精神はあまり変わっていないので、さてこれから一体さらにどのように生活費を切り詰めたらいいのか、考えてしまう。

・シェークスピアの食事の量を減らす(太りすぎなのでいいかも??)
・シャワーの時間を短くする(タイマーをかける)
・節約のレシピーに挑戦してみる(インターネットに沢山紹介されている)
・ショッピングにいく回数を減らす(必然的に出費も減る)
・ジム通いをやめ、シェークスピアの散歩のみにする(これはもう解約してきたのでOK)
・飲み物は麦茶とグリーンスムージーを中心にし、ジュースやソーダーを買わない

また思いついたら書いてみよう。。。






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リストラから教えられる人生 その3

2010-06-13 14:58:15 | リストラから教えられる人生
解雇された日から、毎晩のように夜中に何度か目を覚ます日が続いた。

「もしかして悪い夢を見ているんじゃないんだろうか」オットも同じ思いだった。

今日、娘に初めて打ち明かした時も、娘の反応は「これ、夢なんじゃないの?」激しくなきしゃくりながらショックを隠せない様子だった。

解雇の悲しみに浸っているだけでなく、前に進むために次の二つのことを同時にやり始めることにした。

1.新しい仕事探し。前にも話したが、タイミング的にはあまりよくないが、可能性がありそうな仕事に複数応募してみることにした。

2.腑に落ちない解雇。オットだけでなく、彼の部下たちも不安とストレスにさらされているので、やはり上訴してこちらの見解をはっきり伝えていく義務があるのではという新たなプラン。解雇の決定は変わらないだろうが、いかに理不尽な決定だったのかということを周りに伝達するべきではないかという思い。

たとえば、部下の一人のAくんはうつ病で自殺を頻繁に考える傾向があるため、オットが常日ごろから相談にのって励ましていたが、オットの解雇の日から体調の不調を訴えて3日仕事を休んでいる。

Aくんだけでなく、他のスタッフたちも次は自分の番ではないかという不安を抱いている。こんなに簡単に人を切るような体制では、次の仕事を探し始めるスタッフも出てくるだろう。そうすると、順調に運営していたオフィスの歯車が狂い、学生へのサービスも低下するだろうし、評判も落ちるのでという懸念。

隣人の大学副学長に今日、自分の解雇のことを前もって知っていたのかと聞いてみると、そうではなかったらしい。6月1日に赴任したばかりのオットの新しい上司が決めた様子。副学長いわく

「これから、彼女は自分の決断の後始末で苦しまなければならないよ」

こういったことが頭の中を渦巻いて精神的に疲れ果ててしまっているというのが、ここ数日の実感。やらなければならない仕事が全然進まず、焦りばかりで、それが新たなストレスを生み出しているのが分かる。せめて最低限の仕事だけはと思い、ペーパーの採点だけどうにかこなす。

これも一時的なものなので、来週になればもう少し元気を取り戻し、仕事と家事、子育てをこなしていきたい。


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リストラから教えられる人生 その2

2010-06-11 09:25:27 | リストラから教えられる人生
今日は娘の卒業式だった。全校生徒が体育館に集まって、卒業生の父兄や家族の人たちも交えて共にお祝いする。

まず卒業生が入場するシーンで、思わずほろっとしてしまう。一人ひとり名前を呼ばれて入場するのだが、ここまで大きく成長したのだという実感と、解雇のショックがだぶり、複雑な思い。

子どもたちには、まだ知らせていない。しっかり準備して話をしないと、子ども心に大きな不安を抱きながらこれから数ヶ月過ごすことになってしまうだろう。ドラマクイーンの(大げさに反応する)娘と変化の苦手な自閉症の息子。そして二人とも感受性が強く、思春期ゆえの不安定さもあるので、共に重荷を背負っていく準備はできているのだろうか。

今の息子と同じ年齢の時、ダンナの両親は離婚した。家庭で頻繁に起こる喧嘩、それぞれの再婚、引越し、再婚相手の子どもとの同居など波乱に満ちた思春期を過ごしてきた。さらにそういう時期に、同級生から頻繁なるいじめに会い、随分辛い思いをしたためらしい。対処方法として、自分の感情を鈍化させ幼少期の思い出を意図的に忘れようとしたそうだ。時々、小さい頃の話を聞くたびに、この人なぜ全然覚えていないんだろう、と思うことがあるが、そういう過去があるらしい。

