キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

World Trade Center

2006-08-28 10:37:09 | 映画・本・テレビなどを語る
映画、World Trade Centerを見てきました。9月11日の同時多発テロ事件でワールド・トレード・センターにおける救出活動に当たった2人のニューヨーク港湾管理委員会警察の警官二人の実話を、オリバー・ストーン監督が映画化したものです。非常によくつくられた作品で、最初から最後まで夫と共々涙が止まりませんでした。被害の悲惨さはニュースで見聞きしたものより、リアルに描かれていました。恐怖と極限の痛みに戦いながら救出を待っている主人公の姿、自分の命をかけて人命の救助にあたった人たち、家族の安否を気の狂いそうな思いで待っている人たち、それぞれのドラマに胸を打たれました。

主人公のニコラス・ケイジとマイケル・ペーニャは、なかなかの演技力でした。特にニコラス・ケイジはなかなか味のある俳優で、どの映画に出ても存在力があります。彼に負けないくらいに、マイケル・ペーニャの演技も光っていました。

映画の後、夫はアメリカ人皆がこの映画を見るべきだと言ってました。どんなインパクトのある事件でも、年数が経つと人々の心から忘れ去られてしまいます。このテロ事件に遭遇した人たちのボイス(声)がこのようなかたちで、作品に残るのは非常に意味のあることだと思っています。
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Heat Dismissal

2006-08-27 23:49:54 | アメリカ小学校事情
 インターネットで天気予報を見るのが趣味である10歳の息子は、先週の木曜日の夜、「明日は学校、Early Dismissalみたいだよ」と嬉しそうに知らせてくれた。子どもたちの通う学区では、高温高湿の日は、Heat Dismissalということで早帰りになる。冷房完備のない子どもたちの小学校では、1時15分に終了、冷房のある学校や中高等学校では、2時15分、2時半、3時15分終了と複雑に計画されている。気温の高いHeat Dayだけでなく、積雪の多い日などはSnow Dayということで学校が休校になる。日本のように、「雨にも負ケズ、風にも負ケズ」というわけにいかないのは、訴訟の多い国、アメリカならではの悩みである。
 働く親にとっては、このようなEarly Dismissalは対応するのが大変で、ストレスになりかねない。この日は午後に実習先のスーパーバイザーとのミーティング、博士論文アドバイザーとのミーティングを予定に入れていた。12時15分に子どもたちを学校に迎えにいくと、長蛇の車の列。20分待ってやっと子どもたちを車に乗せ、夫のオフィスに子どもたちを連れていってから、1時に実習先とのミーティング。そのあと、キャンパスに引き返し、夫のオフィスへ子どもたちを迎えにいく。夫は2時から、絶対出席しなければならないミーティングがあるということ。次の私の3時のミーティングまで、子どもを引き回しながら、数々の用事を済ませる。3時10分前に、子どもを夫に渡して一件落着。チームワークがないとできるワザではなく、二人共、大切な用事がある時などは、夫婦喧嘩の種にもなる。夫の職場では、Consideration Timeといって、ドクターアポイントメント(本人だけでなく、子どもも含めて)や子どもの学校の行事に参加する時等の有給の休みが年間設けられている。産休や育児休暇制度の遅れが指摘されているアメリカであるが、こういったささやかな心遣いは、日本でもぜひ取り入れられると、助かる親たちも多いことであろう。
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博士課程で学んで

2006-08-23 04:55:33 | 博士課程で学んで
 アメリカの大学は、研究重視のユニバーシティと教育重視のユニバーシティとに大きく分かれている。現在私が所属するのは、前者のリサーチユニバーシティ。ということで、個人への評価も、論文の数や質によって大きく左右されてくる。

 博士課程の学生への研究手ほどきのためにResearch Practicumというコースが設けられている。2コース必修で、教授のもとでその研究に加担しながら、パブリケーションを増やそうというのが最終目的であるが、それに至らないことも多い。私の最初のResearch Practicumは、新米の教員の指導の下で行ったこともあり、莫大な時間をかけた割には、その苦労が実らなかった。主な作業は、親子のパズル問題解決場面を録画したビデオをもとに、育児態度を評価するものであったが、4人の評定者の得点が度重なる訓練を通してもなかなか一致せず、断念せざるを得なかった。

 次のResearch Practicumは、全米規模で行われたEarly Head Start Programの縦断研究データーを使わせてもらったこともあって、当初から研究のスケールと枠組みがしっかりしていたことが幸いしたらしい。私の所属する学部の分野ではトップジャーナルに投稿し、数回校正を重ねた上,昨日採択されたというメールをもらった。文献研究を始めてから、採択されるまで2年間であった。当初の予定と違って、私は第三著者になってしまったが 、考えてみれば同じ研究チームの教授たちの研究経験や文章能力がなければ不可能な出来事だっただろうし、この一連の研究の一部を担わせてもらったことは、感謝すべきことだと考えている。
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My Birthday

