よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

今真っ盛り、キンモクセイ ギンモクセイ

2018年10月29日 | アメリカ通信
今、我が家は甘い、心地よい香りが家を取り巻いている。昔からよし坊の好きな花の香である。今年は今までで最高の香になっている。

3年くらい前だろうか、前庭を一か月くらいかけて綺麗にした後、白い花を付ける銀木犀を2本植えたのだが、1年して一本は育たなかった。育った1本もその後は少し花を付けるだけで、香りも漂うところまではいかなかった。

その後、銀木犀を一本買って前提に植え、今年の春はキンモクセイ1本、銀木犀1本を裏庭にも植えてみた。裏庭のはまだ物足りないのだが、前庭の二本は今鈴なりの花を咲かせ、漸く植えた甲斐があったと実感できるところまできた。

花や木を植えて育てるのは、なかなか難しい。毎回、アバウト精神でやっているから、順調にはいかないが、それでも花や実がつくと、何か報われたような気がする。

子供も草木も”育てる”という意味では同じなのだとつくづく思う。

ウッドワードの ”Fear” から読み解くトランプとその政権

2018年10月21日 | アメリカ通信
ウッドワードの”Fear”を読み終えた。トランプとその政権、側近達との攻防はドラマチックであり、トランプが”異例”と言うよりは、極めて”異質な”な大統領であることが伝わってくる。

トランプは高校に籍を置いてはいたものの、教育で金儲けの方法を教えてくれるのか、そんなのくそくらえ、と早々と自分の才覚で金儲けのネタを探す生き方を始めている。そして不動産業で巨万の富を積み重ね、独特の嗅覚で超ワンマン経営者としてのし上がってきた。金儲けの為には、プラスのものは徹底的に優遇し利用するが、ひとたびマイナスになると判断すると「You are fired」よろしく即刻首を切る。それは大統領になっても変わらないから、様々な軋轢を起こすことになる。本には新聞テレビのニュースで少しだけ顔を出した話の裏側が語られており、それらはいずれも興味深いものであるが、語られている中で興味深いキーワードがある。Free-for-allとYou are fucking liarである。

ご存知のように、政権発足以来、ホワイトハウスを取り巻く環境は混乱に次ぐ混乱である。任命された長官や側近が次々と辞めたり、軋轢を生んでいる。初代の首席補佐官プリーバスは一年6か月でお払い箱になったが、辞めた後に語った表現が面白い。”トランプは側近にずぶの素人の4人を配置した。選挙戦で功績のあった評論家のケリアン・コンウェイ、フィルム屋のバノン、極め付けの娘イバンカと婿のジャレッド。この4人は弱みに付け込んで他人を利用・食い物にするプレディターのように廻りをかき回し、さながら今のホワイトハウスは、仕切りのない檻の中に蛇、鼠、ハヤブサ、ウサギ、サメ、アザラシを一緒に放り込んでいるようなもので、混乱きわまりない”。
そして、国務長官だったティラーソンが辞める時、混乱状態をchaosではなくfree-for-all、収拾困難な大混乱、と最強の表現をしている。混乱のホワイトハウスを立て直す、と自薦でトランプに任された軍人上がりの後任ジョン・ケリーも早々の蚊帳の外に追いやられ、トランプ自身が自分で取り仕切る以外になく、それは終わりのない混乱を意味している。

もうひとつはYou are fuckin'liarだ。さしづめ”お前は稀代の大嘘つきだ”がふさわしいだろう。トランプの看板文句、You are firedのようにクビを切られた者や、それを察知して事前に辞表を提出して辞めた者がほぼ一様に残した言葉はこれである。トランプに纏わる様々な問題の解決に皆奔走するが、その過程で重要なポイントを嘘で固めていることを、皆感じ取っている。辞める時、良い辞め方をしていないから、このセリフとなる。面白いエピソードがある。ある高官が辞表を提出した。トランプとの関係は悪くはなかったが、お互いにその関係が疲れてきた時期であった。辞表は週中に提出され、いろいろな影響を考えて、公表は週末にしようと双方合意し、本人は帰宅の途に就いた。ところが家に着くと奥さんが飛んできて、”あなた、辞めたの?今ニュースでやってる”。本人は(え?)である。そして、You are fuckin'liar!。トランプは気にくわないと、その場でツイッター発信したり、懇意にしているメディアの担当者にスクープと称して平気でリークするのだ。

