客員研究員の仕事が数週間前から始まった。
まず通勤。ドア〔家)からドア〔オフィス)まで約2時間。往復で4時間も時間が取られてしまう。
ここまで遠いとは思わなかった。家から通勤バスの乗り場まで車で10分。バスを列ついて待つこと約10分。通勤バスの所要時間は1時間10分。降りてから大学用の無料シャトルのバス停まで歩いて5分。シャトルがくるまで15分くらい待ち(すぐ来る時もあるが)、シャトルの所要時間は15分。シャトルの停留場で降りて研究室まで数分。時々、通勤バスが1時間30分もかかったり、シャトルの運転手が途中でトイレに行ったりする時は、30分もかかることがある。
もちろん通勤バスで仕事ができないこともないが、乗客の殆どの人は昼寝かアイフォンでメールやニュースのチェック。コンピューターを出して仕事をしている人は見かけない。私は時々ひざの上に書類を広げて読んだりすることもあるが、最初の20分くらいが限度で、アンダーラインなど引くにもバスが揺れてしまう。
通勤に時間が取られる分、研究室についてから仕事はかなり効率よくはかどる。大学へ毎日通わなくていいこともありがたい。
ここ数週間で、IRBに提出する書類づくり、研究同意書や質問紙づくり、日米比較研究の際、米国のどの検査質問紙が日本語に訳されているのか、どの版の翻訳なのかなど、調べたり日米の出版社に問い合わせたり、バタバタ過ごす。
もっとも新しい検査紙が日本語に訳されていないものについては、出版社からは、興味があったら訳してみませんかとの回答。しかしその場合も、私の訳をバックトランスレーションする人も必要だし、著作権の使用料も払わなければならないらしい。
その他助成金申請の関係で、大学のリサーチオフィスや学科長とのやりとり、日本での研究受け入れ先の依頼のやりとりなど、メールに追われる毎日。また学生の研究指導の仕事も少しずつ始まった。
これらは皆、助成金がもらえるまで、自己投資(給料がもらえない)の仕事だが、幸いスポンサーが連邦政府の助成金を数多く獲得し、しかもそれらの審査員をつとめているキャリアの持ち主なので、指導が的確でしかも早い。彼女に見放されてしまわないように、どうにかついていっているというのが毎日。
並行して、ずっと放っておいた博士論文を学術雑誌へ論文投稿するための準備が5月末から始まったので、その作業にも時間がかかる。博士論文のアドバイザーは、自分の親の介護で忙しく、ここ2年ほどほとんど論文の指導を受けることがなく、困っていたところだが、ようやくこの夏時間をとってもらえることになった。しかし私のこの共同研究の仕事が始まったばかりなので、タイミング的に2つをこなすのは難しい。
博士課程で勉強しているオットの夏コースの宿題の手伝いも時間がかかる。量的研究のコースだが、もともと数学や統計に弱いオットは、授業の内容が殆ど理解できないらしく、どうにか私も昔受講したコースを思い出しながら手伝っているという毎日。
グリーンスムージーで健康は守られているが、論文投稿とIRBへの提出が終わるまでは、気が抜けない。