キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

研究チームの優秀な学生たち

2019-05-14 15:00:55 | 博士課程で学んで

私の研究テーマに興味を持ち、応援してくださっているスポンサーA教授のおかげで、優秀な学生たちと知り合うことができた。

その中で、二人の学生・院生を紹介したい。

1人は、Bさん。ヨーロッパからの移民だが、英語、ロシア語と母国語を含めて3国語に長けている。

大学を学部の最優秀学生として卒業し、GPAはほぼ4.0。

ところが希望している医学系などの大学院にスムースに入ることができず、ようやく3年目に今度はいくつかの大学院から奨学金を含めてオファーがきた。そのうち一つは、南のハーバード大学と言われるライス大学。授業料プラス奨学金がもらえるらしい。けれども近い将来、出産や子育てを計画している彼女にとっては、このような難関大学で子育てと学業を両立できるのかと迷い始めている。

ちなみにここ3年間、彼女の大学院願書に推薦書を書いてきたが、いつも驚かされるのはその準備の周到性。200ページ以上もあるポートフォリオを作成し、彼女のこれまでの学業成果だけでなく、志望している大学院プログラムとそこで自分がついて勉強したい教授のプロフィールまで含めている。大学院の準備にここまで掛ける人は、おそらくアメリカでも少ないのではないかと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次は、博士課程前期生のCさん。2年前より私のスポンサーにリサーチアシスタントとして雇ってもらい、私たち研究プロジェクトの統計処理をお願いしている。

彼女はもともとイランで医学部を卒業、医師として5年働き、アメリカに移住。医者の頃から、論文はかなり書いたそうである。アメリカに移ってから大学院に入り直し、今は博士課程前期生。

修士論文をもとに書いた論文が、最近かなり難関なジャーナルに「修正を条件に採択」されたようで、研究者として周りから期待されている人材。それだけでなく、その修士論文をもとに国際学会で発表した時、連邦政府のグラントオフィサーから直接声がかかり、ぜひ助成金応募してほしいとまで言われたそうで、私とは桁が違う研究者である。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こういう優秀な学生たちがいてくれるので、私の足りないところを補ってもらいながら、少しずつ成果を上げていきたいと願っている。


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

息子、企業からオファーをもらう

2019-05-12 22:09:11 | 自閉症アメリカ教育事情

この記事も、前回の続き。https://blog.goo.ne.jp/yokomam/e/446581a7871093dc3d64bf33de25053e

ニューヨークの会社から本面接の日程が決まり、おそらくニューヨークのこのリサイクリングの会社に決まるのではないかと思っていた最中、L会社からオファーが来た。

前回も書いたが、面接の最後に「君はindustrial engineer (産業エンジニア)とデータアナリストのどちらの仕事がしたいのか」と聞かれ、息子は迷ったあげく「データアナリスト」と答えた会社である。

これでもうドアは閉ざされたと思っていたが、そうではなかったらしい。連絡がすぐ来なかったので、もしかして企業が採用を希望していた学生がオファーを断り、そのポジションが空いたから採用してもらえることに決まったのかもしれないが、それにしても本当に、本当に良かった。

この企業は、国から委託で軍用機を作っていることなどもあることから、バックグラウンドチェックなどはかなり他の企業より厳しかったようだが(息子は日本で生まれているので)、お給料などは初任給とは思えないほどの金額がオファーレターに書いてあった。また一日10時間勤務すれば、その次の週は、3日間休めるなど、フレキシブルな勤務が可能らしい。

息子だけでなく、同じ学部のクラスメートもかなり採用されているようで、それはそれで心強いのかもしれない。

しかし万が一のことを考え、息子は予定通りニューヨークの会社への面接にも出かけることにした。結局のところ、お給料や住む町などよりも、どういう仕事を任され、どういう人が上司になるのか、将来性はあるのか、などを含めて、息子が最終的に決めるのではないかと思う。息子の長所を伸ばし、育ててくれるような会社であればと願うばかりである。

明日は、息子の期末試験の最終日。そして土曜日が卒業式。

Honors Collegeを卒業するので、メダリオン・セレモニーが予定されているらしいが、ニューヨークの面接を控えているので、出席を見合わせることにする。

「大学最後の試験だね」と言うと、「いや、そうじゃないと思う。ボクは大学院に行きたい」との返事。お給料の一部を貯金して、ぜひ希望の大学院で勉強してくれたらと思う。最近では、勤務しながら大学院を通う人が増えてきたようだし、企業によってはその資金を負担してくれる場合もあるらしい。

とりあえずのゴールは、自分の専門を生かせる企業での就職。夢まであと一歩である。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

就職活動に関する本人の努力については何度かブログに書いたが、親にとっても大変な道のりだった。サポートしてくれる機関がアメリカとは言え少ないため、結局は親の仕事になってしまう。これについては、別ブログで。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする