よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

大統領選と世相

2008年03月31日 | アメリカ通信
アメリカのニュースで興味深いコメントがあった。

民主党はオバマ、クリントンのデッドヒートとなっているが、焦点の一つに、二人ともマイノリティの候補者と言う点があげられている。黒人対白人だが女性。

過去、女性の大統領やら、黒人の大統領を題材にした映画やテレビドラマがいくつかあるのだが、これらに対する世論の反応で 今アメリカは何処まで許容されているかが見込めるそうだ。

映画やテレビドラマに見るアメリカ人の許容度からすると、ヒラリーは危ない事になる。近年、ドラマの中では黒人大統領に対するアメリカ人の許容度は飛躍的にあがっているらしく、日本でも人気の「24」のデニス・へイスバート演じる大統領が新しいところだ。
2年くらい前、女優のジーナ・デイビスが女性大統領を演じた「Commander In Chief」というテレビシリーズがあったが、途中で打ち切りとなってしまった。残念ながら視聴率が取れなかったのだが、その背景は、世論、といっても男がと言った方が良いかもしれないが、女性大統領に対して心情的に「乗れない」何かが未だあるということだろう。

同姓間で白人対黒人となれば白人が選ばれる確立が高いだろう。黒人男性対白人女性の場合は、白人対黒人という選択以前に男性対女性という基準が先行し、黒人であっても、「男性」に分があるという図式になるらしい。

男女平等を推進するこのアメリカにして尚この差別感である。女性の戦いは長くて遠そうだ。

広がるチベット問題

2008年03月29日 | いろいろ
チベット問題がいよいよ北京五輪と絡んできた。

ポーランド、チェコ、エストニアに続いて、ドイツ、スロバキアが首脳の開会式欠席を表明、今後も未だ出てくる気配である。ドイツを除く4国はいづれも民族的な抑圧と戦いに長い歴史を持ち、ドイツはヒトラー時代の抑圧者としての苦い経験と同じ民族の東西分断という苦しい歴史を経験してきただけに、中国のやり方には見過ごせぬものがあるのだろう。

ひときわ人権問題にうるさいはずのアメリカ、そのブッシュは、すっかりやる事がなくなってしまったので、人権問題なんのその、で早々と開会式参加を表明。こうなると、コニャックを水割りで飲むアメリカ人及びアメリカを日頃からウザイと思っているフランスは、不参加で差を際立たせる戦略ではないか。

面子の国、中国としては、何とも不様な道のりとなってしまった。

こういう時に国のスタンスがはっきり分かるから面白い。
先週の話だが、武力鎮圧後に、中国の対応を歓迎した国が6カ国有った。キューバ、ベネズエラ、トリクメニスタン、イラク、オマーン、コモロである。キューバは仲良しクラブだから分かる。ベネズエラも大統領のチャベスが左傾化に一生懸命だから納得。トルクメニスタンは独裁主義で、中国共産党一党支配に似た所ありで、これも納得。コモロはアフリカ大陸とマダガスカルの間にある離島みたいなところでよく分からぬ。中国がアフリカを意のままにしようとしてこんなところまで手を伸ばしているのかも知れぬ。オマーンは何だろう。石油の利権で繋がっているのだろうか。そして、イラク。これも石油がらみだろうか。よく分からぬ。

さて、毒餃子事件で、中国もよくやっている、なんておっしゃってくれちゃった、日本のやる気の無い首相、サミットをこなし、能天気ニーハオツアーで五輪観戦、その後は、特にやる事もないし、民主党からのイジメは相変わらず続いているだろうから、ある日突然「ボクチャン、辞める」なんて、さっさと家に引きこもりか。

映画三昧 - チャーリー・ウィルソンの戦争

2008年03月26日 | 映画
Based on True Story。世間を騒がせた実録モノもあれば、知られざる実録モノもある。

トム・ハンクス主演のCharlie Willson's Warという映画は後者の実録モノにあたり、当時のアメリカで行われた裏のアフガン戦争の話である。
思えば、当時アフガン戦争は79年突然ソ連が侵攻して始ったが、そのソ連が泥沼に陥り、ついには不名誉の撤退となった戦争である。日本で、撤退のニュースが流れていたのを覚えている。この撤退の裏に、テキサスの下院議員が仕掛けた約10年に渡る極秘作戦があった事など我々は知らない。当時のアメリカでも議会筋以外は知られておらず、CIA最大の成功作戦だったと後に報じられている。

