よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

イッツJAZZ ‐ ジャズとクラシックと音楽と

2020年03月16日 | Jazz
どんな音楽も癒しになる。童謡や小学唱歌に始まり、当時の歌謡曲に囲まれて育ったようなものだ。その延長が今でも続く演歌の世界だろう。だが、その途中でクラッシックに出会うものだ。

ラジオから歌謡曲と共によくクラッシックが流れていた。そういう番組があった。小学校の頃、チャイコフスキーの白鳥の湖のレコードが欲しくて東芝の簡易レコードプレーヤーを買ってもらった。しかし、クラシックレコードをポンポン買うほどの余裕もないし、クラッシックへの深入りはそれきりになった。

それまで縁のないジャズにハマったのが会社に入って二年目くらい。独身寮の先輩にたまたま薦められて買ったマイルスのサムシング・エルス。あの名曲”枯葉”に聞き入ってしまった。それから給料日がレコード購入日となった。量の先輩の1000枚には及ばないが、120枚のコレクションとなった。その8割くらいをアメリカに来るときカセット用テープに採り、今日本で買ってきた小さいラジカセで聴いている。

MJQのアランフェスでイェペスのクラッシクレコードを買った。ジャック・ルーシェのPlay Bachシリーズでバッハの曲を聴く。オイゲン・キケロの作品は貴重だ。バッハのみならずヘンデルやリスト等幅広く聴けるのが楽しい。バッハのトッカータニ短調やスメタナのモルダウ、リストのラ・カンパネラ等。

モルダウを含む6楽章のCDを今でもたまに聴く。忘れられないのは、1989年ベルリンの壁が崩壊した後のドイツ統一記念のブランデンブルグ門前でのコンサート。カラヤン指揮するモルダウの演奏は圧巻だった。

ラ・カンパネラはその後リスト曲演奏の第一人者フジコ・ヘミングに行きつく。名だたる演奏者のプレイは皆流れるように上手だ。まとまった演奏で素晴らしく、心地よい。いわばロッキングチェアにゆったりと身を委ねるような感じだ。ところが、フジコヘミングのそれは、後半で大きな揺れが来るような感じなのだ。そこが違う。

ジャズもクラッシクも 音楽はいい。


イッツJAZZ - ジャズ・チャネルから聞こえる日本的なメロディー

2016年08月17日 | Jazz
数か月前に車のCDが壊れてしまったので、車に乗るときはジャズ・チャネルをつけっぱなしにしている。アトランタ91.9と言うチャネルだ。ジャズにはいろいろあるが、今朝ホームセンターに買い物に行く途中、琴をフィーチャーした日本的メロディが流れた。オッとなり、何故かホッとするから不思議である。そんな時、あ、俺は日本人だ、と実感する。

この所、時折日本的メロディが流れる。太鼓をフィーチャーしたり、日本特有のリズムであったりすると、やはり日本人、心地よいのだ。それぞれの民族には、それぞれに合ったメロディなりリズムが存在するわけだ。

このジャズ・チャネル、アトランタを本拠に世界中をツアーしているジャズピアニストの宮本貴奈がゲスト・パーソナリティとして時間を持っており、今まで二回聞くチャンスがあったが、彼女の影響で日本的なものが流れるのかもしれない。




イッツ JAZZ -Take FiveのBrubeck

2012年12月06日 | Jazz
92歳の誕生日を一日前にしてブルーベックが世を去った。

Dave Brubeckと言えばTake Five、Take FiveのBrubeckである。独特のピアノタッチで彼の名前を世に知らしめたTake Fiveは今まで映画やコマーシャル等の色々な場面で使われてきたから、名前を知らなくても曲が流れれば、あぁ あれか、と分かる。

彼の有名なアルバム、”Time Out”は、Blue Rondoから始まり、三番目にこのTake Fiveが入っている。出始めのBlue Rondo a la Turkも一度聴くと印象深いナンバーだ。アルトサックスのポール・デスモンドを思いっきり吹かせるDave Brubeck Quartetのベストアルバムだろう。

