よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

春到来、根っこと格闘する毎日

2016年03月24日 | アメリカ通信
春到来し、ガーデニングがシーズン・インとなった。予てより4~5年で死ぬと言われていたフロントヤードの大きなメープルの木を業者に切り倒してもらった。その跡地をどうするか。まずは植えたいと思っていた金モクセイを一角にうえてみた。後は一応芝生を敷く予定だが、掘り起こしをせねばなるまい、と切り倒しの後から作業を始めて3週間が経った。写真が現在の状況である。

使う道具はシャベル、手斧(大)と鍬とツルハシが一緒になったようなマトック。

掘り始めてみたが、大中小の値が360度縦横無尽に伸びていて、兎に角一つ一つほぐすように取り除いていかねばならない。毎日これの繰り返しだ。

鍬や斧を振り上げながら、かつての北海道開拓民やブラジル移民の方々は、毎日こういう事をしていたのだろう、そんなことを思いながらの毎日である。もちろん、よし坊のそれは、彼らの万分の一のしんどさに過ぎないのだが。

大方4分の3くらいは終えたであろうか。地面に出ていた根は粉砕してもらったのだが、地中に残った根元が直径40センチ強ある。これをどう始末するかが問題だ。コツコツ斧でかじっていくしかないか。

今年前半のビッグイベントである。

今年は早い 桜満開

2016年03月20日 | アメリカ通信
今年の桜は早い。我が家の桜は白っぽい桜だが、今年は今までで一番綺麗に咲いたように思う。つい二三日前までは蕾だけだったが、一挙に開き、少しづつ散りかけている。

日本に居れば、弁当持ってゴザ敷いて、とやりたいところだが、そんな光景は”今は昔の物語”かもしれない。

この分だと、この週末に行く予定のコニヤーズの桜は見ごろかも知れない。日系企業のお陰で会社の跡地に今でも豪華な桜並木が並んでいる。この数年はうまく天気が合わなくて機会を逃していたが、はてさて今年は天気はどうだろうか。

早いもので、もう今年も4分の一を終わろうとしている。

何故FIFAは暴かれたのか (5完) 激震

2016年03月19日 | サッカー
2013年11月25日。マンハッタンにあるブルックリン裁判所でブレイザーに対する非公開の裁判が行われていた。罪状認否で、彼は1998年のW杯開催国決定過程で他のFIFA役員と謀って賄賂を受け取っていた事、更に2010年の南アW杯開催国決定に絡み、多額の賄賂を受け取っていた事を認めた。

裁判長は、ゆすりたかり、資金洗浄、税金回避等合計10の罪状で最大100年の判決を言い渡した。FBIとIRSによる合同調査が結実したのであるが、アメリカ司法当局はこれを一区切りとして、最後の本丸への仕上げにとりかかって行く。

2014年9月、オバマ政権の司法長官エリック・ホルダーの辞任に伴い、オバマはNY東部地検検事のロレッタ・リンチを指名した。議会で承認されれば、黒人女性初の司法長官の誕生である。2015年4月、議会は承認し、司法長官ロレッタ・リンチが誕生した。

2015年5月27日、FBIとIRSを従えた異例の記者会見に会場がリンチのアナウンスを待っていた。こうして、ブレイザーとCONCACAFと言う、アメリカの地からFIFA腐敗を糾弾する狼煙が上がったのである。FIFAのお膝元であるヨーロッパの誰も、まさかアメリカから狼煙が上がろうとは思ってもみなかったであろう。時同じくしてスイス当局はFIFA本部を急襲していた。

長らくヨーロッパでは手が付けられなかった伏魔殿FIFAに漸くメスが入ったのである。(完)

何故FIFAは暴かれたのか (4) IRSの参戦 (ESPN報告書による)

