よし坊のあっちこっち

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Freeze! 服部君を襲った悲劇

2020年10月26日 | アメリカ通信
Freeze !! 服部君を襲ったハロウィーンの悲劇

アメリカに来た日本人が必ず耳にする教訓的事件がある。1991年ルイジアナのバートンルージュで起きた交換留学高校生の服部君射殺事件がそれだ。事件はまだ英語にも慣れていない服部君がFreezeとPleaseを聞き間違えたか聞き取れなかったかで起きてしまったとされたが、果たしてそれだけなのか。

FreezeとPleaseを聴き間違えたと言われると、あたかもFreezeが日常的に使われているように錯覚するが、せいぜい”凍る・凍らせる”くらいの表現になしか使うまい。まして、人を制止する時にわざわざ使う言葉とは思えない。StopなりDon't Moveという簡単明瞭な言葉を使えば済むことだ。では、警察用語として多用されているかというと、そうでもないらしい。

警察がFreezeを通常使用しているのかをインターネットで調べてみたが、実際の現場では殆ど聞いたことが無いというものだった。警察現場では、平易で明瞭な言葉を使うことを優先し、StopかDon't Moveを使うようだ。更に言うならば、人間は否定語が発せられると頭に入りやすいことを考えると、圧倒的にDon't Moveが使われているのではないか。

服部君をマグナムで射殺した容疑者は何故Freezeと叫んだのか。これは類推するしかないのだが、なぜか当時のTV刑事ドラマで、警官達が犯人を制止する時にFreezeを多用していたらしい。この容疑者はTVの刑事ものが大好き人間だったのかもしれない。そして、あの日、日頃から聞き慣れているFreezeを声高に叫び、引き金を引いた。英語を聞き慣れた人にとってもPleaseとFreezeを聞き分けろと言うのは酷な話だ。単なる聞き間違えで済まされる話ではない。

容疑者のその後だが、事件直後駆け付けた警官に対し”とんでもないミスを犯してしまった”と漏らした本人だが、裁判では”見知らぬ人間が足早に近づいてきたので身を守るために撃った”と主張し無罪となった。しかし、民事裁判では、当時の検証記録、関係者証言から、服部君は足早でなくゆっくり歩いていた事、事件直後にミスだと自覚していた事、服部君の姿を見てFreezeを叫んだ後間髪入れずに引き金引いてる事などにより6500万ドルの賠償となった。本人家族は家を売却しても多大な借金が残り、トレーラー生活になったという。

Belt &Road Initiatives strategy 一帯一路政策

2020年10月18日 | アメリカ通信
今、ジョン・ボルトンの話題の本を読んでいるのだが、その中で中国 の一帯一路政策(Belt & Road Initiative)について面白い解説をしている。

曰く、Debt Diplomacy、借金(をさせる)外交。その心は、”一見相手国に有利そうに見える条件での信用供与を提示、これが魚釣りで使う擬餌針として働くから相手国は思わず食らいつく。その後不都合な事例がどんどん出てくるが、一旦食らいついたら抜け出そうとしても抜け出せない”。

これ、何かに似ていないだろうか。そう、巷でよく聞く”詐欺商法”ではないか。正しく、中国の一帯一路政策とは国際的詐欺手法を使って中国の勢力図拡大を図ろうとするものだ。

卑近な例ではインドネシアの高速鉄道事業がそれだ。中国側のやりたい放題に振り回され、予定は大幅に遅れているが、インドネシア側は最早何もできない。中国の言いなりになるほか無いのである。

男は女より優れているか

2020年10月14日 | いろいろ
こんな質問を世の男性たちにぶつけたら、表向きは”同じだ”と答えても内心はそうではないと思っている男性も多いはずだ。その拠り所は身体能力としての「力」である。この「力」によって”男は女より優れている”と錯覚する。

地球上に単細胞生命体が現れ、両性類からオスメスに進化、人類となった。、自然は人類に身体的特徴と役割を与えた。オトコには「力」という身体能力で生存する為の食料を確保させる。オンナには、受胎能力を与え種族繁栄の使命を任した。外見や役割の違いはあるが、優劣の差ではない。これが出発点であろう。

残念ながら、ヒトが増えれば争いも起こる。それを鎮める最も簡単な手段が「力」による制圧だ。この「力」はやがて、身体能力の弱いオンナの征服に向かう。こうしてオトコはオンナに対する優越感を勝ち取り、オトコはオンナより上、との図式が出来上がった。手に入れた優越感に持続的に浸る為には「オトコ社会」をなんとしても維持しなければならない、とオトコは考え、決めごとはオトコだけで決める、とした。その典型が参政権である。今では当たり前だが、参政権が女性に与えられたのは、そう遠くない近代史の出来事である。

「オトコ社会」を誇示し「力」でオンナを制圧しようとするセクハラは後を絶たない。だが、アメリカではMeToo運動が起こり、オンナの反撃が始まったと言ってもよい。この運動で悪事が暴かれ、多くの有名人が塀の向こうに消えていった。

10年程前、日本で働いたイリノイの女性は滞在記の中で、「アメリカでは当たり前のセクハラの概念は未だ太平洋を渡っていない」と当時の日本の現状を嘆いていた。その後日本でもセクハラ訴訟が増えるには増えたが、まだまだレベルが違い過ぎる。最近日本の女性ジャーナリストI.Sさんのセクハラ訴訟が話題となったが、セクハラ訴訟は証拠の取扱いが難しく、日本ではとりわけ困難を伴う。残念ながら、ISさんの件は、刑事訴訟では有罪を勝ち取れなかったものの、民事で賠償支払いの決定が出た。要するに原告は実質有罪と判定されたのである。

最近の日本の医学部国家試験の合格者は女性が男性を抜いたとか。オトコがオンナより優秀だ、などと考えていると、世の男性諸君はそのうちトンデモナイしっぺ返しを食らうかもしれない。