物事を進めるのにはルールがあり、ホワイトハウスも例外ではない。ところが、超ワンマンで来たトランプは、大統領でもそれが出来ると思ってか、尽くルールを無視する。決めたいことがあると、ルールを無視して文書作りを指示するから、心ある周囲のスタッフからみれば、危険な大統領と映る。そこで、彼らは書類が作成されても大統領に届かないようにいろいろと画策するのである。一種のサボタージュであるが、このおかげでトランプがサインするところまで至らず大事にならなかった案件がいくつかあるという。

もうひとつ、トランプに特徴的なのは、トランプ流の主義主張に凝り固まっており、他人の意見やアドバイスに聞く耳を持たない、聞こうともしない、ということだ。それでは、トランプはどんな情報で自分の考えをまとめているかと言うと、毎日朝4~5時間テレビのニュースや情報番組を見て考えるらしい。だから執務室に現れるのが午前11時以降となる。見るニュースも批判的なCNNは見ない。トランプ擁護のFOXで気持ち良くなるのだ。だから担当長官(日本の大臣)やスタッフが懇切丁寧に教えたり、説いたり、反対意見を述べても、言わせるだけ言わせ、最後に”聞き飽きた”とバッサリ葬ってしまうらしい。ある時から「トランプは14-5歳の知能しか持ち合わせていないお頭の大統領だ」という話が広まっていった。
  
アメリカ人は常に威勢の良い、強い大統領を求めるフシがあるが、トランプはどうもそれとも違うような気がする。


ルディ・ジュリアーニの光と影

2018年10月05日 | アメリカ通信
ルディ・ジュリアーニと言えば、世界にその名を刻み込んだのは、あの9・11であった。2011年のその日、マンハッタンのワールド・トレードセンター2棟が崩壊し、その後の復興の荷を背負ったのが、当時のNY市長、ジュリアーニであった。抜群の知名度を上げた彼は、その後、大統領予備選にも名乗りを挙げ(残念ながら前立腺癌を宣告され撤退したが)、そして今、トランプの顧問弁護士となっている。

前任の顧問弁護士がしょっ引かれて以来、なり手がなかったのか、突然ジュリアーニが顧問弁護士に名乗りをあげ、以来、メディアに出まくり、尽くトランプ批判の事例を徹底して擁護している。顧問弁護士だからと言えばそうなるが、それにしても、あのジュリアーニがここまで?の感がある。しかし、ウッドワードのFEARの一説にトランプとジュリアーニの関係が一言記されていた。曰く「かつてジュリアーニはトランプに金銭的に助けてもらったことがあり、それが負い目になっている」。成程、そういうことだったのか。

司法の世界で腕を上げ、後にNY市長選で見事当選を果たし、9・11の手腕で頂点に達したジュリアーニだが、私生活もなかなかのものである。3度の結婚離婚をしている。3度の離婚も途中で好きな人が出来ての離婚だから、そちらのほうもかなりお盛んである。恐らく離婚による慰謝料も相当な額であったはずだ。
9・11の処理が一段落ついた一年後に3度目の離婚をし、次期市長選に出馬しなかったのは、大統領選を視野に入れていたからであろう。しかし、病気治療で撤退した後、弁護士・コンサルタント業へと転じていった。

NY市長であったこと、トランプもNYを牙城にビジネスを手広くやっていたから、接点は山ほどあったろうと推測される。そのどこかで、ジュリアーニは金に困り、面倒を見てもらったのであろう。これらの事を考えると、ジュリアーニが唐突に世間の前に出てきた訳ではないということだ。

普段、ニュースの裏側を読み取るのは難しいものだ。