2006-08-20 10:52:05 | アメリカ便り
夏の暑い盛りに、誕生日を迎えた。日本の両親からはTシャツなどのプレゼント、夫と子どもからはPier1Importsのキャンドル立てとアスペンフラワーのちっちゃなキャンドルを娘の年齢の数だけもらった。7歳の娘に言わせると、アスペンフラワーは日本のお花の香りがするそう。

家のささやかなインテリアの中で、心を和ませてくれるのが細々と集めているキャンドルと籐のかご。キャンドルは、人を招待した時に、ディナーのテーブルや玄関に飾ったり、寝室に置いたり、お風呂に入る時に灯したりと、暮らしのエッセンスとして使っている。思わぬハプニング、たとえば突然の停電の時などは、ここぞとばかり、どの部屋にも一つずつキャンドルを灯して、役に立つこともある。けれども、キキのしっぽをこがしてしまったこともあった。キキは、灯してあったキャンドルの傍を素通りした時に、しっぽをじりじりと焼いてしまったらしい。

今日は一日、夫が食事をつくってくれた。朝は、りんご入りのオートミルのパンケーキとスターバツクスのコーヒー、昼はメキシコ料理でブリド、おやつにはファームで買ってきた新鮮な桃とサワードーブレッド、夜はインドネシア風の焼そば、デザートはDaily Queenのブリザードアイスクリームケーキと贅沢で栄養満点の一日だった。
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息子の誕生日

2006-08-15 11:01:55 | 自閉症アメリカ教育事情
 数日前、息子は10歳になった。二桁台の年齢への大きな転換を迎えたせいか、親目からは体も一回り大きく見え、心も昔以上に複雑に成長したように見える。
 去年の息子の誕生日は、腑に落ちない一日になってしまった。その半年前にある自閉症で名の知れたジャーナルに息子のことを縦断的にまとめた論文を投稿したが、不採択の知らせをもらったのが、偶然にも息子の誕生日だった。3人のレビューアーの判断は、不採択、修正または不採択、採択と大きく分かれてしまったが、結果的にエディターが出した答えは不採択だった。がくんと落ち込んだ私は、レビューアーのコメントを斜め読みにしかできないくらいに悲しかった。息子は、投稿前から自分のことが出版されるかもしれないと、心待ちにしていたので、その夢をかなえてあげることができない自分の無力さを痛感した。
 先日、久しぶりにレビューアーのコメントやエディターからの手紙を読み直してみた。時間がたったこともあって、内容が好意的、前向きに読み取れたのもあり、もう一度トライしてみようという気持ちになった。今度は、違うジャーナルへの投稿になるが、挑戦する過程が大切だということを肝に銘じて、気長にやっていこう。
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Piggy Bank

2006-08-15 07:35:49 | アメリカ便り
息子が5歳になった頃、息子のテーマカラーのオレンジ色のブタ君の貯金箱をIKEAで買った。あれから5年になるけど、貯金箱を開けたのは一回きり。底の蓋がただごとでは開かない頑丈物で、ある時銀行に持っていって、若いお兄さんに頼み込んで開けてもらった経験がある。娘のメキシカン調のブタちゃんは、OLD NAVYで買ったもの。底蓋が開きやすいのもあって、どんどん貯めたばかりのお金がチューインガムに消えてしまう。倹約家の息子と浪費癖の娘に逆の貯金箱を与えてたら、どのようにストーリーは展開したのだろうか、と考えてしまう。

Piggy bankに貯まっていくお金は、歯が抜けるたびにTooth Fairyから貰ったもの。お金持ちになりたい息子は、頻繁に鏡を見ながら、いつ次の歯が抜けるんだろうかと、心待ちにしている様子。そういう二人は、2年前、Tooth Fairyの真相を知ってしまった。Mommyが実はTooth Fairyだったと告白したからである。

ある日、抜けた歯をなくしてしまった息子はパニックに陥ってしまった。Tooth Fairyからのプレゼントがもらえないことがショックだったからである。軽度の自閉症の息子は、一度こだわるとこの世の終わりのように落ち込んでしまう。その姿を見て、マミーがTooth Fairyだから、心配しないでと告白してしまった。その時、二人の子どもは、「えっ?羽がないのにどうしてTooth Fairyになれるの?」と半信半疑だったが、時間が経つにつれてことの真相が分かってきたらしい。今では、「今度は歯の代わりに1ドル枕元に入れておいてね」、とファンタジーよりお金儲けの手段になっている。
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レーズンサンドクッキー

2006-08-13 09:55:06 | アメリカ便り
週末にレーズンサンドクッキーが食べたくて、日本のインターネットのレシピを見て、作ってみた。その手の込んでいること!まずアーモンドプードルが手に入らない。思いつきで、アーモンドをコーヒーミルで粉々にしてみる。なぜかべっとりした仕上がりになったが、アーモンドに間違いないから大丈夫と言い聞かせる。バタークッキーの生地を作った後、1時間ほど冷蔵庫で寝かせ、その間ラム酒入りのレーズン煮を作って、バタークリームと卵白のメレンゲを作ってと、こんなに手の込んだクッキングをしたのは久しぶり。そういえば、アメリカのベーキングは大きなKitchenAid のStand Mixerに次々に材料を放り込んでいけば誰でも作れるものばかり。クリスマスに、義母から毎年送られてくる手作りクッキーの詰め合わせは、食べていくうちにみんなおんなじ味に感じてくるのは、このアメリカ流ショートカットクッキングのせいだろうか?レーズンサンドクッキーのサクサクした感触とラムレーズンの深い味わいにホッとする私は、いつまでもどこまでも日本人です。

