よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

Peter BergenのManhunt(ビン・ラーデン追跡10年ドキュメント)

2012年06月28日 | アメリカ通信
オサマ・ビン・ラーデンに直接インタビューした、西側では数少ないジャーナリストであるPeter Bergenの手になる「Manhunt, The ten year search for Bin Laden from 9/11 to Abbottabad」(拙意訳「Manhunt 9・11からAbobottabadへ、オサマ追跡の10年」)と題する本が出た。当時のニュース報道では到底分らない内幕が克明に記されており、大変興味深い。もし日本で訳本が出たら是非おススメしたい本だ。因みにこちらでは定価26ドル、割引で21ドルだった。

この本は、危機や一種の戦時的ミッションを行う時の国のリーダーや軍のリーダーがどう動いたのかが克明に描かれており、情けない日本との対比で読むと参考になる。また、世界の警察を自認する米軍の強さが半端ではないことを教えてくれる。そういう軍組織も、常にベストで機能してはいないこと、それを見事に再生させるのは、やはり優れたリーダーシップを発揮出来る個人の存在が大きい事を教えてくれる。

ビン・ラーディン追跡は軍事行動でもあるし、外交問題でもある。従って直接的な重要閣僚とは大統領、国務長官、そして国防長官である。日本で言えば、首相、外相、防衛相である。このやり取りも迫力があって興味深い。印象的なのは、しかし当然なのだが、国務長官も国防長官も意見は異なれど、いずれも直接的に問題にコミット出来るプロフェッショナルだという事だ。これを日本の3人に当てはめてみるとぞっとしてしまう。日本の某元防衛大臣達のように、自分は素人だとか、原稿を棒読みするしかない大臣とは全く違う。もし、あの国会答弁等を彼らが見たら、同盟国日本とは、一体いかなる国か、と問いたくなるだろう。

9・11からの10年、2010年からの急展開、そして運命の2011年5月1日までの緊迫の8日間の動きを皆さんとシェアしてみたいと思う。次回ブログより4回か5回のブログで本の跡をを追ってみたい。

Justice does not always prevail with the better team, but・・・

2012年06月25日 | サッカー
ユーロ2012もノックアウト・ラウンドに突入し、よし坊も過熱気味である。

サッカーで何が可哀想かと言うと、シュートアウト(PK戦)で勝敗を決めざるを得ない試合だ。このシュートアウトでは過去いろいろなドラマがあったはずだ。いつもは華麗にゴールを決めるエース・ストライカーが肝心のPKで外してしまう。天を仰ぎ見る者、或いは両手で顔を覆う者。その瞬間スクラムを組んでいた同僚たちが一斉にうつむく。サッカーで、このシュートアウトだけは観たくない光景だ。

FIFAも過去、この面白くない決め方の打開を目指し、ゴールデン・ゴールだとか、シルバー・ゴールだとか工夫はしたけれど、決め手にはならず、結局シュートアウト決着が大勢をしめている。勝負がつくまで時間無制限でやらせろ、等という無茶な意見もあるが、妙案は無い。

昨日のイングランド・イタリア戦は、このシュートアウトになってしまった。0-0で延長戦を終えたが、どちらが優勢だったかは明白で、イタリアが終始試合の実権を握っていた。柔道の判定基準が許されれば、”優勢”でイタリアの勝である。が、これはサッカー。

イタリアが先に外す。不思議なものだ。その後、イングランドのアシュレイ・ヤングが外してしまう。そして、イタリアのGKブッフォンがイングランドのアシュレイ・コールを胸で止めた。コールが外したのではなく、ブッフォンが止めた事が大きい。女神がイングランドから顔を背けた瞬間だろう。

今までも、圧倒的に優勢だったチームが必ずしもシュートアウトを制する訳ではなかった。
しかし、Justice does not always prevail with the better team, but today was different. そんな試合であった。

POO太郎を追放せよ!

2012年06月22日 | アメリカ通信
これはプー太郎の話ではない。犬のPoo(糞)とその飼い主の話である。

どこの社会にも、マナーの良い人と悪い人はいる。それが現れるひとつが犬のPoo処理であろう。

犬の散歩で、処理袋を持たない飼い主は当然確信犯だ。持ってる飼い主でも、必ず処理するとは限らない。単に見せているだけの連中もいる。

普段気をつけようにも、四六時中外を見張っているわけにはいかないから、いつの間にかされていて、その都度腹を立ててしまうのだが。よし坊は犬猫の類を含めペットを飼うことを好まないので、Pooなどされると、その怒りは倍加する。