2016年03月14日 | サッカー
カリフォルニアのIRS(米国国税局)オレンジカウンティ支所海外犯罪チームにスティーブ・ベリーマンがいた。幼少期の一時期英国に住んだことのる彼は、サッカー狂で、いまだにサッカーをフットボール(アメリカではフットボールはアメフトを指す)と呼んでいた。2011年8月、彼が購読している英国の新聞 The IndependentにFBIがブレイザーをマークしているとの記事がすっぱ抜かれていた。これを追いたい、即座に彼はそう思い、FBIマンハッタンのランドールへ電話を入れた。見も知らぬIRSの一職員からの突然の唐突な電話にランドールは面食らったが、上司のガエタと相談し、彼の話を聞くだけでも聞いてみようと、マンハッタンの事務所に来てもらうことにした。ベリーマンは捜査には金の流れの証拠を掴むことが不可欠で、IRSなら国境を越えての不正金の流れを国際金融システムで追跡出来ることをアピール、この瞬間FBIとIRSによる合同チームが誕生した。

ベリーマンは早速調査に着手した。まず、高額所得者であるにも関わらず、2005年以来税務申告をしていない事実が判明した。更に、シティーバンク、バンクオブアメリカ、メリルリンチ、バークレイ等のブレイザーが持っていた銀行口座から金の流れを追いかけ、トンネル会社を通して、過去20年間におよそ2000万ドルを不正にポケットに入れていたことを突き止めた。FBIとIRSのチームは勢い付いた。

この頃、CONCACAF内でも大きな進展があった。FIFAによるブレイザーに対する内部調査の結果、”クロ”と認定され、この年2011年11月30日に全ての役職を解かれた。

この日から数日後、ブレイザーは不意の客を迎えることになる。FBIのランドールとIRSのベリーマンである。彼らは逃れられない証拠を次々と突き付け、ブレイザーは観念した。そして、間髪入れずに、NY東部地検は司法取引に持ち込み、彼を情報提供者に仕立て上げる。FIFAの本丸に迫るには、ブレイザーはどうしても欠かせない駒だったのである。

ランドール達の捜査は既に1年半にも及んでおり、FBI内部では時間が掛り過ぎるとの批判が出始めていたが、2010年から二度目の東部地検検事長を務めていたロレッタ・リンチ(後の黒人女性初の司法長官)は、雑音に惑わされず、徹底的にFIFAを追い込むよう特殊班をバックアップしていた。もしロレッタ・リンチがこの時この場所に居なかったら、ブレイザー止まりの捜査で終わっていたかも知れない程、彼女の存在は重要な意味と持つ。

こうした力強い援護のもと、FBIはブレイザーの身体にマイクを装着させ、主だったイベントやターゲット人物との会話録音を集めていく。期近な大舞台は2012年のロンドン五輪である。主要関係者がロンドンで一堂に会するという、願ってもない機会であった。こうしてFBIは小さい情報を一つ一つ繋げて証拠固めをしていった。2011年12月の司法取引から2013年11月までの2年間で彼がFBIで極秘聴取を受けたのは19回にも及んでいた。

なでしこは負けるべくして負けた。

2016年03月08日 | サッカー
2011年にW杯を手にし、その余勢をかって翌年のロンドン五輪では二位の成績を残した日本女子サッカーなでしこが、今年のリオ五輪の切符を”もろくも”逃してしまった。”もろくも”である。決して”惜しくも”ではない。そのことに協会や監督は気付いているのだろうか。

以前、W杯を手にした後、よし坊はこう書いたことがある。「このW杯優勝がなでしこのピークでなければよいのだが」。そうならない事を祈りながら、心の隅では”このまま下降線をたどるだろう”と思っていた。

ロンドン五輪では間違いなくW杯の余勢で二位を確保し、その後も成績上は”無難”であったが、唯々”無難”の一語で、出ているメンバーはいつも同じ、躍動感に欠け、いつかその日が来る事を確信していた。そして、案の定、その日が来ただけに過ぎない。日本と言う国もそうだし、日本の組織もそうであるように、途轍もないショックでも無い限り、日本では思い切ったチェンジは出来ない構造がある。その意味で、もっと早くショックが来るべきだった。断っておくが、”いつも同じメンバー”ということで選手を非難しているのではない。選手はあくまで選ばれる立場だから、出ろと言われれば出る。問題なのはその状況を作る協会と監督だ。