映画は、軍施設の一角でささやかに行われた、テキサス州選出の下院議員、チャールス・ウィルソンを称えるセレモニーの場面から始る。

当時アフガンなどには目もくれていなかったアメリカの議会筋で、ウィルソンはひょんなことからソ連対抗のアフガン支援に目を付け、CIAを動かし、軍事予算をもぎ取り、親ソ政権に反対する勢力ムジャヒディーンへの援助を始め、この影の戦争に勝利するのだが、このチャーリー、写真の如く、実物もなかなかのダンディーで相当な発展家、事務所の女性スタッフは軒並み綺麗どころで、往年の人気テレビ番組に因んで、彼女らは、チャーリーズ・エンジェルと呼ばれていたと言う。

思えば、この大成功からアメリカはアフガンに深入りする事になり、当時反ソ勢力に繋がっていたオサマ・ビン・ラーデンが、9.11を引き起こした事はなんとも皮肉な結果である。


竹の共産主義

2008年03月23日 | いろいろ
この前、人権問題の地、新疆ウィグル自治区出身のアメリカ人アブドラさんの事を書いたと思ったら、もう一つの人権問題の地チベットで狼煙が上がった。いずれも中国が武力征服した土地だから、共産主義が続く限り、紛争が絶えることはない。中国のアキレス腱だ。

昔は、東側と西側、アメリカとソ連の間には厚い、強固な壁があり、”鉄のカーテン”が立ちはだかっていた。鉄の様な頑強な物でも、金属疲労で亀裂が入ると意外にもろく瓦解する。そして89年、歴史的なベルリンの壁が崩された。

中国のちょっとした高さの建築現場を見ると驚く。周囲の足場を竹で組んでいるのだ。あんな、ひょろんと長く、ヘナヘナした竹で大丈夫かと、知らないものは大いに心配するのだが、これが概ね大丈夫なのである。
竹と言うのはしつこい頑丈さがある。よくしなるので応力分散に優れ、近代的高層建築でも、しなりの原理を耐震構造として利用していることでも分かる。

あの、東西冷戦を象徴する共産主義との戦いを、”鉄”で代表するならば、中国のそれは、”竹”の共産主義と言えまいか。

世界は、この竹の共産主義にうっかり騙される。竹林だからと安心して足を踏み込むと、あらぬ方向から竹が鞭の様にはじけ、我々を直撃するが、気が付いた時は、竹の方は元の静寂に収まっていて、共産主義者達は、何事も無かったように、ほくそ笑む。

東西冷戦が終わった、終わったと喜んでいるうちに、竹の共産主義は、世界覇権を目論み(元々中華思想だから当然だが)、世界が目を向けていなかったアフリカでせっせと勢力を伸ばし、大変な事態になっているのだ。何故中国にはアフリカからの留学生があんなに多いのかを警戒しなければならない。

最近、うっかり見過ごしてしまうニュースがあった。アメリカの海軍が中国海軍と合同会議か演習をやった際、中国側から太平洋の管理をアメリカと中国で半々に分けようと提案があったと伝えられた。中国にはとっくの昔に世界の覇権を目指すグランドデザインが出来ており、今、世界の生産工場化という、一見経済的には受身の構造の中で、実は進出会社を経済的拉致状態に置くという、強力なカードを持つ事によって、アメリカをどう手なずけようかと、思案しているのだ。

この先当分の間、アメリカと中国の2極構造だろう。東西冷戦の時より厄介だと思うのは、東西冷戦は所詮、西洋人同士の対峙だったことである。平たく言えば白人同士の戦いで、もっと大胆に言えば、遠い親戚同士の争い。収束すれば話が出来る。しかし、今度は西洋人と東洋人の戦いだから、厄介なのである。

トルネード

2008年03月21日 | アメリカ通信
先週、トルネード(竜巻)が地元アトランタのど真ん中にタッチダウンしたが、被害甚大である。幸い死傷者なしでよかったのだが、このトルネードの怖さは、昔有った映画「ツイスター」を見ると感じが分かる。

