よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

日本のサッカーは本気で強くなろうとしているのか

2013年02月23日 | サッカー
日本のサッカーの本気度がさっぱり見えて来ない。日本のサッカー、とりわけ、日本代表チームを取り仕切っている協会と現場を仕切る監督に、日本のサッカーを底上げしようと思う強い意志があるのだろうか。

スポーツで強くなっていくには競り合いが不可欠であることは誰でも知っていることだが、日本のサッカー界にはそれが見えないのだ。それは、日頃の腕試しや実験を行うチャンスの国際親善試合の対戦相手の選び方に如実に現れているように思う。その事は以前からもそうだったし、現在も変わっていないのではないか。

日本は現在世界ランキング28位である。実力をつけていくには、同等及びそれ以上の上位との対戦で技をみがいていくしかないのだが、2012年を例にとると、下位50位くらいまでを同等とみて、45位のベネズエラ戦のみ、上位としては、17位、18位のフランス、ブラジル戦があるものの、あとは98位、99位、118位と対戦している。こんなことでは、将来、コンスタントな20位以内を目指し、ベスト10を狙おうとするには、甚だ食い足りない対戦相手の選定だ。ワールドカップでベスト4に残り、あわよくば、優勝を狙おうとするならば、常にランキングでベスト10を伺うポジションにいないと無理というものだ、今年に入っての緒戦が、これまた109位のラトビアだった。3-0で勝って喜んでいるが、何か得るものがあったのだろうか。次戦が同等の47位ブルガリアだが、その後が72位のカナダと、下位ばかりの選定だ。これでは上に這い上がろうにも、空しい消化試合みたいなものだ。

よくライバル視されるお隣韓国は現在38位。昨年の対戦は同等レベルが3カ国で、あとは一位のスペインと戦っている。今年の緒戦も9位のクロアチアと対戦した。極めてチャレンジングな姿勢だ。

これを見ると、韓国は必死に這い上がろうとしている感じが伝わってくるが、日本はお茶を濁して、ひたすら気持ちよくなることに腐心しているように思えてならない。本気で強くなろうとしているようには見えない。監督のザックにも日本のチームを世界で通用するような強いチームにしようとする気概は全く見えない。実験が少なさ過ぎるからだ。実験のリスクを嫌って、勝つ事ばかりに執着しているのではないだろうか。

ほどほど、中位、これが今の日本のサッカーだろう。

見て見ぬ振りは塀の中 (Don't Turn Your Blind Eye)

2013年02月18日 | ビジネス横丁こぼれ話
厄介なことに巻き込まれたくないから“見て見ぬ振り”をする。よくある事だが、そのツケの大きさを後から知る。それで人生を台無しにするのがアメリカ。甘い日本では考えにくい事だが、文化的社会的な違いがそうしている。端的に言うと、日米間でルールの厳しさに雲泥の差があるということだ。この国では「見て見ぬ振り」は許されない。不正や事件の現場では刑事罰の対象だから、日本人のように能天気に構えているとアッと言う間に転落する。そんな厳しい国に住むアメリカ人でも、いざとなったら見て見ぬ振りをしてしまう。そこが人間の悲しさだ。輝かしい人生の勲章をもぎ取られ、塀の中に消えていく。

そのお手本の様な事件が、一昨年全米のスポーツ界を揺るがした“サンダスキー事件”である。著名なアメフトのコーチ(日本でば監督)を擁していたペン・ステート大学のアメフトチームのアシスタント・コーチが長きに渡って少年達に対し、性的暴行を働いていたことが発覚した事件で、まだ記憶に新しい。事件というのは、発生当初はなかなか全貌が見えないが、その後の裁判の進捗によって事実が明るみに出て、真相に近づいていく。この事件も捜査が進むにつれて、新しい事実が次々と明らかになり、“見て見ぬ振り”をした為に受けた大きなダメージに皆ショックを隠せないでいる。

まず、全米アメフト史上“最高のコーチ”と賞賛されていたジョー・パテルノの輝かしい公式記録は剥奪となった。モレステーションという犯罪行為の報告を受けていながら、何らアクションを取らず“見て見ぬ振り”をした為である。彼は、事件のあと、病気が顕在し、あっという間にこの世を去った。余程ショックが大きかったのだろう。しかし、生きていたらもっと辛い日々が続いたはずだ。もう一人、当初は無傷かと思われた大学の学長。幹部達とのEメール交信で報告を受けていた事が発覚。“見て見ぬ振り”をして起訴された。