世界はアグレッシブなくらい、どんどん変わっているのに、なでしこはW杯以降”昔の名前で出ています”的状態で来てしまった。メンバーが固定的なら当然パターンも研究され読まれてしまう。チーム全体が過去の成功体験に支配された時、思い切ったことをするのが監督であり、選手選抜に有言無言の力を持つ協会だが肝心の彼らが過去の成功体験に固まっているから何も出来ない。なでしこ衰退の最大の問題は、将来を見据えた世代交代に手を抜いたことだろう。チェンジを嫌い手を拱いていた協会と監督の責任は大きい。有力新人が居なかったと言うかもしれないが、本当だろうか。保守的になり、使う勇気が無かったと言われても致し方あるまい。

ここに世代交代の有無を示すひとつのデータがある。世界のトップであるアメリカとドイツ、そしてアジアの強豪オーストラリアの今年の2011年の登録メンバーの新旧選手の変化である。数字は正直だ。

アメリカは2011年当時のメンバーは6人しか入っておらず残りは新顔である。ドイツも6人と同じである。オーストラリアは当時のメンバー8人が現在も入っている。さて、日本は、と言うと、実に13人が”昔の名前で出ています”なのである。これでは、単発的に一人二人の新人を使うとはいえ、GK除いた10人を”昔の名前”で使ってしまう。
スポーツの世界はチャレンジの世界だが、それを司り(協会)実戦指揮をする(監督)上層部が全くチャレンジをしなければ、何にもならない。可哀想なのは選手である。

遅ればせながら来たショック糧に是非ドラスティックなチャレンジをして欲しいものだが、さて出来るだろうか。かつてアメリカと双璧をなしていた中国の”その後”がチラついてならない。


何故FIFAは暴かれたのか (3) FBIの本格捜査 (ESPN報告書による)

2016年03月06日 | サッカー
サッカービジネスに魅了され、巧妙な賄賂と着服の伏魔殿をFIFAに作り上げたのがチャック・ブレイザーなら、今回のFIFAスキャンダル捜査に活躍した一人がサッカー小僧のFBI捜査官であった。

ジャレッド・ランドールは子供のころからサッカーを始め、高校、カレッジとサッカーを続け、卒業後FBIへ入局した。2010年初め、アメリカで暗躍する旧ソ連の犯罪組織の摘発を専門とするマンハッタンの特殊班へ配属される。捜査の過程で、2018年のW杯開催国がロシアがらみで札束が飛び交っているという噂があちらこちらで聞こえてくるようになり、上司のマイケル・ガエタと共に、小さい噂を一つづつ繋ぎ合わせる作業に着手した。そして、証拠は無いが、ロシアがW杯ホスト国獲得の為に賄賂攻勢をかけているのではないだろうか、との結論に達した。こうしてFIFAの内偵を始めると、FIFAの最高意思決定機関であるEXCO(24人委員会)メンバー達の並外れた高額給与、大判振る舞いの出張経費が目を引いた。更に、W杯開催国決定がEXCOメンバー達のさじ加減ひとつで決まっているらしいことや、一部のメンバーの懐には表に出せない金がひそかに入っていることを掴むにおよび、FIFAの中枢で大きな不正が行われているのは間違いないと確信する。

ひとつの大きな問題があった。全世界にまたがるFIFAを追及すると言うことは膨大な経費が必要であり、マンハッタンの特殊班だけでは到底賄えない規模であった。しかし、特殊班からの内偵報告書を手にしたNY東部地検は燃えていた。「Justice should be done」。そして、2010年12月27日、セップ・ブラッターの「2018年、開催国はロシア」のアナウンスを聞いて、東部地検は正式にFIFAに対する犯罪捜査を決定した。ターゲットは、EXCO唯一のアメリカ人メンバー、チャック・ブレイザーである。

翌2011年、FIFA内部とその周辺で起こった出来事がFBIの捜査を更に前進させるきっかけとなる。

FIFA会長選挙に関連して、立候補を表明したカタール人副会長のモハメッド・ビン・ハマムが会長選挙票の15%を牛耳るCONCACAFのジャック・ワーナーの招待を受け、ハマムが現ナマの賄賂攻勢を掛ける。身内同士の、しかも、調べれば外部にも簡単に漏れるあからさまな現ナマ取引を知ったブレイザーは激怒し、FIFA事務局長に密告した。ダーティなFIFAだが、このようなあからさまな票取引はさすがにFIFA内でも禁じ手となっていた。結局ジャック・ワーナーは役職からの辞任を余儀なくされてしまう。怒ったワーナーは仕返しに、長年ブレイザーとの間で秘密にしていたCONCACAFに絡むブレイザーの不正着服をFIFA内でぶちまけたのである。ワーナーとブレイザーの蜜月時代の終わりを告げる出来事であった。