(写真の食器はIKEA,ランチョンマットはBED BATH & BEYONDで購入したもの)
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猫のしつけ

2006-08-11 07:46:34 | アメリカ便り
うちのネコのキキは、ともかく行動の予測がつかない、不意打ちの多いネコです。ごろごろ甘えてきたと思ったら、いきなりかみついてきたり、襲いかかってきたり、はらはらどきどきの毎日です。手にあまって、とうとうインターネットでcats,bitingなどで検索してみました。アメリカで生活しているネコは、アメリカ風にしつけをするのが妥当と考えたからです。すると、ネコにとっては、目の前でちらちらさせる人間の手は鳥に見えるとか、動きまわる足はねずみに見える、だから本能で襲ってくるのだと書いてありました。本当かな??半信半疑でさらに読んでみると、おもちゃで十分に遊ばせなさいとか、ぬいぐるみを与えなさいとか、子育てにも通じるようなことが載っていました。面白かったのは、Time Outするという提案です。アメリカの子育てや初等教育では、Time Outがしつけテクニックとして頻繁に使われています。年齢×1分が目安で、望ましくない行動をした時には、椅子にしばらく座らせられたり、自分の部屋で反省したりなど、お仕置きとして与えられています。中には、Time Outはお仕置きじゃなくて、子どもの興奮を覚めさせて、冷静に自分の行動を振り返るように導くべきだと説いている教育者も多いです。でも、ネコにTime outとは、初めて聞きました。行動主義の発祥地のアメリカならではの発想です。

(写真は1年前のキキ)
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Back to School

2006-08-11 01:46:42 | アメリカ小学校事情
3ヶ月も続いた子どもの夏休みもようやく終わり。8月は、新学期を控えて、洋服、シューズ、学用品の大セール。ちなみに学用品は、学校、学年ごとに指定があって結構ややこしい。これは、4年生のリスト。folders with prongs、composition notebook for scienceなんて、聞いたこともなくて、意味も分からなくて探すだけで、30分から1時間かかってしまう。:( 2年間キティちゃんのバックパックを使っていた娘には、おニューのバックパックをChildren's Placeで見つける。キャラクターを完全に卒業した息子には、ウォーターボトルつきのちょっと大人びたランチボックスをTargetで見つける。一通りそろってほっと一安心!!
あとは、私の授業の準備だけ。シラバスを来週あたりに作らなければ、とプレッシャーです。


Fourth Grade

2 spiral - 1 subject notebooks (wide ruled)
4 pocket folders with prongs
Pencils (3-4 dozen yellow #2)
Crayons (box of 24)
1 large box of tissues
2 glue sticks
Scissors
School box
Markers
Eraser
1 pkg. wide-ruled notebook paper
Pencil sharpener
2 1” 3-ring binders with pockets and
1 package of dividers
1 clear empty 2-liter bottle for science
1 composition notebook for science

NO trapper keepers
NO ink pens

Nice to have:

Contributions for classroom use of quart Ziploc bags or paper towels would be nice.

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節約

2006-08-09 06:38:02 | シンプルライフに惹かれて
とうとうガソリンの値段が1ガロン3ドルに高騰。4,5年前に1ドルだったことを考えると3倍の値段。交通費の手当てが出ないアメリカでは、ガソリンの値上げは家計の大きな痛手。夫は、エクスサイズも兼ねて毎朝自転車で往復22キロを自転車で通勤。40度の暑さの中を汗だくで自転車に乗る精神力はただものではないと、妻ながら思う。

私のできる節約は?と考える。なるべくショッピングに行かないこと。買い物はまとめてすること。遊びに出歩かないこと。シンプルに生活すること、などなど考えてみるが、名案が思いつかない。今まではウォルマートなど安売りスーパーマーケットで買い物をしていたが、ドキュメンタリー映画「Wal-Mart: The High Cost of Low Price 」を見てから少し考えが変わってきた。全米ならず世界各地に広がるチェーン店のモノポリゲームの背後には、数多くの人たちの犠牲と怒りがあることを始めて知った。そう考えると、安いから、便利だから、という理由で購買する自分たちのあり方も反省させられた。ナカナカ答えの出ない難しい問題です。
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ハミングバード

2006-08-08 21:29:54 | アメリカ便り
コロラド旅行で知ったハミングバードの存在。砂糖水を栄養としているせいか、やたらに飛び回り、落ち着きのないのが鳥にしては珍しい。夫に子どもに糖分をあげすぎるとハイパー(興奮状態)になるとたしなめられたことを思い出す。
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