よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

無神経な脚本家とテレビ局

2014年01月23日 | いろいろ
孤児院が舞台、ポストというあだ名とイジメのストーリー。これだけのキーワードを見ただけで問題が起こることは直ぐ分かる。有名な赤ちゃんポストの病院がテレビ局に抗議をしたのは当然で十分に納得が出来るものだ。それにしてもテレビ局とドラマを書いた脚本家はなんと無神経だろうか。倫理観が欠如している。

一方ではテレビ等のメディア媒体を”公器”などと居丈高に言い放つその裏側では、無神経で倫理観が欠如している連中が視聴率と言うお題目一直線に箍を外しているように見えて仕方が無い。

今の時代、イジメ社会であることの認識が甘すぎる。特に弱者、即ち未成年層のイジメはこの十年二十年大きな、深刻な社会問題になっているのを知らないわけではあるまい。ちょっとした事が簡単にイジメに直結する現代。分別のつかない子供を対象にした場合、相当慎重な判断が不可欠だろう。

アメリカで同様なドラマがあったとしたらどうだろうか。特定の機関や施設が簡単に連想される場合は連想されないような工夫や変更がなされるだろう。また、テーマが誤解されやすければ、番組の冒頭に「親のアドバイスが望ましい」という趣旨のコメントが入る。訴訟の国アメリカ、と恐れられるが、それがあるから皆慎重になる。

注意を喚起するコメントを入れるだけで問題が解決されるわけではないが、少なくとも当事者がそれを意識しているという意思表示である。日本のテレビ局がそういうことに通常配慮しているのかは分からぬが、知っていて今回の問題が起こったとすれば相当悪質な体質だと言う事の他ならない。もし、そうした配慮が通常無いとしたら、これまた成熟した社会ではあってはいけない事で、そのテレビ局は相当レベルが低いことになる。

節度を保ち自らの行動を律することの出来る日本人。昔からそう言われてきた。果たして今そうであろうか。営々と築いてきた”内なる行動規範”を戦後の何処かで置き忘れてきてしまったのではなかろうか。そうであるならば、外からのルールでどんどん縛っていくしかないのである、アメリカのように。日本もそういうステージに来ていると思う。

ブリッジゲート・スキャンダル

2014年01月14日 | アメリカ通信
政治のスキャンダルは日の目を見なければそれまでだが、ひとたび公になると手がつけられなくなる事が多い。最悪の事態は当事者である政治家の政治生命に決定的なダメージを与えることだ。そんなことを予感させるようなスキャンダルが勃発した。

マンハッタンに隣接するニュージャージー州の共和党知事、クリス・クリスティの側近が、昨年の州知事選挙キャンペーンを前後して、クリスティに賛同しないフォート・リー市の民主党の市長への嫌がらせとして、市が管轄するマンハッタンへの動脈のひとつ、ワシントン・ブリッジを意図的に混雑させた事が明るみになった。

この、クリス・クリスティという政治家がよし坊の目を引いたのは、知事に当選した時の紙面に2016年の共和党の有力大統領候補として紹介された事だけではない。今までの大統領候補としては肥満である事と、それ以上に直感的に思ったのは、面相がどうも胡散臭いのだ。これが大統領候補? アブナイ政治家で思い出すのはニクソン政権の時の副大統領アグニューだ、これも相当アブナイ政治家であった。

それにしても、側近中の側近ではあるが、一存で危ない橋を渡るであろうか。いかにボスに傾注していたとしてもだ。

日頃のボスの言動や思想の意を汲んで物事を図る、ということはある。日本の政治の世界でよくあったのが、秘書が親分の意を汲んで裏でダーティな仕事をして、発覚したら秘密を抱えて棺桶へ直行して闇に葬る事だ。いかにもウェットな日本社会のことである。

合理的に、自分と家族を中心に考えるアメリカ人が、ボスの為に何の保障も無くリスクを冒して仕事をするとは考えにくい。動機は何だろう。側近にまで昇進しているから地位ではないだろう。状況からして金でもないだろう。この側近が女性であることから、下司の勘繰りがでてしまう。男と女? 

真相はまだ闇の中だが、当分目が離せない。

癌とは闘うべきなのか

2014年01月07日 | いろいろ
ヤシキタカジンの死が報じられた。誠に残念である。しかし、手術後に復帰して再び休養に入ったと聞いた時、もう無理だろうな、と言うのが偽らざる思いであった。

癌にもいろいろあるが、完治可能な癌は今もって少ない。早期発見が叫ばれ、医者も患者も格闘しているが、数ヶ月、数年の延命はあっても根治には相当な距離があると素人ながら思うのである。

癌が話題になる度にワイフと話す事がある。それはあたかもお互いの意志表示を確認している作業のようなものなのだが、癌になったらお互いどうするか。今のところ二人とも同じ方向である。”癌になったらジタバタしない。手術による延命は止める”のが我々二人の考えである。但しそれには条件があって、痛みを和らげる為の処置を医者から受ける。これが無ければのた打ち回る事になるからだ。これが可能ならば残された時間でやりたい事をやろう、と言い合っている。

父親は68歳の時肝臓がんが見つかり余命6ヶ月と診断され、手術をしたもののきっちり6ヶ月でこの世を去った。手術後も病院を出る事は無く、最後は管に繋がれ最後を迎えた。病院任せの6ヶ月より家族との一ヶ月の方が遥かに意味が有ったのではないかと今になって思うのだが、当時はそこまで頭が回らなかった。だから、自分の時はそうしたいと思う。




アメリカで住むならジョージア か?