先年、アメリカの教育的テレビ番組で、俳優のクリント・イーストウッドがジャズについて語る番組があった。その中で、ブルーベックの家を訪問し音楽的対談をしていた。イーストウッド自身もピアノを嗜む才人で、二人で楽しく弾いていたのが印象的だった。

よし坊の車の中には、いつもTime Outをダビングしたテープが入っている。CDではなくテープだ。これは今から17年前、アメリカに来る時に日本でレコードからテープにダビングして持ってきたもの。当時はまだ音楽カセットテープが全盛だったからだが、今でもこれで聴いている。レコードの傷音などが入っていて、なかなか良いのである。

イッツ JAZZ-Hubert LawsのFirebird

2012年01月14日 | Jazz
久しぶりにヒューバート・ロウズをフィーチャーしたアルバム「Firebird」を聴いた。

クラッシック曲をまともに聴くのは、スメタナの「我が祖国」くらいだろうか。その他のクラッシック曲は大体ジャズ化されたアルバムから聴くのが好きで、リリカルなナンバーは専らオイゲン・キケロ。バッハだけに限定すれば、ジャック・ルーシェの「プレイ・バッハ」5部作からだ。しかし、たまには少しダイナミックな演奏を聴いてみたい時もある。こんな時、このジャズとオーケストラのコラボ作品である「Firebird」を聴く。

特に、ストラビンスキー作品の「春の祭典」と「火の鳥」を中心に聴き入るのだが、例えば「火の鳥」では、フルートのロウズ以外に、ベースのロン・カーター、トランペットのフレディ・ハバード、ドラムスのビリー・コブハム、パーカッションのアイアート等が参加しており、彼らの音に必死で聴き入る面白さがある。

フルートと言えば、ロウズとは対象的なハービー・マンも聴きやすい。ジャズからラテン、ボサノバへ傾斜していき、イージーリッスニングな、リズミカルな演奏は気持ちがいい。

ハービー・マンは亡くなって久しいが、ロウズはまだ健在だ。

イッツ JAZZ-European Jazz Trio

2011年10月24日 | Jazz
ヨーロッパのジャズも中々よくて、全般にリリシズムに溢れるものが多いように思うのだが。盲目のテテ・モントルーとか、アンドレ・プレビンとかよく聴いたものだ。

MJQが好きで、レコードを買いあさっていた頃、European Jazz Trioが旗揚げしたので、当時早速デビューアルバムを買った。ビートルズのノルウェーの森をフィーチャーした「Norwegian Wood」と言うアルバムだ。
95年にアメリカに来る時に、手持ちのレコードを全部テープに録ってきたのだが、このトリオのアルバムテープを久しぶりに聴いた。ピアノのカレル・ボエリーは初期に脱退し、以後メンバーが変わって現在に至っており、今のトリオもいいが、やはりデビューアルバムは外せない。

CD全盛の今、レコードの傷とか、たまに擦れる音なんかが入っていて、レコードの懐かしさみたいなものが伝わってくるのが、なんとも楽しい。日本ではどうか知らないが、アメリカの電気屋へ行くと、今でもレコードプレーヤーが商品棚に有って、日本にあるレコードを持って来られたら是が非でも買いたい一品だ。そういえば、この前日本に帰った時、古いパイオニアのステレオセットでレコードを聴いてみたがまだ使えたから、ついでにド演歌まで聴いてしまったが。このふるいステレオは独身時代に買ったはずだから、かれこれ40年近くになる。

レコードと言えば、日本企画らしいが、ブルーノートの復刻版をレコードで出すニュースが先日出ていた。カンザスの片田舎でプレスしているらしい。日本と言うのは、兎に角色々な企画を仕掛ける大した国だ。

イッツ JAZZー MJQ

2009年01月27日 | Jazz
ジャズメンでは誰が好きかと問われれば、よし坊の答えはMJQである。彼らの奏でる旋律は、兎に角入り易い。とっつき易いのだ。とっつき易くてハイレベルなジャズ集団といってもいい。