全米大学体育協会は、不祥事を起こした大学そのものにも厳しい制裁を下した。まず、罰金6000万ドル。約48億円である。これはペン・ステート大学のアメフトの年間収入に匹敵する。更に4年間の試合禁止。最後に各種スポーツの奨学金カット。当初はアメフトチーム解体も論議されたが、それだけは免れた。しかし、“真綿でじっくり絞める死刑“みたいなものだと評されているように、将来的存続が危ぶまれている。この他にも、性的暴行を受けた被害者からの集団訴訟を控えており、金銭的な問題だけでなく、失墜した大学イメージを回復させるのは至難の業のようである。

Don’t turn your blind eye. いかなる組織の責任者もすべからく肝に命ずべき事の様だ。

映画三昧 - ARGO

2013年02月08日 | 映画
ベン・アフレック監督主演の話題作「ARGO」を観た。1979年のホメイニによるイラン革命の最中に起きたテヘランのアメリカ大使館占居人質事件の裏側で極秘に進んでいた6人の大使館員の救出劇があったとは思いもよらぬことである。

ベン・アフレックが演ずる元CIAのエージェント、トニー・メンデスが着想した「カナダ人映画撮影クルーに扮しての表玄関テヘラン空港からの脱出」には、ハラハラしながらも、思わず唸ってしまう。アカデミーにはノミネートされなかったが、ゴールデン・ごローブでノミネートされ賞を獲ったのは喜ばしいことだ。

イラン革命前後に起きた同様の事件にEDS社員拘束事件がある。1978年、イラン革命へのうねりが高まる中、ロス・ペロー率いるテキサスの有名IT企業EDS社の社員が突然逮捕される。社員を救出する為に、ペローは私財を投じて救出チームを編成、直接の救出の指揮を退役軍人ブル・サイモンに委ね、見事成功する。この事件は実際のオペラーションに携わった人々からのインタビュー情報を元にケン・フォレットが「On Wings of Eagles」というタイトルで物している。そして、この本をベースにバート・ランカスターとリチャード・クレンナ主演の5時間のTVムービーが作られている。アメリカに来た当初、TVで放映されていたので録画して観た覚えがあり、久しぶりにVHSを引っ張り出してレビューしてみようと思う。

映画三昧 ー Zero Dark Thirty

2013年02月04日 | 映画
UBL、オサマ・ビン・ラーディンのハントの結末までを描いた話題の作品である。

CIAの女性分析官(たぶん、よし坊が読んだピーター・バーゲンのManhantの中に出てくる、Roseではないかと思うのだが。もちろん、このRoseも変名である)の目を通して、ビン・ラーディン殺害までを淡々と描いている。

ビン・ラーディンの遺体をアフガンの米軍基地に移し、女性分析官がビン・ラーディン本人であることを確認、基地より本国へ確認の暗号”ジェロニモ”が発信されて事実上映画は終わる。よし坊の興味はエンディングだ。どんなシーンが来るのか。最も頭に浮かびそうなのが、全米に知らせるためにポディウムに向かう大統領の後ろ姿を遠映しにするもの。しかし、女性分析官の特別専用機ともいえる軍用輸送機に乗り込むところで終わる。このエンディングでホッとした。パイロットが言う。「アンタの行きたいところへ飛んでいくぜ」。アメリカ映画のノリがここにある。

アメリカの映画には、事実を題材としたものが多い。しかも、事件や事故から比較的短時間、長くても5年くらいで映画化されているのではないか。日本にもそういう映画はあるが、総じて、すっかり忘れた頃に映画化されたりするように思えてならない。もし、そうだとすると、その違いは何か。

二つあるだろう。ひとつは、アメリカ人がアーカイブする、記録保存するマインドが強いということだ。ハリウッドが世界の映画界に君臨しているのは、膨大な過去の映像の保管があったからこそだろう。もうひとつは、アメリカ人の気質とは裏返しの日本人気質というか、そのメンタリティにあるのではないか。日本人は不幸な事件や事故に触れることには情緒的にネガティブだからだ。なんだか、アメリカ人はほとぼりが冷ないうちにやり、日本人はほとぼりが冷めてあまり文句が出ない頃を見計らってやる、そんな気がする。ま、どちらが良いという問題ではないのだが、文化の違いは面白い。