離婚に比べれば、解雇は一時的なものなので、修復が利きやすい。しかしそのトラウマはどういうタイミングでどういう仕事が見つかるかにも影響される。

1ヶ月前に、家族みなで見たビデオ「トウキョウソナタ」がここ数日頭から離れない。リストラされた主人公は、家族にもそのことを話せず、職安に通い続け、結局ショッピングモールの清掃員を仕方なく勤めることにした。その彼の同級生は、同じようにリストラされたことを妻に隠し続けるが、最後には子どもを残して妻と無理心中する。

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娘の卒業式では、いろいろな方面で活躍した子どもたちの名前が呼ばれ、表彰状が配られた。算数オリンピックに参加した娘にも表彰状が配られる。本当は卒業式で、全校生徒の前で書いた作文を読む予定だったが(作文が選ばれて)、どうしても人前で話すのが苦手だと先生に訴えて役を降ろさせてもらったらしい。そういう内弁慶のところが気になる。人前で失敗したくないというプライドが高いのだろうか。

卒業式の終わりには、学区合同キャンプのスライドを皆で視聴し、キャンプソングを幾つか歌ってフィナーレとなる。最後には、かぶっている卒業式用の帽子を空に皆で投げるところがアメリカらしい。

式後、担任の先生にもしかして引越しするかもしれないということをこっそり話す。話ながら、また涙ぐんでしまいそうになるが、娘に気づかれないように手短に話す。

廊下でカウンセラーの先生に会う。昨日娘が受けたGifted Program(英才教育プログラム)の選抜試験のことを報告してくれる。娘は数週間前に受けた算数と国語の標準試験がそれぞれ98パーセントタイル以上だったので、あと知能試験か創造性の試験のどちらかが98パーセントタイルだと、プログラムに正式に入れてもらえるらしい。もしかして引越しするかもしれないことを話すと、うちの州の英才教育プログラム選抜の条件は厳しいから、これだけ高い成績を収めていれば他の州でも同じようなプログラムにきっと入れてもらえるわよとのこと。娘が引越しすることになればショックで落ち込むことになるかもしれないから、夏休み中でも都合がつけばカウンセリングをして欲しいとお願いしておく。

沈んだ思いで卒業式を迎えた私だが、同伴したダンナの心はさらに複雑で辛いものがあったらしい。学校の前に止めた車に入るなりに、「こんなことになってしまって申し訳ない」と涙するダンナ。こうなってしまったのは彼の責任ではないと、私も共に涙が止まらなかったが、男として家族を養う者として責任を感じる気持ちがとてもよく分かり、胸に詰まる。

今日、ダンナが卒業式で職場を午前中休んだ間、彼の部下の一人が勇気を持ってダンナの上司(解雇を告げた人)にこういうのはおかしいと抗議に行ってくれたと聞く。ダンナの部署には7人働いているが、みなショックで言葉がなく、怒りは消えず、涙を流して悲しんでくれた人もいたらしい。自分の部署の人たちがそういう思いでいてくれることで、少し慰めをもらったらしい。

こういう時、周りの人たちに大きく支えられていることを実感し、それを思うだけで胸が一杯になる。今日は3人の人がこういう仕事があるけどどうか、とメールを送ってくださった。見当ちがいの仕事もあったが、そういう風に探してメールを送ってくださるだけでもありがたい。また恵まれない開発途上国の子どものためのクリスチャンのチャリティーにこういう事情だからしばらくは援助はできないと電話をすると、「もし良かったら私たちの祈りのリストにあなたとご主人のことを祈りの課題として入れてもいいですか」と、聞いてくださった。その言葉を聞いたとたん、涙がとめどなく溢れてしまう。その私の反応を受けて、「実は私も去年解雇されたんですけど、新しい仕事がこうやって与えられたんです。絶対見つかりますよ。」と慰めてくれる。

ローマ人への手紙5:3-5
そればかりではなく、患難さえも喜んでいます。それは患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです。

