よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

昭和の足跡(17)テレビとプロレス

2020年09月28日 | 昭和の足跡
小学校の頃は家にはまだテレビはなかった。家から数分の五日市街道の角にパン屋があって、そこにはテレビがあり、路地からでも観れるようにしてくれていた。そのテレビで初めて観たのがプロレスである。プロレスの時間になるとそこには人だかりが出来ていた。

戦後の日本人が生活の中で、何か「希望」を求めていた時代、颯爽と力道山が現れ、庶民を魅了していく。アメリカとの戦争に敗れた日本人は力道山がアメリカのプロレスラーを空手チョップでなぎ倒す様に喝采し留飲を下げていた。力道山とプロレスは当時の日本人に元気を与えてくれたのは間違いない。

力道山を筆頭に初期は相撲界からの転身が多く、次いで柔道界が続いた。タッグを組んだ遠藤幸吉がいた。火の玉小僧吉村道明、そして豊登、芳の里など。大木金太郎は頭突きで席巻した。その後、ジャイアント馬場、猪木が続いた。

それにしても、戦後の”日本興し”に半島出身者の力道山が一役かったのは、興味深いことだが、現在の半島情勢は北も南も酷いものだ。力道山も泣いていよう。

心に残る言葉 ー ココ・シャネル

2020年09月21日 | アメリカ通信
Nature gives you the face you have at 20. Life shapes the face you have at 30. But at 50 you get the face you deserve.

先達は数々の名言を残しているが、この一節もファッション界のビッグネーム、シャネルを興したココ・シャネルの残した言葉である。

この一節に出会ったのは、まだ日本に居る、80年代の後半だろうか。愛読していたTIMEのファッション欄にシャネルの特集があり、出会った一節である。以来この言葉を折に触れて思い出し、時の移ろいを感じてきた。

ハタチ(二十歳)に象徴される時代。高校生から社会人になる手前の、屈託のない躍動感に溢れている時期。若い人達の顔は弾けそうなくらいの若さでいっぱいである。女性は化粧などしなくても、自然な美しさが顔に表れる。30の声を聞く頃。仕事を得て、あっちにぶつかり、こっちでコケながらも、少しづつ人生の喜怒哀楽の流れに漂い、それらが一つ一つの年輪となって、顔に刻まれていく。そして節目の50を迎えた頃、その人の顔には、それまでの越し方の人生のもろもろが凝縮した集大成のかたちが映し出される。その顔にはゆるぎがないのだろう。齢50にして漸く一人前の人間になれる、そうココ・シャネルは言っているのであろう。”化粧”という外側のの世界に生きながら、女性だけでなく、人間の本質的な美しさというのは、積み重ねられた”内なるもの”から滲み出てくる、と言っているように聞こえる。


ボーイング腐敗の構造

2020年09月16日 | ビジネス横丁こぼれ話
優れた会社と言えども、腐敗の芽と無縁ではない。巨大組織の中では、下部の意見は無視され、思わぬ方向に誘導され、その結果、事故が起こることがある。

かつて世界の空はボーイングとダグラスが二分していた。そこに欧州のエアバスが参戦、ダグラスはボーイングに吸収された。ジャンボ機で世界を席巻したボーイングも長い時間と共に腐敗が静かに進行していたようで、記憶に新しい737MAXの2件の墜落事故で明らかになったのは隠蔽腐敗の構造であった。

新しい航空機が空を飛ぶには自動運行を可能にする運航ソフトが運航シミュレーターで確実に機能することの認証を受けるとともに、それを操縦するパイロットはそのシミュレーターで既定の訓練を受けることが義務付けられている。
ところが、新しい運航ソフトの開発とそれに基づくパイロットの訓練は、ボーイングにとって大きなコスト負担となる。このコスト負担を逃れ、新鋭機を一刻も早く世に出そうと、ボーイングはとんでもないシナリオを考え、会社全体を誘導していった。そのシナリオとは、 ① 737MAXは既に世界中で飛んでいる従来の737型機の改良バージョンであり基本は737型従来機のソフトで問題なく運航可能。 ② 従ってシミュレーターによる新たな訓練は不要、とした。新しい機種でありながら、”従来型の延長”としてプレゼン、まんまとFAAを煙に巻き認可を取り付けた。そしてインドネシアとエチオピアで墜落した。