ジャック・ワーナーがブレイザーの着服問題をぶち上げたのをきっかけに、FIFAの倫理委員会がブレイザーに対する調査を開始した。時同じくして、ブレイザーが深く関わってきたGold Cupで八百長試合が行われているとの疑惑がFIFA内に広がっていく。特にGold Cupの一件はブレイザーが直接関与していた訳ではなく、むしろ彼自身も”何故そんなことになったんだろう”と不可解に思っていたくらいであったが、この一件で、FBIは更にブレイザーの身辺に迫っていく。

何故FIFAは暴かれたのか (2) FIFAの中枢へ (ESPN報告書による)

2016年03月02日 | サッカー
チャック・ブレイザーが何故FIFAの中枢でダーティ・マネーを手にできたのか。恐らく、会計知識に詳しいこと(Accounting Degreeを持っている)と、金もうけの為なら次から次へと出てくるアイデアマンとしての素質によるものではないだろうか。

アメリカサッカー連盟時代に北中米のサッカー事情に精通していったブレイザーは、活動の場を中米に向けた。FIFA傘下にある6連盟のひとつ北中米カリブ海連盟(CONCACAF)は老害天国、即ち、役員は老人ばかりの、生ぬるい、緩い組織であった。この”オイシイ”環境に着目したブレイザーは、トリニダード・トバコのサッカー協会会長だったジャック・ワーナー(後にFIFA副会長となり、今回逮捕起訴された)を北中米カリブ海連盟の会長に担ぎ上げ、見事大差で当選させた。更に、連盟本部をブレイザーのお膝元マンハッタンへ移させたのである。ブレイザーはワーナーの片腕となり、念願の高級アパート、トランプ・タワーに住むことになる。

ブレイザーはCONCACAF選手権を儲かる仕組みに変える為に名称もGodlCupと改め、以後多大な収益を上げていく。その功績に報いるために、ジャック・ワーナーはブレイザーにビッグプレゼントを用意した。24人からなるFIFAの最高決定機関EXCOのメンバーに推挙したのである。こうしてFIFA内での地位を確保したブレイザーは、プーチン、マンデラ等、世界の大物と接点を持っていく。此のことが、やがて南アW杯、ロシアのW杯開催決定へと繋がっていく。

スポーツの団体役員というのは、歴史と伝統に加え、強い地域や国が牛耳っていく。ヨーロッパ中南米中心のFIFAの中枢に、普通ならマイナーなアメリカから加われるチャンスは少ない。その意味で、ブレイザーは唯一のアメリカ人として稀有な存在であろう。この男、持ち前のアイデアでFIFA中枢に深く静かに潜行していくのである。

EXCOのメンバーになったブレイザーは、FIFAにビジネス拡大のアイデアが枯渇していると見るや、6大陸選手権(コンフェデレーションカップ)や日本でもお馴染みなクラブワールドカップを矢継ぎ早に新ビジネスとして創設、成功に導いていく。こうした拡大の過程で、彼はFIFA内の重要メンバーの懐が個人的に潤うよう様々なアドバイスをするとともに、自身はダミー会社を通して私欲を肥やしていく。その元となるのは外部からのワイロであり、主要ゲームの開催国を決める度に、EXCOの有力メンバーにブレイザーが作った仕組みに沿って闇のお金が渡っていくことになる。

FIFAの中枢で破竹の勢いのブレイザーは2010年12月、FIFA本部での会長ブラッターのアナウンスを待っていた。2018年22年のW杯開催国決定のアナウンスである。2018年がロシアと発表され、ブレイザーは”予定通り”と微笑んだ。そして2022年。彼の予想、いや目論見に反し、カタールが宣言された。自国アメリカではない、何故だ?

これらのアナウンスをマンハッタンの一角でジッと観ていたグループがあった。アメリカ司法当局がFIFAに対して密かに狼煙を上げようとしていた。