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リストラから教えられる人生 その1

2010-06-10 11:27:57 | リストラから教えられる人生
どう書いてよいのか分からないが、自分の記録のために、また私たちの歩みが同じ経験をしている回りの人の少しでも助けになれば(といったらおこがましいかもしれないが)、正直に書いてみようと思う。

昨日の朝、10日間の学会から帰ってきたばかりのダンナのオフィスに、彼の新しいボス(2週間前に赴任したばかり)がやってきて、解雇を言い渡された。悪い夢を見ているかと今でも思うくらいの出来事だった。

私たちの大学は、州立大学ということもあり、去年から州の財政危機で学科やプログラムを廃止したり、自主退職を促したり、かなりの人員削減に取り組んできた。さらに新しい大学総長の方針で、過去3年間学長を初め、様々な部署のトップが左遷、降格、解雇を言い渡され、反面外から大学総長の目にかなった人が高額なサラリーで外部から雇われてきたことなど、その非人道的な人事にはダンナも不平不満を抱いてきた。

解雇の理由はリストラということで、ダンナの部署ともう一つの部署を統合し、もう一つの部署のディレクターがダンナの役職を兼務するという筋書きらしい。詳しい事情はここでは控えるが、新しいボスは何も説明してくれなかったらしい。

突然の出来事に、目の前が真っ暗になった私たちで、どうしたらよいのか、何から始めたらよいのか、動揺しながら一日過ごした私たちだった。

この時期というのはアメリカの大学では採用がほとんど終わっているため(新学期は8又は9月に始まる)、オットの専門分野で同じようなレベルの仕事は全くないし、家を売るピークの時期(1-3月)を逃してしまったし、引越しするには非常に時期が悪い。

3年前、ミズリー州からワシントン州へ嫌がる娘を引っ張って引越しした私たち。娘は不安やストレスのため、しばらくトイレが非常に近くなり、1年間カウンセラーのお世話になった。そういう娘は、今では信じられないくらい溶け込み、たくさん友達を作り、秋に地元の中学に行く日を指折り数えて待っている。

息子もこの地域で、ずいぶん成長した。ジャズバンドに入ってコンサートを頻繁に経験し、学業は目覚しい成績を治め、しかも学校の先生たちや学校が気にいっている。そして昨年には、特殊教育を卒業するまでに至った。この二人の子どもたちは、引越しによってまた振り出しに戻ってしまうのではないかと非常に不安になる。

昨日は、何人かの人たちと電話や直接会って話をした。事情を語り始めると、すぐ涙に詰まってしまったが、みな慰めながら、自分にできることがあれば何でも言ってねと声をかけてくれる。隣の副学長の奥さんは一緒に泣きながら、「今はその理由が変わらないかもしれないけど、きっと神様が備えてくださるから大丈夫よ。明日のことを心配しないで、1日ずつ考えていきましょう」と慰めてくれる。

神様がきっと備えてくださると自分に言い聞かせながら、心は怒りと不安と絶望感の入り混じった気持ちで一日を過ごす。親である私がしっかりしないと、子どもたちまでストレスで押しつぶされてしまうので、いまこそ信仰が試される時だと痛感する。

全ての経験や出来事が無意味に存在するのではなく、人の思いを超えた方のなせる業であると信じ、そういう願いをこめて、タイトルを「リストラから教えられる人生」と書いてみた。


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障害や問題行動を抱える子どもたちのための乗馬セラピー

2010-06-07 12:29:02 | 自閉症アメリカ教育事情

以前にも、ブログで何度か紹介しましたが、息子がしばらく参加した乗馬セラピーのビデオが製作されたようです。

息子がちらっと1分40秒、50秒あたりで登場してきます。

感覚療法、行動療法の双方の面からプログラムが考案されているようです。以前住んでいた州では、自閉症者のみを対象とした乗馬プログラムがありました。それに比べて、今回参加したプログラムは、多様なニーズを抱える子どもたちが対象です。

馬に乗るだけでなく、身の回りの世話、馬とのコミュニケーション、などを中心にプログラムが構成されています。

http://www.youtube.com/watch?v=uvHwqisW1jc&feature=player_embedded

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