Pooをされた日にゃ、数日干からびるまで放置し、干からびたところを袋にいれ(これはいつもワイフがやるのだが)、その後に買ってある犬猫動物排除スプレーを周辺にたっぷり撒く。効果はって? 撒いても翌日またされる、というのが答えだ。いたちごっこの追いかけっこ。それでもスプレーが無くなれば、懲りずに買ってくる。

同じような思いをしている同輩に、朗報がもたらされた。
テネシーにある会社がアパートやサブディビジョン等の住居コミュニティ向けに、PooのDMA鑑定を実施し、どの犬がPooをしたかの特定をしてくれるサービスを始めていると言う。ビジネスを立ち上げてまだ間もないらしく、現在の費用は一サンプルで100ドル弱。もちろん、決して安くは無いが、このビジネスが広がればもっと安くなるだろうし、期待が持てそうだ。この会社、既に海外でも顧客を掴み、その一つがシンガポールだという。さすが、Litteringにうるさい国だから商売になるわけだ。

近代兵器のDNA鑑定でPoo太郎をやっつけられる、といのが何ともCoolな話ではないか。

40年前の今日 ニクソン崩壊の始まり

2012年06月17日 | アメリカ通信
今日のUSA TODAYに40年前の今日、後のアメリカの精神構造を大きく変える出来事が起こった事を特集している。

40年前の今日、Watergateにある米民主党本部で外部侵入者の一団が捕まった。これが世に言うWatergateスキャンダルの始まりである。その一週間後、時の大統領ニクソンと補佐官ヘルドマンは隠蔽工作を相談、CIAから調査主体のFBIに対し圧力をかけようとした。その後の調査で、この時の会話が録音されていたので、連邦裁判所はニクソンに対しテープの開示を求め、事の真相が明るみに出た。こうしてニクソンは二年後に政治の世界から消えるのである。

現代史のアメリカにおいて、国を変えた出来事が二つあるという。ひとつはベトナム戦争の敗戦である。アメリカの歴史上、初めて敗戦を味わった戦争である。その後何年にも渡る社会の精神的崩壊で、強いアメリカが揺らぎ、自信をなくしていったと言う。

もうひとつが、このWatergateスキャンダル。それまで「政府」は国民には嘘をつかないと信じていた大多数の国民は、この事件で大いに裏切られたと感じ、彼らに対する見方を根本的に変える流れが出来上がったと言う。この事件の教訓を活かし、その後、政府機関の議事録の全面公開を義務付けるSunshine Actや、公僕の資産及び職歴の全面公開を義務付けるEthics in Govornment Actを立法化し、その透明性を上げて行った。

これらの効果は相当上がったが、それでもまだ足りないという。何が足りないか。それは、国民の更なる興味と、投票による国民の権利の行使で優れた政治家を選ぶ努力だと言う。

厳しさでは定評のアルアメリカでさえ、今なお、より厳しい方策を模索している。翻って、日本はどうなんだろうか。

その国の政治や政治家が三流ということは、国民が三流であることに他ならない、と言った知識人がいたが、グサリと来る言葉だ。

Hush Puppy?

2012年06月14日 | アメリカ通信
先日、ノースカロライナのアウターバンクスにワイフと二人で旅行をした折の事。

グルメ日本人にとっての、アメリカ内旅行での最大の問題は食事につきる。旨いものにありつけない。ありつける場所と言えるのはルイジアナしかないだろう、と言うのが我が家の評価である。従って、晩飯は殆どホテルでの自前持込だ。晩飯といっても、酒盛りなのだが。ビールとウィスキーを用意し、ツマミはカップ焼きそば、イカ薫、その他酒の肴になりそうなもの。以前はこれに握り飯を持っていったが、カロリー過多なので、今は廃止となった。一泊ならこれで済むが、問題は二泊以上の時となる。どこかで食べねばならない。と言う事は外食になるのである。一応行けそうなジャパレスを探すが、入りたくなるような店は今時皆無。そういうわけで地元のレストランで我慢しなければならない羽目になる。

アウターバンクスでシーフードレストランに入った。せいぜい対象となるのが魚のグリル、焼いたやつだ。ワイフは貝柱の何とかというので、よし坊はマヒマヒのBlackenedを頼んだ。

よくイタリアンに行くとガーリックブレッドがついてくるように、この店ではボールのドーナッツがホカホカでサーブされた。そういえば昔小さい頃、家で似たようなのを食べたものだ。しばらくしてウェイトレスがボール状ドーナツを見ながら「More Hush Puppies?」と聞いてきた。あまりのうまさにカロリーなんのその、魚が来る前に殆ど食べてしまった。さすがに断ったが、「ハッシュパピー?俺の知ってるのは、あの靴のハッシュパピーだが」。