その昔、女の子とお茶を飲みながら、音楽の話をすると、あまりジャズは話題に出て来ない。皆、あんなうるさそうなの何処がいいの?ってな感じで、確かによし坊もそうだったなと、思い出しつつ、騙されたと思って一度これを聞いてみなよ、とお勧めしていたのがMJQだ。当時はCDなんてのが無く、レコードからテープに録り、女の子に貸してあげたものだ。テープを返してもらう時、大概「こういうジャズもあるんだ」と言ってその後MJQにはまってくれる。

アルバムはいくつもあるのだが、好んで聴くのが、1974年、彼らが解散してしまう記念コンサートの実況録音版「The Last Concert」。集大成版として、お勧めの一品。代表作が詰まっている。これがあれば他のアルバムは要らない。

数多のジャズメン、ジャズシーンにあって、常にスーツ姿を確立していたのも良い。スインギーな、ジャズィな、ファンキーなリズムから、Blues in A Minorやアランフェスのようなクラッシックのリズムまで、MJQスタイルとでもいうのか、限りなく心地よい。あれは、やはりリーダーのジョン・ルイスのカラーだろう。そんなSophisticatedな雰囲気の中で、フィーチャーされるバイブのミルト・ジャクソンが時に弾け、時に抑える(もっとも、解散後のミルトは弾けっ放しになっていたが)。

単にジャズ好きのファンだけでなく、オーケストラとの競演も多い彼らのファン層は広く、ジャズ界で独特の地位を築き上げたと思う。ヒース兄弟の一人Percy Heathが2005年に世を去って以来、あの世で4人は勢揃い。MJQを再結成していると良いのだが。

イッツ JAZZ-The Bad Plus と アトランタ ジャズフェスティバル

2007年05月30日 | Jazz
毎年、5月末の週末の三日間、ミッドタウンにあるピードモントパークに有名どころが集まり、野外でのフリーのジャズフェスティバルが催される。今年は記念すべき30回目らしい。

この数年、なんやらかんやらで、行くチャンスがなかったが、今年は予定が取れたので、行くことにした。日曜日のグループに、その名前から、ちょっと興味をそそるトリオがある。その名も「The Bad Plus」。ジャズには珍しく、白人3人組のピアノ、ベース、ドラムスの典型的なコンボスタイルだ。演奏は、3人共挑戦的で、夫々が相手に挑みかかるような、ハードなノリ。観客も段々エキサイトし始めた。特に、ドラムスのディビッド・キングというのが、激しく且つ抑えながらの演奏が全体を引っ張る。久しぶりに面白いトリオに出会った。(写真はそのThe Bad Plusの演奏)

フリーのジャズだからいい。会場は場所柄黒人の観客が多く、それも演奏にあわせ、ノリノリである。よし坊よりちょっと若い世代の黒人夫婦が、目の前で演奏に合わせ踊り始める。すると周りがドンドン踊り始める。コレは黒人独特のノリだ。黒人は何故こんなに踊りが上手いのか、いつも感心させられる。白人もノッテいるが、やはり黒人のノリには及ばない。ましてや、日本人には到底真似できない。どうして、彼らは、こうも素直に自分の感情を体で表現してしまうのか。演奏を聴いていれば、このよし坊でも自然と体や手足は動き、それなりに、確かにノッテいるのだが、彼らのように、立ち上がって、狭いスペースを一杯に使い、体をくねらせる芸当は出来ない。天性なのか。見ると隣の白人のネエチャンがゴザの上で体をくねり出した。

The Bad Plusの熱演はスタンディング・オベーションを呼び込んだ。

次の演奏は、懐かしのアイアート・モレイラとフローラ・プリムのブラジルのグループだ。この二人がジャズシーンに躍り出たのは、70年代の初め、チック・コリアが当時としては挑戦的な電子ピアノで、あの「Return to Forever」のアルバムを出した時だろう。所謂フュージョンのテイストを持ち込んだ鮮烈的なアルバムだった。このグループに対しても観客は踊りだし、最後は総立ちの感。