大体、トルネードというのは、平ったい地形のところで、スムースな空気の流れが突然渦を巻くらしく、高層ビルが乱立する大都市には起こりにくい現象と言われてきたようだ。だから、アメリカでも数えるくらいしか大都市で起こっていない。

実は、アトランタでは、98年に市の周辺部3ヶ所でタッチダウン、家屋が吹き飛び、どう見ても曲がりそうも無い太い鉄柱が無残に折れていた。だから、アトランタとしては2回目である。

大都市に起こる理由が、どうも大都市特有の熱、即ち緑の減少、冷暖房によるか情熱の放射、等が大気の状態を変えてしまった事に起因するらしい。

これも地球温暖化のなせる業ということか。北海道出身の知り合いが、昨年の夏は連日30度超えで、もともと避暑地北海道だから冷房設備の普及が低く、しのぐのに往生したと言っていた。

地理の授業で、日本は亜熱帯地域に属します、と教える日がもうそこまで来ているかも知れぬ。

やらない、やれない、やりたくない内閣

2008年03月19日 | いろいろ
Fuk駄(目)内閣になって、日本はドンドン落ちていく。円もついには100円を割り、日銀人事もままならず、出てくる言葉は「あ~困った、困った」。

就任以来、何かをやろうという意欲、ビジョンが全く見えない。今日に至るまで何もやらないので、皆困っている。何かやろうとすると、何せネジレ国会だから、これまた何もやれない。段々嫌気が差してきて、何もやりたくない心境ではないか。だから「やりたくない」内閣になりつつある。
Fuk駄(目)さんのどの写真を見ても、やる気は見えませんね。

最近の歴代内閣で良くも悪くも何かをやったと評価できるのは、角栄、風見鶏とジュンちゃんくらいだ。

どうせ良くならないなら、3年か5年毎に自民と民主で自動的政権交代のルールを作るだけでも国民の為になる。政権交代で前の政権の恥部、不正がその都度暴かれるだけでもいささかの浄化作用になるからだ。ルール違反はさっさとブタ箱へ放り込めば良い。今の政治とそれに連なるお役所はまるで伏摩殿の様相ではないか。あの香港の九龍城のような。

イラクで勝利したいアメリカ人達

2008年03月16日 | アメリカ通信
もう直ぐイラク戦争突入から5周年を迎える。今やブッシュの存在感もすっかり影を潜め、たまにあったイラク戦争犠牲者のニュースも殆ど無くなった。現地の事情が好転しているのか、悪化しているのかさっぱり分からない。5年という年月はどんな事件も風化させてしまうらしい。

最近の世論調査が出たのだが、興味深い。
何と、共和党支持者を中心に40%の人がイラクで勝つと思っている。その中には「このままではアメリカの沽券に関わるからなんとしても勝ちたい」という強い願望派も当然入っている。この期に及んでも未だ40%もいるのは、ちょっと驚きだ。こうなると、マケインが大統領にでもなると、彼の主張でもある現地安定化~勝利を目指しての増派はありそうだ。

一方、残りの60%は積極的撤退から消極的撤退まで様々だ。概ね4つのグループに分かれるらしい。まず、即時撤退が17%。イラクなんか放っておいて早くアメリカ人の血を止めろ、と言う連中だ。イラク侵攻には反対だったが、ここまで深入りしたら、少なくてもイラクを安定化する義務がアメリカにはあるから、駐留已む無し派が20%。 もともとテロ撲滅でおっぱじめた戦争だけど、この戦争をしてもしなくてもテロリストは出てくるのだから、さっさと戦争止めちまえ派が10%。そして最後の13%が、だから戦争するなと言っただろう、もっと長期化するぞ、オレはもう知らねえぞ派。

いずれにしても、アメリカ人とはお節介な国民だ。

高潔な人

2008年03月14日 | いろいろ
NY州知事のスピッツァーが辞任した。日本基準では早い辞任だが、アメリカでは、何故最初の謝罪会見で辞任しなかったのかと、ここへ来て非難の声が出ている。やはり、政治の世界に野心を持った人間なればこそ、何とか乗り越えたいと言う期待が自分の中で渦巻いていたのだろう。どう考えても買春の常連客だと言う事がいずれバレるはずなのだが、送と分かっていても、そこは生身の人間ということか。Fallen Icon,正に落ちた偶像である。