とうもろこしパンのボール状ドーナツの事をハッシュパピーと言い、主としてアメリカ南部で食べられ、更に主としてシーフードレストランで出されると知った。これでまたひとつ、勉強になった旅である。

危惧していた事だが、、、中国大使

2012年06月11日 | いろいろ
あの元鈍カン首相がサプライズの心算で任命したのだろうが、商社建て直しで知名度を上げた著名ビジネスマン氏を事もあろうに、中国駐在の日本国大使に任命した時は、そのうち舌禍が起こらなければ、と秘かに危惧していた。が、とうとうやってしまった。

およそ、問題の発言は、外交の前線にいる外交官のものではなく、間違いなくビジネスマンとしてのバックグランドからの発言に思えてならない。そこには、国体維持というよりも、商売優先の想いが強く反映されているようだ。

そもそも、日本にとって極めて重要な意味を持つ中国に、職業外交官ではなく、単に経済活動、即ち商売で中国市場に大きな力、シェアを築きあげた有名商社の社長会長歴任者を任命したところに最初の間違いがあり、これは、任命者の責任が大なのは明白だ。

民間からの大使任命が悪いとは言わない。日本に限らずそんな例はある。さしたる問題もなく、ただただ友好を維持すれば事足りる相手であれば民間出身も良いだろう。カリブ海に浮かぶバハマの駐日バハマ大使は名優シドニー・ポアティエである。常駐はしていないが、必要なときには天皇に接見する。しかし、中国は近年にますます難題をふっかけてくる、世界の問題児である。相手の国を考えろ、と言う事だ。

中国進出企業は、人質の側面がある。尖閣がらみで、フジタの社員が受けた仕打ちは記憶に新しい。現中国大使の出身商社も同じ事。中国からのあからさまなプレシャーがこの商社に有るのか無いのか。有ってもおかしくない。仮に有ったとして、そのプレシャーに対し、あのような発言で緩和を意図する事は、シナリオとしては考えられる話だ。経団連が中国大使の発言は不適切、と談話を発表したが、本音は経済活動において中国から圧力をかけられたら相当困るのである。

昨年だったか、ロシア駐在の大使がロシア大統領の北方領土視察予定をモニター出来なかったことで、政府は忘れた頃のこの大使を更迭したのだが、その時でも政府はこの大使に事情を聞くために一時帰国させている。今回の中国大使の発言は、うっかり騒動ではなく、確信的積極発言なので、外務大臣の電話での厳重注意では済まされないレベルだろう。即刻一時帰国させた上での厳重注意を何故しなかったのか。中国に対するメッセージの意味がまるで違ってくるからだ。

どんなに功績のあった人でも、思わぬところで晩節を汚す。やはり、人間、名誉には腰がふらつくのかも知れない。

恥を忘れ不感症になった日本人

2012年06月07日 | アメリカ通信
吉本芸人の生活保護不適切需給の問題はいろいろな事を考えさせられる問題提起だ。おかげで、親族とは、親等とは、を改めて勉強する機会となったのは、この事件のお陰である。

生活保護受給が不景気を背景に急増したことは以前から報じられており、その中には遊興費に使っている例が少なからずある事も周知のことであったが、一族郎党が皆受給者であり、その姉に至っては内縁の婚姻関係で受給しているとなると、これはもう、プロ並みの手口と言われても仕方あるまい。たまたま、ひとりの需給がうまくいったので、他の親族も悪乗りしたのか、それとも、ひょっとしたら所属の会社の誰かがそういうヒントを与えたのかもしれない。

昔、小学校の頃だが、クラスには一人や二人、生活保護を受けている子がいた。よし坊のクラスにも女の子が一人いた。我々もそれほどいい物を着ていたわけではなかったが、やはりその子の身なりはみすぼらしく、子供心に、ああはなりたくないと思ったもんだ。やはりそこまでいくのは恥ずかしい、と。だから頑張る。仮に生活保護を受ける対象になってしまったら、親はむしゃらに働いて、早くそこから脱却し、元のレベルに戻そうとするに違いない。

しかし、今は恥じるどころか、”法律に触れさえしなければ何をやっても良い”風潮がすっかり出来上がってしまい、「恥」などはどこかに飛んでいってしまった。逆にそういう制度があるならば、モラルや常識を無視してでも、それをうまく利用して利益をせしめる事が”賢い”と言う考え方が常識化してしまった。

いつの世にも、いつの時代にも、そういう不逞の輩は存在するのだが、遠い昔、東洋の外れにあった日本を訪れたポルトガルの宣教師が、「日本人は極めて高い教育水準を持ち、恥の文化を背景とした節度ある振る舞いを日常とする類まれな民族」と感嘆せしめた日本の姿は、今見事に崩れつつある。

