よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

国のアイデンティティ

2007年10月23日 | アメリカ通信
海外に住んでいると、自然と自分のアイデンティティについて考える事が多い。日本に住んでいる人でもアイデンティティに敏感な人は、恐らく国際結婚をしている人達だろう。

さて、アメリカ人。一口にアメリカ人と言っても、その出身は様々だ。しかし、一たびアメリカ人になれば、アメリカ人。そこで、ひとつのアイデンティティを表す意味で、何々系アメリカ人と称するわけだ。

何故こうなったかと言うと、やはり人種問題が背景に有りそうだ。よし坊が小さい頃はアメリカ人と言えば白人と黒人としか認識が無かった。でもアメリカでは、人種問題は繊細で微妙な問題であり、特に差別されている黒人に対する呼び方は、その時々の社会的背景に左右され、いろいろ変わってきた。ブラックと言う言い方がある時期OKだったが、社会問題になり、結局今の「アフリカン・アメリカン」、即ちアフリカ系アメリカ人となった。恐らくこの辺からだと思うのだが、何々系アメリカ人という言い方が目立ってきたのだろう。もちろん、昔から日系アメリカ人と言う言い方があるにはあったが。

何故こんな話をするかと言えば、先日日本のテレビドラマを観ていて、気になった俳優をWikipediaで調べていたら、「韓国系日本人」と紹介されているのを発見したからだ。常々、日本でもそういう言い方にすべきと、強く願っていたよし坊としては大変うれしい発見であったのだ。ひょっとして、日本でも、そういう意識の人が増えてきたのだろうか。

日本はいづれ外国人労働者の助けをもっと必要になるはずだ。その時までに、全体の意識を変えていく必要があるだろう。アメリカで、韓国や中国出身の日本国籍の人に出会う度に、日本では少しずつそういう日本人が増えているのかなと思う。

映画三昧 - 違和感のある女優

2007年10月20日 | 映画
映画とかテレビドラマとか、面白ければいいので、出ている俳優をどうのこうのと言う事もあまり無い。もちろん、うまい役者であれば、それに越した事は無い。

人気女優の中に、仲間由紀江という女優さんがいるが、この人の演技にはいつも、なんとなく違和感を感じるのだ。表現しにくいのだが、あの、独特の喋り口調というか、台詞回しというか、聞いていてすんなり入って来ないのだ。

もちろん、どんな俳優でも、それぞれ独自の口調やら、台詞回しがあるのだが、それぞれに面白く、今まで違和感など持った事が無かった。しかし、この女優さんには、デビュー当時からずーっと違和感が付き纏う。別にこの女優が嫌いだからと言うのでもない。こんな風に違和感を感じるのは自分だけだろうか。

脇役ならば、個性的な部分を売りにしてガンガンやればいい。そういう脇役でいい役者はたくさんいる。しかし、常に主役を張るとなると、いろいろな役柄を演ずるわけで、この女優さん、大成するのかな、と思わず心配してしまう。

このなんとも言えぬ違和感、無くなる日が来るのかな、、、、。

映画三昧 - In the Valley of Elah

2007年10月12日 | 映画
今公開されている、トミー・リー・ジョーンズの「In the Valley of Elah」を観た。原題を直訳すれば、「エラの谷で」となるが、旧約聖書に出てくる谷で、ダビデが巨人ゴリアトと戦って倒した谷らしく、映画のシチュエーションを暗示している。

あらためて、正義の戦争なんて有り得ない。そしてその後遺症は計り知れなく、やはりベトナム後の再来を危惧してしまう。
以前は毎日のようにイラクで何人の米兵が死んだのかを伝えていたテレビも、最近は殆どお目にかからない。この戦争が人々の意識の中で早くも風化しつつあるのだろう。

映画のあらすじは、イラクで軍役を終えてアメリカ本土の基地に戻った若者が、故郷の両親へ帰国連絡もせず、行方不明となり、後日死体で発見される。父親の執念で事実が次第に明らかになっていく。

この映画の下敷きは、2003年、ジョージアのFt.BenningというArmyの基地で実際に起こった悲劇を基にしている。Lanny Davisは、妻と共に息子Richard Davisが「今戻った」の連絡を待っていた。が、一向に連絡が無い。基地に問い合わせたら「帰ってきたのだが、行方が分からない」との返事。不安に思い、ジョージアに飛んだ父親は、軍が何も捜索していないことに愕然とし、直感で「何かがオカシイ」と感じ、自ら捜査していく。消された理由は、イラクで起きた出来事の隠蔽である。映画では子供をひき殺すのだが、実際はレイプのようだ。息子Richardは、何と帰国後24時間で仲間に殺されていたのである。

この出来事は、ブッシュJR.が進軍ラッパよろしく米軍をイラクに侵攻させた2003年3月20日からわずか数ヶ月後のことである。始ったばかりの戦争に不祥事は禁物だ。軍は捜索しないということでの隠蔽を図ったのだろう。