世間的には、先週まで彼は「高潔な人」であった。そう呼ばれてもおかしくないくらいの過去の実績である。
この言葉、若い人に対して使える言葉ではないが、人生も半分以上過ぎた人物で、公私共に一貫してきちんとした人には、つい使いたくなる言葉だ。

しかし、人間は分からない。おおよその見当は付くが、それでも本当のところは分からない。そう考えると、「高潔な人」という言葉を使えるかどうかは、本人が鬼籍に入った後ではないかと思う。

よし坊の好きな著名人で、このイメージに近いのが、土光敏夫だ。殆どの経営者は彼の爪の垢を煎じて飲まねばならないはずだ。
市井にも名も無き「高潔な人」は、たくさんいるだろう。残念ながら、よし坊は成れそうも無いが、60を過ぎると何故かそれに近づきたくなるのはどうしたことか。

魔が差す

2008年03月11日 | いろいろ
ちょっと残念なニュースが飛び込んできた。
ニューヨーク州知事のエリオット・ネス、いや違う、エリオット・スピッツァーが高級コールガールの顧客リストに上がって謝罪声明を出したのである。あのアンタッチャブルで有名なエリオット・ネスにも模された男である。

彼は現知事としての顔より、8年間のニューヨーク市の敏腕検事としての華々しい活躍の方が有名で、次々とNY市の不正を暴いてきたのだ。その中には当時の高級コールガール組織の摘発もあった。よりによって、同じような組織の客になっていたとは残念である。先月出張先のワシントンDCで魔が差したらしい。

どうも、悪魔と言うのはいつも隣にいるようだ。甘い言葉でそっと囁く。現職大統領として世情を騒がせた、クリントンの時も恐らくそうだったのだろう。もっとも、あの時はモニカちゃんの方が上わ手だったのかもしれないが。いずれにしてもクリントン君にとっては悪魔の囁きだったわけだ。

よし坊もいい歳になったからと言って、油断は大敵。悪魔の囁きに魅了されないように言い聞かせる事にしよう。
コレを書きながら、昔流行したテレビコマーシャルを思い出した。スーツ姿の中年男が出てきて、小指を立てて、ボソッと「私はコレで会社を辞めました」。

気が乗らぬ、北京五輪

2008年03月08日 | アメリカ通信
中国の威信をかけた五輪。ホントにこれで良いのか、いささかの疑問が残る。

思えば、東西冷戦下で、共産主義グループの当時の盟主、ソ連が威信をかけたモスクワ五輪は、アフガン侵攻によりアメリカのボイコットが連鎖し、結局変則五輪に終わった。
さて、中国。このところ、映画の大御所、スティーブン・スピルバーグの顧問辞退や、アメリカの公聴会での中国五輪疑問視の声等、煙が漂う。
特に、中国の五輪開催に当っては、人権問題大幅改善を前提に世界がOKしたという経緯があり、然るに、その兆候が見られないから、アメリカはぶち上げたのだ。中国は、五輪終了まで全力を挙げてあらゆる不祥事を隠蔽するだろう。しかし、問題はその後であると、大方の人間は思っている。五輪が終わったら、何が始るかというと、トレードマークの”全国的な粛清”だろう。

人権問題で言えば、中国国内の問題もさることながら、アフリカのスーダン政府への肩入れは、大きな問題になっているダーファーでのジェノサイドの後ろ盾であり、五輪開催承認の条件に反しているのは明白。

日本との話題では、例の毒ギョーザ事件が、予想通り、訳の分からぬ方向に行きつつある。何ともならんのは、中国側は無実だという発表である。
もうひとつ頭に来る話。先日の東アジアサッカー選手権だ。日本と韓国に対するあの反則の数々。あれは世界のFIFAに対する冒涜でもある。

共産主義が出す答えは常にこういう事だ。皮肉な事だが、それにもかかわらず、政治と経済は別だ、と体のよい錦の御旗を掲げて、日本が、アメリカが、ヨーロッパが、我先にと中国へ殺到し、とどのつまりは、彼らの共産主義を助けているわけだ。なんとも腹立たしい話である。

1980年、モスクワ五輪をボイコット出来たのは、人権主義者カーターが大統領だったからだ。ブッシュにはそこまでの器量はない。