制度というのは、出来上がった時が謂わばスタートなのだが、作るのに精一杯で、後の運用に手を抜くからいろいろ問題が起こる。役所は制度を一旦作ったら、改変する事を嫌い、不備があってもひたすら杓子定規に運営してしまう。それを直すのは政治家の務めだが、彼らの器量には大疑問符が付く。だから多くの制度が、穴の開いたままザル状態となる。

以前、アメリカの困窮者援助のプログラムを少し調べた事がある。困窮者の最優先は日々の食事である。そのひとつにフードスタンプがある。収入状況に応じて金券が支給され、食料品スーパーで限定使用できる。これを貰う為には確か毎月、いろいろな証明をしなければならない。手続きが毎月となると受け付けも大変だろうが、申請する方も大変だ。しかし、本人の死活問題となればやるしかない。加えて金券だから、日本のようにパチンコに行くような遊興費には使えない。万全ではないにしても、よく考えている。その点、例えば日本の子供手当ては何だろう。金券にして使途限定にすれば話は簡単だが、なぜそれが出来ないのか不思議で仕方が無い。なんと甘い国なんだろうか。

「節度をもった極めて道徳的な国民」というお目出度い認識がどこかにあるとしたら、もうその考えはそろそろ捨てる時だろう。悲しいが、人は悪い事をするものだ、と言う前提で対処する時代なのだと思う。

サッカー雑感

2012年06月04日 | サッカー
チャンピオンリーグとオリンピックの狭間で、世界中で国際試合が行われ、次の関心は、ユーロ2012とU20女子W杯だろうか。

王者スペインに挑んだ韓国と中国。韓国は1-3の完敗だったのに対し、中国は0-1の惜敗だった。いよいよ中国が地力をつけてきた感じがする。特にこのところの中国クラブへは欧州アフリカのツワモノ達が助っ人や先生格で移籍しており、中国は技術の習得に余念が無い。

当地アメリカでは注目のブラジルーUSA、ブラジルーメキシコ戦が立て続けに行われた。伯米戦ではブラジルが、4-1の圧倒的強さでアメリカを叩きのめしたのに対し、伯墨戦ではブラジルが0-2で完敗した。アメリカはブラジルの若獅子ネイマールをとめる事が出来ず簡単にバックスを破壊されていた。アメリカサッカーがもう少しきめの細かいパスでの前線突破を身に付ければパワーアップに繋がると思うのだが、相変わらずの課題だ。一方、メキシコは中南米特有の細かい芸当に慣れているから、あとはネイマール含めたブラジル勢の流れを寸断する事が決め手と見たのか、ボールを積極的に奪い、彼らに仕事をさせなかった印象だ。先制点はジオのうまい山なりシュートがゴール右上に収まり、あれではキーパーも取れまい。ジオとチチャリートの二枚看板が活き活きしている。

アジア最終予選の日本ーオマーン戦。日本がもっと強くなるためには、本田の先制点の後に、「一気呵成」の勢いが出ないとだめだろう。早い時間で先制してホッとするのは分るが、素人のわれわれには、一息ついているように見える。それにしても、昔に比べて安心して観れるのは、サムライ・ブルーもレベルが上がったということなのだろう。

予防注射

2012年06月01日 | アメリカ通信
もう、年の半ばで一年がやけに早い。この頃の日常は、ただひたすらに、家のメンテの毎日なり。長年見向きもしなかったツケを一挙に払うかのごとく、デッキのペンキ塗り、壁補修等等やる事満載で、その都度小道具を買い揃え、だんだんメンテが楽しく、次は何をしようかと寝る前に考えるひと時が、これまた楽し。裏庭がこれまた雑草だらけで、雨降り後は、きれいになった所があっという間に元通りになるから、草取り担当のワイフも大忙しの図。

このところ、めったに無いFlesh eating bacteriaの被害者がジョージアで三件発生。世に風土病あり、で日本には日本特有のばい菌があろうし、アメリカとて同じだろう。草取りや、ガーデニングをしていれば、指の切るし、どんな知らない菌にやられるかも知れぬ、と いささか怖い気もする。

というわけで、何年も前に効力が切れた破傷風の予防接種を思い出し、朝イチで、ワイフと保健所に行くことに。家から車で10分。受付で申請し、破傷風ジフテリア百日咳三種混合のワクチンを接種。一人33ドルは、ちょっと高い気もするが、罹らんよりマシか。これで10年は安泰だが、10年後といえば、齢75。おいおい、そのころアッシはまだ息をしてるんやろか、などと考えなくもないが、取り敢えず、次のワクチンショットを目指していくしかあるまい。