イッツ JAZZ -Takana Miyamoto

2007年04月30日 | Jazz
宮本貴奈のフリーのジャズ演奏があるというので、久しぶりの生ジャズを聴きに行った。ミッドタウンのミュージアムの広場での演奏である。
しかし、暑い。最初は目の前に陣取ったが、かんかん照りで、直射を浴びながらは辛い。聴いているのは我々とあと二組くらい。気がついたら、皆 木陰組。さすがにたまらず近くの木の下に移動。

宮本はアトランタを拠点に全米で精力的に活動しているピアニストで、日本ツアーも定期的にやっているようだ。

トリオ演奏だが、ドラムスが何と、あのMarty Morel。マーティ・モレルと言えば、ベーシストのエディ・ゴメスとともにビル・エバンストリオの一角をなしていたドラマーである。宮本は折に触れて、よく彼とトリオを組んでいるらしいのだ。

スタンダードや彼女のオリジナル等小気味よく聴かせてくれたが、最後の方で、ビル・エバンス・トリオでよく演奏されていたMorning Gloryをやってくれた。懐かしくも、綺麗な曲を聴かしてくれたものだ。ご満悦である。

これを機会に、暫くは宮本貴奈の世界に入れ込んでみようと思っている。



イッツ JAZZ-テクニシャン!ニューボーン

2007年03月02日 | Jazz
今から35年前、丁度ジャズにのめり込んだ頃、オスカー・ピーターソンをガンガン聞いていたが、これに劣らぬすごいテクニシャンが居ると聞いたのが、フィニアス・ニューボーン(Phineas Newborn Jr.)だ。ピーターソンは流れるような、流麗なテクニックと言えばいいんだろうが、ニューボーンのはそれとは違うが、えらい早いというか、これも相当なテクニシャンだ。

久しぶりに聴いてみた3枚のレコード。正確に言うと、アメリカに来る時に全部テープに録って来た物で、しかも輸入盤だったから、ところどころに傷が有ったりして、CDとは違った気分で、これまたご機嫌。それにしても、輸入盤は安かった分、キズモノが多かったから、無傷を求めてレコードショップをよくハシゴ。店も中身チェックOKとダメな所があり、ダメショップで買う場合は、それこそ、清水の舞台から飛び降りることになる。帰って開ける時の緊張、そしてそこに傷があった時、「やられた、チキショウ、クソ」となる。よし坊が「アメリカ憎し」に変わる瞬間である。

「A World of Piano」「Newborn Touch」「Solo Piano」の3枚の中で、写真は「Solo Piano」のもの。ジャケットのスフィンクス様が面白かったのと、ソロを聞いてみたかったので当時つい手が出た。

途中から精神のバランスを崩し、病と闘いながら、57歳で世を去るが、テネシーに生まれ、最後もテネシーで生涯を終えた、あまり知られていない、しかし、屈指のジャズピアニストである。

イッツ JAZZ -アランフェス協奏曲

2006年12月12日 | Jazz
クラッシックのギター協奏曲としてあまりに有名なホアキン・ロドリゴの「アランフェス協奏曲」に出会ったのは、ギター好きの同僚が、是非ギターの名手ナルシソ・イエペスのレコードを絶対聴け、損はない!と半ば強制的に買わされたからだ。そして、同僚の言葉通りであった。

何と言っても、ジャズにのめり込んでからも、あっちこっちでこの曲が聴けるから楽しいことこの上ないのだ。

いろいろなジャズメンが奏っている。トランペットでは、マイルスが「Sketch of Spain」の中で吹いている。ジャズギターでは、ケニー・バレルやローリンド・アルメイダが夫々にいい味を出している。MJQのアランフェスもいい。ジョン・ルイスのピアノとミルトのバイブが交互に掛け合っていく。MJQはこの曲を好んで演奏している。

しかし、何と言ってもお勧めは、1975年のジム・ホールのアランフェスだろう。彼をフィーチャーして、ピアノのローランド・ハナ、ベースのロン・カーター、トランペットのチェット・ベーカー、アルトサックスのポール・デスモンド、そして、ドラムスのスティーブ・ガットがスウィングする。

最近はいろいろなグループがこの曲を演奏しているので、久しぶりに他のアランフェスを楽しんでみよう。