2014年01月05日 | アメリカ通信
新年、のっけから大寒波ときた。明日月曜からは記録的な寒さになるという。テキサスや中西部、そして北東部のニューイングランド地域にかけて既に相当な被害が出ている。

毎日気象情報を観ていると面白い。特に雲の流れを観ていると、決まってテキサス辺りから北東方向、即ち、オクラホマ、アーカンソー、ルイジアナ。アラバマをカバーしてテネシー、オハイオを通り、ニュージャージー、ニューヨーク、そしてニューイングランド地方へと流れて行く。もうひとつの塊はカンザスからイリノイなど、中西部とその北のウィスコンシン、ミネソタの元々寒い地方。テキサスなんかは冬でも暖かそうに思うが、おっとどっこい、気流や前線の流れからするとそうでもないらしい。

それにしても、自然の驚異には脱帽するわけで、住むところによって天国と地獄(やや大袈裟だが)になる。

冬の災害以外にも地域によっては考えないといけないことがある。例えば西海岸。気候や気温という意味ではマイルドで恵まれているが、この地域も悩みがある。夏の自然発火による山火事が実に多い。加えて環太平洋の一部を形成している関係上地震が忘れた頃にやってくる。サンフランシスコやロスアンジェルスが被害に遭っている。

退職後人生に人気のあるフロリダはどうか。ここも、夏になるとハリケーンが襲ってくる、所謂ハリケーン銀座である。フロリダだけではない。発生したハリケーンがメキシコ湾を目指すとアラバマの西部、ミシシッピ、ルイジアナ、そしてテキサスが決まってハリケーンの軍門に下る。そして、これが大西洋側へ向かうと、決まってノースカロライナ沿岸からニュージャージーまで被害を及ぼす。

こう見てきた時、これらの被害から遠ざかっているのがジョージアとサウスカロライナだろう。もちろん、ジョージアはサバンナ、サウスカロライナはヒルトンヘッドという大西洋に面した都市があるが、他に比べ影響は少ない。

今住んでいるところを殊更自賛するつもりはない。ジョージアもたまにトルネードがタッチダウンする。それでもトータルで考えると、サウスカロライナと共にジョージアは住むには程よい州なのではないか。

恐怖のSuitcase Letter

2014年01月01日 | ビジネス横丁こぼれ話
普段聞きなれない言葉だが、俗にそう言われている。国家安全保障省管轄下で国境警備及び税関管理を任務としているImmigration & Customs Enforcement(ICE:通称アイス)が発行する召喚状である。これを受け取ると身の回りの物を詰めて24時間以内に指定された空港に出頭しなければならない。出頭すればそのまま飛行機に乗せられ本国に送還させられる。スーツケース・レターと呼ばれる所以である。不法滞在者にとってはDeportation、即ち国外退去を命ぜられる、最も受け取りたくない手紙である。

9.11事件以来入国審査や国境警備の強化を図ったにもかかわらず、自由と繁栄の国アメリカを目指す外国人は後を絶たず、結局現在までに1100万人の不法滞在者を抱え込んでしまった。
ICEによると、2012年の国外退去数は約41万人にのぼり、この10年で倍増したという。国別動向に特徴的傾向を見ることが出来る(以下、2001-2009 ICEのデータによる)。
最多の10万―100万人超ではメキシコを筆頭にグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル等、中米諸国が名を連ねる。とりわけメキシコは130万人と群を抜いている。次の1万―10万人のグループではブラジル、コロンビア、ドミニカと、南米諸国が名を連ねる。因みに、日本は最小グループに属し、当該期間での国外退去は791人とある。

デトロイト・メトロ空港の火曜日。毎週ここから客席を一杯にした飛行機が一機飛び立っていく。先日もその飛行機に乗るはずだった3児のアルバニア人の母親のニュースが話題となった。Suitcase letterを貰ったこの女性を支援する弁護士やサポーター達が「子供から親を離すとは酷い仕打ちだ」と騒ぎ、当局は一年間の滞在猶予を与えざるを得なくなった。しかし、こうした“大岡裁き”にも似た温情措置は稀で、全体の8%に過ぎない。
このニュースからも分かるように、不法滞在者の多くはアメリカで生まれた子供を持つ親である。政治的迫害や貧困から抜け出る為に危険を冒して希望の国アメリカを目指す。国籍に出生地主義を適用しているアメリカならではの現象である。

そのアメリカで出産が急増しているのが中国人で、西海岸の空港に降り立つ団体がやたら目立つという。かつて、中国人が目指した先は同じ出生地主義をとるカナダであったが、そのカナダが最近中国人の移民にブレーキを掛け始めたためだろうか、“目指せアメリカ”ツアーが一種のブームになっている。

移民対策。移民によって建国された国故の宿命であろうか。