キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

アメリカの大学で教えるということ

2006-09-30 09:54:25 | アメリカの大学で教える
英語が第二ヶ国語の私にとっては、アメリカでアメリカ人並みに仕事をしようとすると、時間が掛かって仕方がない。こちらで生活し8年になるが、40代半ばの私にとっては英語の上達は苦労を伴う。英語はナチュラルに身についていくものではなく、意識的に学んでいかないと上達しないものであることに気づいたのは、4年前だった。アメリカの大学で講義するには、ある程度のスピーチ能力が必要になってくる。大学のSpoken Englishの試験を受けて、結果がレベル2という評定をもらい、ショックだった。このレベルでは個人レベルの学生指導はできても、講義やディスカッションの指導はできないと見なされ、アメリカの大学生に教えるための準備クラスの大学院レベルのコースを一つ取らされた。アメリカに着たばかりの外国人大学院生に囲まれ授業を受け、プライドを傷つけられる思いもしたが、その苦い経験の後、単独でクラスを一つ持たせてもらっている。あれから4年たち、最近、もう一つ別のクラスを担当してみないかと声を掛けてもらった。教授会で採択するということで、履歴書と簡単なコース計画を提出した。こういうこともあり、また英語を勉強し始めている。
 話す英語だけでなく、書く英語もまた大変なものである。半年前、writing intensive courseのアシスタントとして一学期働かせてもらった。アメリカ人の大学生の書くレポートを添削する仕事である。自分の英語も覚束ないのによく勤まったものだと、振り返りながら思う。私が添削した英語を、夫にまた見てもらうという二重の作業だった。文法的にちょっと間違っていても、話し言葉としては通じるような英語を私が添削してしまうこともよくあった。学生からは幸いクレイムがつかず、ほっとしたが、こういう機会もあって、書く英語は少し上達したような気がする。
 こうやって語学で苦労している私を傍で見ながら、夫は、教えるというのは学生がどれだけ学んだかに焦点をあてるべきで、自分が学生にどのように評価されるかにとらわれるなとアドバイスしてくる。その言葉を聴いて、はっと目を覚まさせられる。アメリカの大学では学期末や学期の中間に学生による講義担当者の評価が行われる。評価のよしあしは、大きく左右され、首にもなりかねない。私はいつもおそるおそる評価表を覗き込んでいるが、そういえばいまだかつてどの学生も、私の英語力に文句をつけてきたことはない。そう考えると、夫の言うことはやはり正しいんだなと納得させられる。
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添い寝

2006-09-30 04:28:28 | 専門家が語るアメリカの育児事情
 子どもが小さい頃は、夜中に何度も目を覚まさせられる毎日だったが、小学生になった今でも、怖い夢を見たとか、眠れないとか、いろいろな理由で起こしにくる。これも、子どもが小さい頃、添い寝を続けた後遺症なのか、と時々考えることもある。添い寝はアメリカ人の夫との夫婦喧嘩の火種だった。
 こんな私は、ネコと添い寝するなどとは夢にも思わなかった。ネコのキキが我が家のメンバーになって以来、睡眠がますます取れにくくなってきた。寝室で寝ている私たちを夜中、ドアをカリカリ引っかいたり、トントンとたたいたりして起こしにくる。ドアを開けると、喜んでベットの上に飛び乗り、ゴロゴロ喉をならしながら、甘えにくる。寝ぼけ眼で頭やあごを数回なでてやるが、そのまま引き下がらず、私の顔や腕をペロペロなめ始める(不思議なことに、夫は一度もなめられたことはない!)。その後、どすんと私の体の上にのって、寝始める。
 添い寝は日本の習慣だが、普通はペットのネコや犬と添い寝するものだろうか?アドバイザーのアメリカ人の教授に話すと、信じられない!と私の甘やかしぶりに呆れられてしまった。随分前に親子の添い寝の日米の比較研究が行われたが、ペットへの対応の仕方の比較研究があっても面白いに違いない。ちなみに、この添い寝はヨーロッパ諸国などで見直されていると聞いたことがある。
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ハロウィン

2006-09-20 23:37:00 | アメリカ便り
ハロウィンが近づいてくると、うちのネコとおんなじ黒ネコにどのお店に行っても出会うことが多い。気味が悪かったり、お化けネコだったり、あんまりかわいくない黒ネコだが、つい目が止まってしまう。この写真のネコはTrick or treatに出かける時におやつを入れるのに持っていくカゴ。太っちょのネコだが、なかなか愛嬌があったので思わず買ってしまった。

クリスチャンである私たち家族は、ハロウィンを大げさに祝うことは避けている。かわいいコスチュームなどは着せることはあっても、家の前に墓石を置いたり、家のドアをガイコツや蜘蛛の巣で飾ったり等、行き過ぎたハロウィンのお祭りにいささか疑問を持っている。

Trick or treatは楽しいが、子どもたちは一年分に相当する位のカゴいっぱいのお菓子を持って帰ってくる。ハロウィンで儲かるのは菓子製造の会社と歯医者さんに違いない。そう考えて、お菓子じゃなくて、シールや小さなおもちゃを代わりにくれる家庭もだんだん増えてきた。消費大国アメリカを実感させる行事である。
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ピアノのレッスン -教育ママゴンの悩み