開発途上の現場では同僚間で様々な会話が飛び交っていた。事故調査委員会が入手した内部メールやテキストメッセージから現場の危機感が窺える。
① 「機体デザインはクローンがしたが、それを監督してたのが誰だか知ってるかい?猿だよ」 この会話から新機種にはデザイン上問題があった事が窺える。事実、認可以前に、ある条件下で機首が上に向き、墜落すると指摘されていた。
② 「この飛行機に家族を乗せたいと思うかい?俺は絶対乗せない」
③ 「FAAに対するプレゼン、誰が聞いてもチンプンカンプンだ」

新運航ソフトでシミュレーター訓練した社内のベテランパイロットは”乗りこなすには相当な訓練が必要”と具申したが、その声はかき消された。新運航システムでの訓練の重要性を極度に矮小化して認可を受けやすくし、利益を優先し人の命を二の次としたボーイング。やがてツケは回ってくるだろう。

共産主義国家の脅威

2020年09月01日 | ビジネス横丁こぼれ話
”世界の工場化”した中国に世界中が依存し、日常生活に中国品が溢れているから、我々は中国が「一党独裁の共産主義国家」だということを忘れがちだ。
ついに香港が英中返還協定で保障された地位が事実上反故にされてしまった。これで次の最優先ターゲットは台湾であり、南西諸島を含めた沖縄がその次にくる。沖縄の米軍基地反対運動に中国の影が見え隠れしている。

1980年代筆者が中国商取引で経験したのが張り巡らされた共産党の監視情報網だ。商談先の公司(会社)では相手は必ず複数で、その中に監視者が入る。工場では、工場長は技術屋だが副工場長が党派遣の監視役だ。タクシーの運ちゃんしかり。ホテルでは各フロアーの隅に監視役が常駐していた。それは今でも変わらない。外国企業の常駐者や出張者を監視し弱みを握り、いざという時の脅しのカードに使う。進出企業は常に人質となりうる事を認識しなければならない。

6月、ペンタゴンは中国・人民解放軍のコントロール下にある問題企業として、あのファーウェイを含む20社のリストを公表した。共産党や人民解放軍からプロが送り込まれ、表向きの企業活動を通じて情報入手・世論操作を行う。問題企業は公表20社に留まらないだろう。こうして深く静かに海外の縄張りを広げていく。正業を装ったフロント企業と裏で画策する暴力団の構図だ。

数年前からオーストラリアでは中国人進出と土地あさりが問題化していたが、豪政府は漸く彼らの活動が国家安全保障に影響すると認定し、中国友好政策を捨て、戦う姿勢を鮮明にした。対中輸出減少覚悟の転換だ。

日本でも既に中国人の北海道の土地あさりは有名だが、それだけではない。何かと問題な朝日新聞は、人民日報との濃厚な協力関係から”人民日報日本支社”と揶揄されており、朝日の反日的とも言える報道をみれば頷ける。更に問題なのは、何と中国国営テレビである中央電視台(中央テレビ)の日本支社がNHKの中にあるではないか。人民日報と並び中央電視台は中国共産党の対外宣伝の重要機関である。公共放送を標榜するNHKが半分乗っ取られているようなもので、これでは中国に都合の悪いニュースなど到底報道出来まい。日本の安全保障に関わる由々しき問題のはずだが、一向に問題化しない日本とは一体どんな国なのだろうか。政治に覚悟が見られずメディアは堕落の一途を辿っている。