彼も含め、この戦争で命を落とした人達は犬死だ。怪我を負うた人達の人生は間違いなく狂っている。 戦争は狂気以外のなにものでもない。
イラク戦争がすっかり支持基盤を失った今、隠蔽されていた事がいろいろなメディアで出てくる。今年から来年はそういった類の告発的映画が続くのではないか。

巨大で不気味な軍を相手に、ダビデであるLanny Davisは、Elahの谷で敢然と戦って勝利した。

”群れ”る日本人。 いじめは無くならない。

2007年10月09日 | いろいろ
日本人はつくづく変わった国民性の民族だと思う。アメリカ人、欧州人、韓国人、中国人。皆、自己主張をしっかりする人々だ。しかし、日本人は違う。個を封印して「群れ」という集団の中で連帯主張をするのである。

日本人の特徴として、しばしば取り上げられる「チームワーク」は、幸運にも「群れ」文化の良い面として評価されてはいるのだが、実はこの「群れ」文化はちょっと厄介だ。むしろ、悪い面への影響の方が大きいと思うのである。

最近、神戸で陰湿なイジメによる高校生の自殺が有ったが、相変わらず後を絶たない。恐らく日本では、いかなる表面的な法的手段や、教育的手段をもってしても現状を変えることは困難だと思う。何故なら、「群れる」という特性と、俗に言う「島国根性」が見事に絡み合ってしまっているからである。この「島国根性」というやつは、別の言い方をすれば、「排他的」、即ち「よそ者」を排除する事を意味している。何となく仲良しクラブの集団を作り、気に食わない者、異質な者をたちどころにターゲットとして血祭りに上げる。それが終わると次なるターゲット探しを始める。日本人は何らかの「群れ」に属していないと不安で不安でしょうがない民族なのだ。そこから抜けたり、排除されたりしたら、二度と戻れない事を知っているから、細心の注意を払って繋がっていようとする。
学校という社会だけでなく、その後の実社会でも、この構造が基本となっているから、会社でも同じような「いじめ」があるはずだ。

「群れ」と「島国根性」の二点セットは強烈だ。壊そうにも簡単には壊れない。本当は、「教育」と言うな名の下に打破したいところだが、肝心の教育の場がイジメの加害者の立場になっている場合も多く、全く当てに出来ない。とすると、「個」を磨かせるガイド役は親なのだが、これとて、二点セットの内側にいるわけだから、出来ない相談だ。

アメリカや韓国、中国でも「集団」対「個」の形でのイジメは当然あるだろうが、「集団」より「個」が強いから、「集団」が続かない。「集団」の方が先に息切れしてしまう。

ユニークな国、と言えば聞こえがいいが、特異な国、と表現すると何となく得体の知れない印象を与えてしまう国ニッポン。イジメについての出口が見つからない。雪隠詰めか。

今更、「国技」もないだろう

2007年10月01日 | いろいろ
若い力士が稽古のシゴキで死んでしまった可哀想な今回の事件は、何が異常かと言うと、「金属バット」が使われた事だ。我々が野球以外で「金属バット」に遭遇したのは、もう何年も前、20年以上になるのではないか、少年が親を金属バットで殴り殺すと言う、凄惨な事件があった。殺人に金属バットが初めて使われた事件。だから、野球以外での「金属バット」は死の匂いが付きまとう。

この前も友人と話をしていたのだが、相撲部屋のシゴキは竹刀だろう。昔からそのイメージだ。竹とか鞭による刑罰は日本や他国でも昔はあった。何故これらが使われるかと言うと、素人でも想像が付くが、シナリが有る分、体表やそれに近い部分への痛みに留まるということ。人間の知恵が働いていたとも言える。今は昔の知恵が働かない。そんな事はへっちゃらだ。

お上から「国技剥奪」をチラつかせられ、慌てて腰を上げ事情聴取をする協会。「国技」である為に相当な援助金が出ているのだろうから、お上には楯突けない。あきれたもんだが、今更「国技」でもないだろう。以前にも書いたが、相撲には相変わらず八百長の影が付き纏っている。これが一向にメスが入らないのがオカシイ。火の無いところに煙が立たない、が道理。

これで、新弟子応募の日本の若者は減り、実態をしらない外国の若者がドンドン多くなり、そのうち半分くらいは外国人の関取だ。不人気加速は必至だ。そろそろ「国技」の看板をどこで下ろすか考えないといけない。

ワイフは、プロレスを「あんな八百長」と言って毛嫌いするが、プロレスは立派なものだ。八百長と思うからそうなるのである。あれは、キチンと大筋のシナリオがあり、強靭に身体を鍛えた役者が勧善懲悪のドラマを演じているのだ。観客はそれを承知で、今日はどんなドラマだ、と観る。
それからすれば、相撲の世界、いや、日本相撲協会は「国技」という大看板の裏側で魑魅魍魎。

普通、こういう不祥事を起こすと、組織のトップは辞任するが、魑魅魍魎の親玉はそんな事はするまい。