2006-09-11 12:06:29 | アメリカ便り
 夏の間お休みを取っていた息子のピアノのレッスンが9月から始まった。去年の秋より、お世話になっている息子の先生は、大学の音楽学部の男子学生。音楽の教授の息子で、しかも成績優秀ということでDean’s Listに名前が何度も登場するスグレモノの先生。でも子どもに教えるのは初めてだったそうで、慣れないながらも親身になって教えてくれるのが親にとっては嬉しい。

 私も小学校の1年生頃から、途中何回も休みながらもずっと10年近くピアノを習ってきた。クラシック音楽好きな父の影響もあって、モーツァルト、ベートーベン、ショパンなどの音楽を聞きながら、なんて綺麗な曲なんだろうと、子ども心に感動を覚え、いつか弾いてみたいと夢を抱いた曲が幾つもあった。今その自分の子どもが、モーツァルトのトルコ行進曲を聴いて感動したりする姿を見ながら、音楽は世界共通の言語であることを実感して嬉しくなる。

 しかし、ピアノの教え方は、国と時代によって違うらしい。息子のピアノのテキスト本は、最初からシャープが出てきたり、和音が出てきたりして、大丈夫かなと不安になる。クラシック路線で、と一応お願いしてあるので、信頼するしかないが、私の子どもの頃弾いていた曲とあまりにも違うのでショックだった。けれども昨日のレッスンで、今度からスケールをやりますよ!ということを聞いてほっとする。

 親にとって子どもにピアノを習わせて大変なのは、日々の練習。先生からは、 毎日30分練習するようにしてくださいと言われるが、こちらの根気が続かず、落ち込んでばかり。息子も私もすぐにかっときてしまって、喧嘩別れ。あまりにもびしびししごくので、「ママ、どうしてそんなに厳しくするの?」と息子に嫌われることもしばしば。嫌われながらも、やり始めた習い事、息子と二人三脚でぜひ続けたいというのが今秋の目標だが、どうなるやら!! 
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キャンプ

2006-09-08 12:53:56 | アメリカ便り
夫に言わせると、アメリカではLabor Day、Independence Day、Memorial Dayはキャンプに出かけるらしい。アウトドアのメッカで生まれ育った夫は、今でもキャンプ、ハイキング、釣りなどには目がない。夫が子どもの頃は、スリーピングバックを背負って、山道で星を見ながら宿営したようだが、そこまでの勇気と決意は私にはとてもない。妥協で、Pop-up Trailerといって、車の後ろに牽引していけるトレーラを数年前に中古で購入した。折りたたむと、ガレージに収納できるコンパクトなサイズ。テントを引っ張り出すと、2つのベットと台所、ダイニングテーブルと椅子つきが出てくる。ダイニングテーブルと椅子は、ベットにもなるという便利さ。私たちの中古トレーラは25万円(新品はもっと高い)と日本では信じられない値段で、アメリカでは大人気。

今回のLabor Dayには、友人家族と同伴で3泊4日でキャンプに出かけた。4台の自転車を車のラックとトランクに分けて積んで、トレーラーを後ろに引いてとなかなかの大移動。キャンプ場は比較的のどかで、子どもたちは広いキャンプ場で自転車を乗りまくったり、フリスビーやカードゲームをしたり、親子連れの鹿をウォッチングしたり、久しぶりに子どもらしい時間をすごす。平和なキャンプ場で場違いだったのは、音量アップでカラオケをしていた東南アジア系の家族の人たち。キャンプ場でカラオケとは、皆びっくり仰天だったが、本人たちは構わず夜遅くまで歌い続けていたことに、文化の違いを実感する。

楽しいキャンプが終わった後は、山のようなランドリー。泥だらけになった子どもたちの服やズック、シーツや毛布を含めて、洗濯機をフル回転。準備と片付けの大変なキャンプだが、キャンプ場の朝のすがすがしい新鮮な空気とキャンプファイヤーの薪の燃える香りには代えられない。
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自己紹介の宿題

2006-09-07 22:23:10 | アメリカ小学校事情
この紙袋の中に、下記の質問について該当するものを集めて来週の火曜日までに持ってきてください。

1.好きな色
2.好きなおやつ
3.好きな本
4.集めているものやするのが好きなこと

イマジネーションを使って、いろいろなものを考えて下さい。そうすることで、クラスのお友達にあなたのことを知ってもらえるからです。袋に入れるのに大きすぎるものは、写真に撮ったり絵に描いて、持ってきてください。


これは新学期が始まって二日目の日に、小学校2年生の娘にでた宿題である。娘は、CSルイスのナルニア国の本、えんぴつ、絵を描いた紙、ネコのキキの写真を袋に入れた。絵を描くこととネコと遊ぶのが、4番の好きなことにあたるらしい。まさかキキを袋に入れて、学校に持っていくのでは?と心配したが、そこまでの勇気はなかったらしい。:)

日本では、新学期早々、おやつを学校に持っていくことなどとても許されないに違いない。そういえば、初日は担任の先生が気を利かせてアイスキャンティを持ってきてくれて、みんなで食べたそう。

こういう宿題が出ることで、まだ緊張が残っている子どもたちの心もいささか和むに違いない。人前で話すのが苦手な子でも、こういうアイディアを取り入れることで、自分を表現しやすいことも考慮されているのかもしれない。
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